はじめに
庭や畑に植え付けたハーブは、日照りが続かない限り水やりの心配がないですが、鉢植えとなると話は別です。
ハーブに限らず、鉢植えの植物は鉢内に蓄えられている水分にほぼ依存しており、水切れしてしまった場合は萎れたり、枯れてしまうことがあるため適宜水を与える必要があります。
しかし、旅行や出張などで家を空ける場合には、当然水やりをすることはできません。
ペットのように旅行先に鉢やプランターを同伴するわけにいきませんし、、だからと言って留守中に水切れしたらどうしようと外出中にモヤモヤしてしまうことも。。。
そこで今回は、留守中の水やりが必要なケースと不要なケース、そして外出前にどのような対策をしておくべきかについて解説したいと思います。
留守にすることが多いのでどうしたものか……とお悩みの方は、是非本記事を参考になさってください。
大前提として
本題に入る前に、まずはじめにお伝えしたいのは、一日にどれだけの水分を必要とするかは、ハーブの種類や生育過程、時期によって異なるということです。
同じハーブでも、比較的湿り気を好むレモングラスやクレソンなどは表面が少し乾いてきたタイミングで水が必要になりますし、逆にセージやラベンダーなどは乾燥を好みますので毎日水やりをする必要はありません。
また、苗が小さい頃(=これから根が生長していく過程)と大きくなった後(=根付いた後)では必要とする水の量や水やり頻度も異なります。
つまり、育てているハーブがどのような環境を好むのか、どんな生長段階にあるのかをしっかりと把握した上で、水やりの必要有無について考えることが大切となります。
こんな場合は心配ご無用
もし皆さんが育てているハーブが乾燥気味の環境を好む品種、例えば、セージ、ラベンダー、ローズマリー、タイム、アロマティカス、センテッドゼラニウムなどであれば、2〜3日程度は特に水やりの心配はありません。
元々が丈夫な性質であるミントなどもちょっと水切れしたくらいではへこたれませんので安心してください。
また、冬期や涼しい時期は水分の蒸発量も少ないため過度に与える必要はありません。
水やりが必要なケース
下記のような場合は、外出している間に枯れたり生育不良になる可能性がありますので、留守中の水分補給対策が必要になります。
苗が若い
植物の根は水分の吸上げと同時に養分も吸収する役割を果たしているため、根の生長が抑制されることで一気に生育不良に陥ります。
特に苗が若い頃は根も葉も未熟であることから、短期間でも水や養分が切れてしまうと、既に充実している株と比べて枯れてしまう確率が高くなります。
従って、苗が若ければ若いほど水分を切らさないようにすることが大切です。
気温が高くなる
外出中の気温が非常に高くなる場合、例えば30℃を超えるような気温になると、鉢を半日陰に置いていても水分の蒸発量が多くなります。
不在中の気温を予め把握して、なるべく外出前に対策しておく必要があります。
部分的に温度が高くなる窓際や庇のないベランダなどは特に注意が必要です。
外出が長期間になる
3日〜1週間程度の外出になると、いくら乾燥が好きなハーブであっても水やりは必要になります。
また、気温が落ち着いている春や秋であっても、3日以上もの間何もせずに放置すると鉢内の水分はほぼ枯渇しますので水やりは必須となります。
外出前にやるべきこと
先に、2〜3日程度であれば水切れの心配をする必要がないとお伝えしましたが、たとえ短期間であっても外出前には下記のようなケアをしておく必要があります。
▶︎暑くなる日であれば外出する当日の朝、涼しい時期であれば外出直前に、鉢底から古い水が流れ出るくらいたっぷりと水を与えておきます。
(※受け皿に溜まった水は蒸れの原因となるので、しっかりと捨てておきましょう。)
▶︎鉢を直射日光や西陽の当たる場所から「明るい日陰」に移動しておきます。特に、普段窓際に置いてある鉢は必ず窓から距離とっておきましょう。
留守中に便利な水やりアイテム
鉢の状態を見ながら適宜水やりをしてくれる人が代行してくれるのが一番の理想ですが、一人暮らしの方や家族揃ってお出かけする場合には中々そうもいきません。
そこで是非利用したいのが『自動給水器』です。
自動給水器には、ペットボトルに専用キャップを着けて差しておくだけの簡易的なものから、バケツやペットボトルに溜めた水を管を通して鉢に送る仕様のものなど、いくつかの種類があります。
中には、タイマー式で決まった時間に水を与えてくれるものもありますので、皆さんの育てているハーブの種類や留守にする期間などに合わせて選んでみてください。
ハーブの場合は、必ずしも決まった時間に決まった量を必要とするわけではないので、簡易的なもので十分ですが、湿り気のある状態を好むレモングラスやクレソンなどのハーブに対しては、タイマー式のもので常時湿り気を保つようにするほうが安心です。
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帰宅後のケア
▶︎外出から戻ってきた時に、土の表面が乾いているもしくは葉が萎れている場合は速やかに水やりを行いましょう。(帰宅時にまだ土が湿っている場合は無理に与える必要はありません。)
▶︎半日陰から元の場所(日当たりの良い場所)に鉢を移動します。
▶︎土が固くなっていて水を吸い込まない場合は、底面給水(※)を行います。
底面給水
=バケツやたらいなどの容器に水を張り鉢ごと浸して、鉢底から(根の部分から)水を吸収させる手法です。
茎葉が萎れて上部から水やりをすると茎が折れ曲がってしまうような場合にも有効な方法です。
最後に
今回は外出時の水やりが気になるという方に向けて、外出前のケア・留守中の対応、帰宅後のケアについて解説いたしました。
特に行楽シーズンはご自宅を空けることも多いかと思いますので、本記事を参考に安心して外出できるように準備していただければと思います。
日常的な鉢植えのケアについては下記のページでも解説していますので、ご興味ある方はあわせてご覧ください。