はじめに
香りが強めのハーブには、好き嫌いがはっきりと分かれるものが多いです。
クセのある香りを持つハーブは、料理に使われることが比較的多く、煮込み料理の香り付けや臭い消しの効果を発揮します。
しかし、今回ご紹介する「コリアンダー」は主に生食として利用するハーブで、色々な香り系ハーブの中でも好き嫌いがはっきりと分かれる傾向があります。
お好きな方はとにかく何に入れても食がすすむと言いますし、嫌いな方は香りがしただけで食欲が失せると言います。
皆さんはいかがでしょうか?
コリアンダーは初心者でもご家庭で簡単に育てられるキッチンハーブですので、「いくらでも食べられる!」という方は今回の記事を参考に是非栽培にチャレンジしてみてください。
コリアンダーってどんな植物?
基本情報
コリアンダー
学名 | Coriandrum sativum |
別名 | パクチー、シャンツァイ、 ザウムイ、コエントロ etc |
原産 | 地中海沿岸 |
科名 | セリ科コエンドロ属 |
分類 | 一年草 |
大きさ | 20〜50cm程度 |
開花時期 | 6〜9月頃 |
耐性 | 耐寒性:あり(0〜−5℃程度) 耐暑性:あまりない |
活用法 | 主に料理 |
多くの方が東南アジアのエスニック料理、または中華料理に欠かせない食材として親しまれているコリアンダーですが、国によって様々な呼び名があります。
英名ではコリアンダーの他にも「チャイニーズパセリ」と呼ばれ、タイでは「パクチー」、ベトナムでは「ザウムイ」、中国では「シャンツァイ(香菜)」、ポルトガルでは「コエントロ」と、それぞれの国で様々な呼び名がありますが、どれも同じものをさします。
皆さんもご存知の通り、基本的には葉を食用にしますが、茎や根もタネも余すことなく活用できる優れたハーブなのです。
スーパーのスパイスコーナーでも目にする「コリアンダーシード」は、タネを乾燥加工したものでカレーやピクルスなどの材料として使います。
一般家庭ではあまり使用する機会がないと思いますが、食用以外にも精油(エッセンシャルオイル)として販売されています。
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コリアンダーはセリ科の一年草で、葉の切れ込みと個性的な香りが特徴です。
長く収穫するために花が咲いたら切り落としてしまいますが、初夏から初秋にかけて小さくて美しい白花を咲かせます。
あまり耐暑性がないですが、初心者でも簡単に育てられるハーブです。
「パクチーファラン(ノコギリコリアンダー)」という名前の多年草も存在し、香りは似ていますが別属です。同じように料理に使用することができます。
活用方法
コリアンダーは主に料理の食材として利用しますが、熱を加えると香りが飛んでしまうので、お好きな方はやはり生食するか、料理の仕上げとして加えるのが一番です。
逆に、コリアンダーシードは熱を加えることで香りが増しますので、カレーのスパイスやお茶として利用します。
① 生食
日本でも既に日常的な食材になっているコリアンダーですが、王道の生春巻きやトムヤムクン、フォーなどの他にも様々な料理のトッピングとして活用できます。
大好きな方の中には「とにかくどんな料理にでも乗せてしまう」という人もいます。
チャーハンやサラダ、インスタントラーメンなど、色々なものに加え自分オリジナルの食べ方を見つけるのも楽しいです!
下記のページでは、ハーブを料理するときに便利なアイテムをご紹介しています。ご興味ある方はあわせてご覧ください。
② お酒の風味付け
清涼感のあるコリアンダーの風味は、ラム酒、ホワイトリカーなどのお酒と相性が良く、漬け込むことでハーブ酒として楽しめます。
ビールに生葉をそのまま投入すれば爽やかな香りが加わったコリアンダービールの完成です!
コリアンダーの他にもお酒との相性の良いハーブがたくさんあります。別途、記事にまとめてありますので是非一度ご参照の上お試しください!
③ お茶
コリアンダーシード(小さじ一杯程度)をカップに入れてお湯を注ぐだけでコリアンダーティーの出来上がりです。
葉や茎のようなクセはなく、ほんのり甘味も感じさせてくれるので、苦手な方でも比較的飲みやすいです。
小鍋に入れて煮出すと更に濃くなりますので、お好みで調節してください。スライスした生姜を加えれば更に体を温めてくれます。
冷え性の方や風邪対策におすすめのハーブティーです!
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コリアンダーを育ててみよう!
日頃から頻繁に食べるという方は、絶対的にコスパが良い自家栽培にチャレンジしてください。
自家栽培といっても鉢植えで簡単に育てることができますので、お住まいの広さに関わらず誰でも気軽に始めることができます。
一年草ではありますが、しっかり日常管理すれば半年くらいは収穫しながら食べることができます。
ワンシーズンを通して、いかに長く楽しめるかがコリアンダー栽培の醍醐味といっても過言ではありませんので、是非楽しみながら育ててみましょう!
植え付け
生育環境としては、日当たりが良いところか半日陰、排水性の良い場所を好みます。
夏場の高温を嫌いますので、強い西日が当たらない場所で育てましょう。
コリアンダーの苗やタネは、ホームセンターでも取り扱っています。春先または秋口にお店に問い合わせて確認してみましょう。
全国のホームセンター検索はこちらから(リンク先:日本全国ホームセンターマップ)
もし見つからない場合は、ネットショップでも入手可能です。タネから育てるのはちょっとハードルが高いという方は苗から育てるほうが安心です。
コリアンダーの苗やタネはこちらから<種子から育てる>
▶︎発芽温度は15〜20℃前後。
▶︎春まきは3〜5月頃、秋まきは9〜10月頃です。
▶︎一晩水につけておくことで発芽率が上がります。
▶︎育苗ポットに土を入れ、重ならないように3粒ほど播きます。薄く(2〜3mm程度)覆土したら、日当たりの良い場所で乾燥しないように管理します。(育苗中は乾かないように霧吹きで水やりを行います。)
▶︎環境にもよりますが、1〜2週間程度で発芽します。
▶︎発芽から1ヶ月後くらいで、10cm程度になっていれば鉢や地面に植え付けできます。
※鉢植えの場合は、移植の手間を省くために育苗ポットではなく直接鉢に播いて間引きながら育てても結構です。
<苗の植え付け>
苗が準備できたら早速植え付けていきます。
複数を植え付ける場合は、株と株の間に20〜30cm程度の間隔を空けましょう。
コリアンダーは水はけがよく中性〜弱酸性の土を好みます。
市販品であれば、元肥入りの園芸用土やハーブの土で問題なく育ちますが、植え付け前に苦土石灰を少し混ぜ込んであげれば更に生育が良くなります。
ご自身でブレンドするのであれば小粒の赤玉土6に対して腐葉土3、バーミキュライト1(※)くらいの割合がおすすめです。
土壌改良材について詳しく知りた方は、下記のページも参考になさってください。
日常管理
◆水やり
地植えの場合、根付いてからは水やりの必要がありませんが、乾燥した日が長く続くようでしたらたっぷりと与えます。
鉢植えの場合は、表面が乾いたらたっぷりと与えてください。
※梅雨の時期は過湿と日照不足が原因で徒長しやすいため、回数は控え目のほうが良いです。
◆肥料
園芸用土を使う場合は元肥は必要ありません。
追肥も無理にする必要はありませんが、葉が黄色っぽくなってきた場合は液肥で養分を補ってあげましょう。
頻繁に収穫する生育期も同様に液肥を与えれば生育が衰えません。
◆剪定
花をつけてしまうと、葉に行き渡る養分が激減してしまいますので、5月から6月にかけて花芽が出始めたらすぐに摘んでおきましょう。
◆病害虫
アブラムシがつき食害を受けることがあります。新芽につくと生育を阻害しますので早めに駆除しましょう。
家庭でも簡単に作れる「重曹スプレー」や「酢水スプレー」などで、ある程度までは対応が可能ですが、一年草ですのでひと手間かけて回復させるよりは新しい株に更新して育てたほうが効率的です。
ハーブの害虫対策については下記のページをご参照ください。
収穫
草丈が20cmくらいになったら収穫します。収穫を長く続けたい場合は外側の葉っぱから順次摘み取りましょう。
冷蔵の場合
▶︎収穫したときの切り口を約1時間水に浸けた後、湿らせたペーパータオルで包み更にラップを巻き、保存用の袋に入れて野菜室で保管します。
2日に1回、ペーパータオルを取り替えると1週間程度は鮮度が保てます。
冷凍の場合
▶︎収穫したものを軽く洗って、水に5分程度浸して水を吸わせます。
葉がシャキッとしたらペーパータオルで水分を拭き取って、使いやすいサイズにカットしたらフリーザーバッグに入れて冷凍庫へ。
1ヶ月程度は保存可能で、使用するときは凍ったまま使用します。
市販のコリアンダーは育てられる!?
野菜売り場には、根の付いたコリアンダーが販売されていることがあります。
根っこも調理して食べる方にはありがたいですが、新鮮な状態であればその株を利用して育てることもできます。
使用するのは、茎葉を切って料理に使った後に残った「株の部分」だけです。意外と簡単にできますのでチャレンジしてみてください。
詳しい方法は「おかたろー(Taro Oka) Gardening」さんのYouTubeチャンネルにてご覧いただくことができます。
最後に
今回は、その独特の香りで好き嫌いが大きく分かれるハーブ「コリアンダー」について解説させていただきました。
最近は一般的な野菜としてもメジャーになりましたが、好んでたくさん食べる方にとっては毎回の出費が嵩みますよね。
鉢植えやプランターで育てることができれば、家計にも優しく、自分で育てたものであれば更に美味しくいただくことができますので、是非、栽培にチャレンジしてみてください。
他のキッチンハーブと寄せ植えにしても楽しめますので、少し大きめの鉢やプランターで育てられる方は寄せ植えにもトライしてください。
同じくキッチンハーブの一つ「ルッコラ」についても解説しているページがありますので、ご興味ある方はそちらもご覧くださいませ。