【フェンネル(ウイキョウ)】とは、どんなハーブ? 特徴と育て方

フェンネルについて

フェンネル

学名Foeniculum vulgare
別名ウイキョウ etc
原産地中海沿岸
科名セリ科ウイキョウ属
分類多年草
大きさ1〜2m程度
開花時期6〜8月頃
耐性耐寒性:あり
耐暑性:あり
活用法主に料理

フェンネルの歴史は長く、古代エジプトより食用や薬用として栽培されており、植物誌にも種子が利尿薬や鎮痛薬として使われたと記されています。

また、古代ギリシャでは「マラトン」と呼ばれ、成功の象徴とされていました。

中国を経由して日本にやってきたのは平安時代で、当時は薬用に栽培されていましたが、現在ではガーデンの植栽や料理の素材として親しまれるようになりました。


花火のような形をした小さく黄色い花が集まって咲き、エディブルフラワーとして食べることもできます。


アニスや八角のような香りの種子は5mmくらい大きさで「フェンネルシード」と呼ばれ、魚介類との相性が良いスパイスとして知られています。



フェンネルの葉は特に魚料理の風味付けによく利用されますが、そのすっきりとした香りは洋風や中華、エスニックなど様々なジャンルの料理にマッチします。

葉をモリモリ食すというよりは、細い葉を添え物として活かしたり、料理のトッピングとして使うのが効果的です。清涼感とほんのりした甘さが食欲を刺激します。



品種改良された「フローレンスフェンネル」は、肥大した株元(鱗茎)も食用にできます。

イタリアでは「フィノッキオ」と呼ばれ、一般的でポピュラーな野菜としてサラダやスープの材料として身近に親しまれています。



フェンネルを育ててみよう!

種まき&植え付け

生育環境としては、日当たりと風通し、水はけの良い場所を好みます。

フェンネルは直根性(※)の植物ですので植え替えを苦手とします。その為、種から育てるときは直播きして間引きながら育て、後々植え替えが必要ないように育てていきます。

※直根性について詳しく知りたい方は下記のページをご参照ください。


<種子から育てる>
▶︎発芽温度は20℃前後。
▶︎春まきは3〜5月頃、秋まきは9〜10月頃です。

▶︎好光性種子ですので、種播き後は覆土しない、もしくはごく薄く(2〜3mm程度)覆土します。
▶︎環境にもよりますが、2週間前後で発芽します。
▶︎育苗中は種子が流れ出ないように霧吹きなどを利用して水やりを行いましょう。
▶︎本葉が5〜6枚になるまで適宜間引きを行い、最終的に株と株の間が30cm間隔になるよう一本立ちにします。

フェンネルの苗や種子はこちから

<苗の植え付け>
苗を購入して複数の株を植え付ける場合は、最低でも株間は60cm、またはそれ以上の間隔をあけて植え付けます。

鉢植えで栽培されたい方は10号サイズ(直径30cm程度)深鉢をご用意ください。

土は市販の元肥入り園芸用土で問題ありませんが、ご自身でブレンドするのであれば小粒の赤玉土7に対して腐葉土3程度の比率でブレンドしましょう。

植え付け穴を開け、たっぷりと水を含ませてから定植し、土を被せた後は株元を軽く押さえて完了です。

※直根性のフェンネルは本来植え替えを嫌う植物です。ポットから苗を取り出す際は優しく扱い、根鉢は崩さないようにしましょう。



日常管理

◆水やり
地植えの場合は、根付いた後の水やりは必要ありません

鉢植えの場合は、土の表面がやや乾いたらしっかりとあげてください。

ハーブ栽培がはじめての方は下記のページも参考になさってください。


◆剪定、収穫
葉が茂っている間、柔らかいうちに収穫も兼ね随時剪定しながら育てていきます。

初めて剪定にチャレンジするという方は下記のページも参考になさってください。


◆支柱立て
草丈が高くなりますので、支柱を立てて倒れにくくしておいた方が安心です。


◆肥料
栽培中に定期的な施肥は必要ありませんが、生育期に(2週間に1度程度)液肥を与えておくことで生育が衰えず長期間収穫することができるようになります。



◆病害虫
アブラムシやカメムシ、アゲハチョウ(幼虫)に好かれます。日常的に観察をしっかり行い、見つけ次第すぐに対処しましょう。

アゲハチョウの卵は薄黄色の1mm程度の大きさです。ティッシュや割り箸などを使って排除しましょう。

気をつけていても虫がつくことはありますので、下記のページを参考に予防と対策を行ってみてください。



最後に

今回ご紹介した「フェンネル」は、姿や用途が非常に似ているということで、「ディル」と混同されてしまうことが多いハーブです。

下記のページでは、フェンネルとディルの両者の違いと見分け方をご紹介しておりますので、よろしければあわせてご覧ください。


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ハーブについて品種と特徴
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