湿気の多い季節、梅雨の時期を乗り切る ハーブのお手入れ、蒸れ対策

はじめに

レモングラスやクレソンなどの一部を除き、ハーブは高温多湿がとても苦手です。

なぜなら、多くのハーブの故郷は地中海沿岸地域、「夏は雨が少なく、冬は温暖で他のシーズンに比べ雨が多くなる」という気候のもとで生まれたからです。

つまり、「夏は暑くて湿気が多く、冬は寒く乾燥している」という日本の気候は本来の生育環境と真逆といえます。

地中海沿岸地域の年間平均降水量は600mm前後ですが、日本は約1,700mmですので約3倍ほどの雨が降る計算になります。

特に日本は気温が上がり始める頃、つまり梅雨時から夏へかけての量が非常に多いのが特徴です。

ハーブの故郷とは真逆の日本のジメジメした環境は、温暖で乾燥した環境を好むハーブにとって優しいものではありません。

特に梅雨時はそれなりのケアをしてあげなければ様々な問題が発生することになります。

本記事では、ハーブ栽培を始めたばかりの方でも安心して梅雨の時期を乗り越えられる対策、注意すべきポイントやお手入れのコツなどをご紹介いたしますので、夏越しの参考にしていただければ幸いです。


高温多湿で起きる問題

梅雨や夏のジメジメした時期には、以下のような問題が発生する可能性があります。

特に鉢植え栽培、室内栽培の場合は注意が必要です。

・風が当たらず土の温度が上昇しすぎてしまう。
・茎葉が茂りすぎて蒸れてしまう。
・水分が溜まって根腐れしてしまう

これからの問題は生育不良を引き起こすだけでなく、葉が茶色が徐々に変色したりアブラムシやハダニなどの害虫発生を引き起こし、最悪の場合は枯れてしまう可能性もあります。

そこで、これらの問題を少しでも改善するために行うのが、これからお伝えする3つの対策です。



やるべき3つの対策

暑さ対策

暑さ対策で大切なことは、風通しの良い場所で栽培するということです。

特に夏の熱帯夜が続くと、驚くほど一晩で一気に弱ってしまうこともあるため、鉢やプランターはできるだけ風の当たる場所に移動しておきます。

特にアパートやマンションのベランダには壁や仕切りがあり、意識せずに風の当たらない場所へ鉢を配置して、知らず知らずのうちに風を遮っている場合がありますのでご注意ください。

格子の付いているベランダであれば、風通りがある格子の横に移動してあげましょう

テーブルや台を使って少し高床の状態にしてあげるだけでも風の受け方が改善しますのでお試しください。



スペース的な問題でどうしてもテーブルや台が置けないという場合は、人工芝やスノコの上においてあげることで、照り返しによる温度上昇の影響を受けにくくすることもできます。


主に室内で栽培されている方はサーキュレーターを使用して風の流れを作ってあげることも必要になります。

暑さ対策だと思ってクーラーを使用する方もいますが、冷却された風は植物を弱らせてしまいますので逆効果となります!お気をつけください。


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室内栽培においては、他にも日照不足などの問題もあります。よろしければ下記の記事も参考になさってください。


蒸れ対策

蒸れ対策で一番大切なことは、茎葉を密集させないことです。

梅雨の時期から夏にかけては、多くのハーブが生育期に入り、茎葉が元気に茂り始めると同時にどんどん収穫できるようになります。

茎葉の密集を改善するには、やはり日々の状態を確認して適宜収穫も兼ねて剪定していくしかありません。

特に細かい葉をもつタイムなどは、水分が葉と葉の隙間に溜まりがちで、天気によっては中々蒸発しないままで蒸れてしまうことがありますので注意が必要です。

蒸れが原因で弱り始めると、茎葉が黒ずんで徐々に枯れていきます。

本格的な暑さを迎える前にしっかりと手入れしておくことで、夏に突入しても生育が衰えません。株元をスッキリさせるための剪定(切り戻し)をしっかり行っておきましょう。

剪定がはじめてという方は、下記の記事も参考になさってください。



根腐れ対策

余分な水分が土中に溜まったままで引き起こされるのが「根腐れ」です。

根腐れの対策で一番大切なことは、水分コントロールです。

この時期の水やりはとにかく植物と相談しながら行うことが大切です。

湿気の多い季節は、空気中に水分がふんだんに含まれているため鉢内の水分が蒸発しにくい状態になっており、土が湿ったままの状態で毎日同じように水やりを行なっていると、土の中に過剰な水分が残り根腐れの原因となりますので注意が必要です。

水やりには、「水分を与える」という役割と「古い水分を押し出す」という2つの役割があること意識しましょう。

最適な状態は、水やりで与えた水分がしっかりと葉に吸収されて無くなり、また新しい水を与えてあげるというサイクルが繰り返されることです。

ハーブ栽培においては、梅雨時に限らず常に水分バランスをしっかりと保つことが大切です。

水やりについては、下記のページでもう少し詳しく解説していますので、よろしければあわせてご覧ください。


素焼きの鉢がおすすめ

高温湿気の多い時期に栽培をはじめる、もしくは植え替えするために新しい鉢に移し替えるという方には素焼き鉢やメッシュ構造の鉢をおすすめします。



根腐れの要因である鉢内の温度上昇、そして水分過多を予防するには、鉢自体の通気性が良いということも重要なポイントです。

下記のページで、鉢選びのポイントを簡単にご紹介していますのであわせてご覧ください。



最後に(まとめ)

毎年やってくる梅雨は、ハーブがその後のシーズンを健康に過ごせるかどうかを左右する時期といっても過言ではありません。

今回ご紹介した簡単な対策を行っただけでも夏場以降の生育がグンと良くなりますので、鉢植え栽培をされている方は是非参考にしていただきご自宅の栽培環境やお手入れの仕方を見直してみてください。


常時湿度の高い環境にお住まいの方は、比較的水分のある環境でも育ちやすいクレソンやバジル、チャイブ、コリアンダーなどの栽培がおすすめです。

ご興味のある方は、下記の記事もあわせていただければと思います。

【クレソン】水耕栽培でなくても大丈夫? 鉢植えで育てるキッチンハーブ

【スイートバジル】身近で親しみ深い ハーブの王道! 家庭での育て方

【チャイブ(西洋アサツキ)】家庭で育ててコスパ抜群の薬味系ハーブ!

【コリアンダー(パクチー)】好きと嫌いがはっきり分かれる 香り系ハーブ


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栽培のコツ
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