はじめに
当サイト「おにわにわ.com」をご覧いただき誠にありがとうございます。
このページに辿り着き、記事をご覧の皆様は「ハーブ栽培に興味がある」または「これから何か植物を育ててみよう」という方々ではないかと思います。
今まで植物を育てたことがない方にとっては、小さな鉢植え一つであっても「育てる」ということ自体が未知の世界であり新たなチャレンジかもしれません。
不安に感じることもあるかと思いますが、現役で活躍しているプロの庭師さんや農家さんも初めは誰でも初心者だったわけですから、未経験の皆さんも安心してスタート地点に立ってください。
一昔前と違って、必要な情報や資材はネットやホームセンターで容易に入手できる時代になり、ハーブに限らず、植物をを育てることが一部の人のものではなく、多くの人にとっての娯楽や癒しになったことは本当に喜ぶべきことだと感じています。
かくいう筆者も、以前は植物とは全く無縁の仕事をしていましたので、まさかこのような記事を執筆することになるとは夢にも思っていませんでした。
この記事では、これからハーブを育ててみよう!と思った皆さんにとって「一番最初のマニュアル」になるよう、可能な限り過不足なくポイントを絞り込んで解説していきます。
まずは必要最低限の資材を揃えて、鉢やプランターに植え付けが終わるところまでをガイドしたいと思います。
パソコンやスマホを片手に準備を始め、記事を読み終える頃には「育てたい」から「育てている」に変っているような、そんな一助になれば幸いです。
5分でプランニング!
ハーブに限らず、家庭菜園やガーデニングを始めたいという方の中には、細かいことを気にしすぎて中々最初の一歩が踏み出せない方や、思うようにいかず本来の楽しさを味わう手前でやめてしまう方が多いものです。
でもせっかくチャレンジしようと思ったわけですから、是非続けたい!そんな時に役立つのがプランニングです。
「プランニング」といっても何ひとつ難しいことはなく、5分もかからず完結できる簡単なものです。
・何のために育てるのか?(育てる目的)
・何を育てるのか?(どんなハーブ)
・どこで育てるのか?(栽培場所)
まずは上記の3つについて、ちょっと考えてみましょう。
それではこの後、それぞれの項目についてもう少し詳しく見ていきましょう。
(既にプランニングの内容が決まっている方はスキップして、その次の項目「資材の準備」に進んでください。)
目的を決めよう
皆さんがハーブを育てたいと考えはじめたのには何かしらの理由があるはずです。
自分で育てたハーブを使ってお茶を飲みたい方もいるでしょうし、観賞して癒されたい方や、子供の教育のためという方、いつか農家になりたいという方もいるかもしれません。
目的によって、選ぶハーブの品種や栽培する場所も違いますし、何より、途中で負担を感じてしまった時に目的意識を持っているとモチベーションがキープでしやすくなります。
まずは、直感的にでも良いので「何のためにハーブを育てたいのか」を一度考えてみましょう。
利用目的(例)
▶︎ハーブティー、料理、切り花、虫除け、鑑賞、癒し、出荷、食育、花育 etc
ハーブを決めよう
栽培目的が決まったら、次は実際に何を育てるかを決めましょう。
(もう既に決めている方は次の項目「場所を決めよう」へお進みください。)
ハーブには実に様々な種類があり、お茶用として、観賞用としてなど、皆さんの好みに応じて品種も選び放題です。
ただし、ハーブによって食用に不向きなものや、観賞用としてはいまひとつ見応えがないものもありますので、その点を念頭に育てる品種を決めたいものです。
栽培の難易度もハーブによって異なりますが、まずは失敗を恐れずに、自分が育てたい!気になる!というものを深く考えずに選択してみてください。
初めての方にもおすすめの品種
お茶用▶︎ ミント類、レモンバーム、ジャーマンカモミール、ローズマリー etc
料理用▶︎ バジル、タイム、セージ、オレガノ、チャイブ、パセリ、コリアンダー etc
鑑賞用▶︎ ラベンダー、ゼラニウム、チェリーセージ、アロマティカス etc
当サイトでもおすすめハーブの品種を紹介しているページがあるので、何にしようか迷っている方は参考にしてください。該当のページはこちらから。
場所を決めよう
読者の皆さんの住環境は人によってぞれぞれかと思います。
都市部でアパートやマンション暮らしをされている方、または自然豊かな地域でお庭や畑にアクセスの良い方など、色々なケースが考えられますが、どこにお住まいであろうと、たった20cm×20cm程度の面積さえ確保できれば誰でも鉢植え一つから始めることができます。
園芸やガーデニングという言葉を聞くと、広い庭や畑をイメージする方が多いのですが、鉢植え一つでも立派な園芸です。
事務机の上、ベランダやキッチンの片隅でもハーブの栽培は可能だということを念頭に、皆さんの生活環境に合わせてまずは栽培場所を決めましょう。
育てるハーブの品種によって生育条件も違ってきますので、本来であればそのハーブの好む環境を細かく知った上で場所を選びたいところですが、まずは日当たり良し、風通し良し、湿気が少ないという3大条件を満たすところであれば、多くのハーブにとっては快適な環境と言えます。
室内栽培で日当たりや風通しを常時確保するのが難しい場合は、晴れた日だけでも外に出してあげることで健康に育てることができます。
栽培する場所(例)
▶︎ 職場や自宅の机の上、キッチン、ベランダの片隅、自宅の入り口付近や庭、畑
資材の準備
プランニングで、「育てる目的」「育てたいハーブ」「栽培場所」を決めたら、次は必要な資材を用意します。
はじめてのハーブ栽培で最低限必要となる資材は下図の通りです。
これらの資材を揃えたら、もう殆どスタート地点に立ったといっても過言ではありません。
「他にもハサミやジョウロなどの道具も必要では…」と感じる方もいるかと思いますが、既に家庭にあるもので代用できれば、極力コストもかけずにスタートすることができます。
確かに色々な道具があれば便利ですが、道具にこだわりすぎて最初の一歩を踏み出せないよりは、まず「栽培を始める」ということにを第一目標として、その後必要に応じて道具は揃えていけば大丈夫です。
最近では100円ショップでも揃えられえるアイテムが結構ありますし、ネット通販であれば種類も価格帯も様々なものを扱っています。
下記のページで、アイテム毎のおすすめ購入場所をご紹介していますので、参考になさってください。
コンテナ
限られたスペースで誰でも楽しめるのが「コンテナ栽培」の素晴らしいところです。
畑やお庭で栽培される方も、コンテナ栽培であれば、生育旺盛なハーブが必要以上に自然増殖してしまうことを防ぐこともできます。
コンテナ栽培と聞くと、大きな箱をイメージするかもしれませんが、コンテナそのものは植物を育てる容器全般の呼称で、実は鉢もプランターもコンテナの一種です。
一般的には、複数の植物を寄せ植えにしたり、大きくなる植物を植え付けたりのに適したサイズのものを「プランター」、比較的小さめで単独の種類を植えるのが「鉢」と呼んでいますが、厳密な定義はありません。
それでは早速、皆さんが決めた栽培場所とハーブに合わせて選ぶコンテナの形状や材質、サイズを選びましょう。
鉢のサイズや材質については下記の記事で簡単に解説していますので、あわせてご参照ください。
【コンテナを買わずに済む方法】
もし皆さんの身の回りに「容器」として使えるものがあれば、コンテナを購入せずに始めることができ、廃棄物の再利用にもなります。
例えば、大きめのペットボトル、発泡スチロールの箱、バケツ、洗面器などです。
水やりをしたときに、容器の底から余分な水分がしっかり抜けていくように、底には穴を開けて使用します。
苗
初めての方にとってタネから育てるのは少しハードルが高いと思いますので、まずは苗からはじめてみましょう。(苗からしっかり育てられるようになったら、是非タネから育てることにもチャレンジしてみてください!)
ハーブ苗が多く出回るのは春や秋ですが、お店によっては一年中店頭に並ぶハーブもあります。
地域や時期によって扱う種類も異なりますので、まずはお店に問い合わせてみることをおすすめします。
栽培が初めてという皆さん方は、できるだけ「育てやすさ」を重視したハーブを選びましょう。
丈夫で手間があまりかかない品種を選んで、まずはハーブ栽培の楽しさを味わっていただくのがベストだと思います。
健康な苗を選ぶときに役立つチェックポイントを別の記事でまとめてありますので、あわせてご参照ください。
ホームセンターやネット通販を利用して苗を購入される方は、下記のページも是非参考になさってください。
信頼と実績、高評価の苗を取り揃えている「おぎはら植物園」の苗がおすすめです!
【苗を買わずに済む方法】
▶︎ハーブの種類によっては、枝や茎を切り取り土や水に挿して人工的に増やす「挿し木」、既に生長した株をいくつかに分けて増やす「株分け」という方法で、新たな株を作り出すことができます。
もし親しい方でハーブを育てている人がいたら相談してみてください。たくさん育てている方なら喜んで提供してくださるはずです。
土
コンテナと苗が揃ったら、最後は土を準備します。
中級者や上級者であれば様々な園芸用土をブレンドして自分なりの土作りを楽しむ方もいますが、はじめての方にはちょっとハードルが高いと思いますので、まずは市販の培養土ではじめてみましょう。
最近はハーブに特化した「ハーブの土」も販売されていますが、どちらでも結構です。
商品によって内容量も様々で、小さな鉢植え一つであれば2〜3リットル程度、標準的な大きさの箱型プランター(幅60〜65cm)であれば12〜13L程度の土を用意しておけば十分です。
たくさん栽培される方は、それなりに土の量が必要となります。思っている以上に重量もあるため、お車をお持ちでない場合は配達かネットショップで購入すると楽です。内容量や価格も様々ですので、一度チェックしておきましょう。
・花と野菜の土を見てみる栽培キットを利用してもOK!
中には、「手間を省いて必要なものをまとめて用意したい!」という方もいると思いますので、その時は便利な栽培キットを利用するのが便利です。
・筆者おすすめ! 初心者でも安心 「ポタジェガーデン」の栽培キット高評価のおすすめ栽培キット↓↓
最近は一部の雑貨屋さんでも、野菜やハーブのミニ栽培キットが販売されていて、デザイン性に優れたものも多数見かけます。
インテリアとして楽しみながら、栽培の予行演習として楽しみたい方におすすめです。
様々なハーブ栽培キットをチェック!植え付け
苗、鉢、土が揃ったら早速植え付けます。手順はたったの4ステップ!
複数の苗を寄せ植えする例でそれぞれ見ていきましょう。
購入した土(培養土)を袋から出し、鉢やプランターの容量の半分程度入れます。
苗ポットから苗をゆっくり取り出し、まずは植え付け場所に配置していきます。
袋に残っている土を利用して、苗と苗の隙間を埋めていきます。
水やりの時に苗が浮いてこないよう、土の表面を平らにして株元を軽くおさえて完成です。
使用する鉢の大きさによっては土が余る場合もあります。
市販されている土のパッケージには使用期限が記載されていない場合が多く、保管をどうしようか、いつまでに使用できるのか分からない方も多いかと思います。
開封済みの土は袋をしっかりと閉じて、直射日光や雨のあたらず、風通しの良い場所に保管しましょう。
<重要:水やりについて>
植え付けした日から水をあげることになりますが、ここで一つ気をつけておきたいことがあります。
それは、「水やりはハーブの様子を観察しながら行いましょう!」ということです。
初めて栽培する方には、水のあげすぎが原因で枯らしてしまうケースが実は非常に多いのです。
人間が日常的に食事をとるような感覚で、植物にも毎日のルーティンで水やりをしている方が結構多いのですが、気温や湿度は日々変化していますので、土の乾き具合も植物が吸い上げる水分量も当然ながら日によって違います。
多くのハーブには過湿に弱く、水分過多で枯れてしまうことも多いのです。
特に湿度の高い梅雨の時期や気温が高くなる夏場は注意が必要です。
水やりのコツについては下記の記事で詳しく解説していますので、是非ご覧ください。
日常管理に必要な道具
これから日常管理をしてくわけですが、ハサミやジョウロといった道具、肥料などの資材も必要に応じて揃えていきましょう。
もし代用できるものがあれば、費用をかけずに、既にお持ちの日用品を使っても勿論OKです。
<ハサミ>
園芸用のハサミには色々な種類がありますが、花や葉を摘んだり、細い茎を切ったりするときは芽切りバサミ、鉛筆よりも太いサイズの枝を切るときは剪定バサミの2種類があれば十分です。
<ジョウロ>
シャワーのように細かい水が出せるようなハス口がついていて、尚且つ、そのハス口が取り外せるタイプがベストです。
最近では、飲み口に取り付けるだけで、ペットボトルをジョウロとして使える専用キャップが販売されています。一部の100円ショップでも取り扱いがありますので、是非探してみてください!
<肥料>
鉢植えの場合は、水やりをする度に少しずつ肥料分が外に流れ出ていくため、生育期の途中で肥料をあげたほうが順調に育ちます。
はじめのうちは培養土に含まれている養分で順調に育ちますが、しばらくすると養分がなくなってしまいますので、必要に応じて施肥をする必要があります。
肥料については、当サイトで基本をやさしく解説しています。焦らず少しずつ理解を深めていきましょう。
(参考記事)
▶︎肥料を理解する第一歩! 施肥の役割は? 堆肥とはどう違うの?
▶︎有機肥料と化学肥料 特性と種類についてやさしく解説!
▶︎効き目の速さで分類 緩効性、速効性、遅効性肥料の違いをやさしく解説!
最後に
おめでとうございます!これで皆さんも今日からハーブ栽培者の仲間入りです!
徐々に色々な知識が必要となりますが、まずは毎日育てているハーブの様子を見守りながら、元気な時はどんな時か、逆に元気がない時はどんな時か、そのハーブの性質と照らし合わせながら観察していきましょう。
失敗しないように恐る恐る育てるよりは、失敗を繰り返してその都度知識やスキルを高めていくほうが上達への近道です!
本当に育てられるか心配,,,という方は、丈夫で失敗しにくいミントから始めてみましょう!
下記の記事も是非参考になさってください。