はじめてのハーブ栽培はミントで決まり!初心者でも簡単な育て方と活用法

はじめてのハーブ栽培、初心者にミントをおすすめする理由

はじめに

「ハーブのある暮らし」と聞くと、きれいに整えられた庭でハーブを摘み、ゆったりとした昼下がりにハーブティーや料理を楽しむ――そんな素敵な情景を思い浮かべませんか?

でも実際には、「ハーブを育てるなんて、ちょっと難しそう…」「自分には無理かも」なんて感じている方も多いのではないでしょうか。

実は、ハーブってもっと身近で気軽に楽しめるものなんです。特に、今回ご紹介する「ミント」は、育てやすさが抜群!小さなスペースでも簡単に栽培でき、手間もほとんどかかりません。

筆者も最初は「ハーブなんておしゃれな人が育てるもの」というイメージを持っていましたが、実際にミントを育て始めて、その手軽さと成長力に驚きました。

この記事では、ハーブ初心者におすすめのミントについて、魅力や育て方、活用法をわかりやすく解説していきます。「ハーブを育ててみたいけど、自分にできるかな…」と迷っている方にとって、一歩を踏み出すきっかけになれば嬉しいです!



はじめてのハーブ栽培でミントをおすすめする理由

一言で「ミント」と言っても、その種類は世界中に何百種類もあります。たとえば、よく知られているスペアミントペパーミントだけでなく、ほんのりフルーティーな香りが楽しめるアップルミントパイナップルミント(この後、詳しくご紹介します)、さらには日本に古くからある在来種のハッカもミントの仲間です。

このように、ミントはバリエーションがとても豊かで、それぞれに異なる香りや特徴があるため、育てているうちにいろんな品種を試してみたくなる魅力があります。

では、なぜハーブ初心者にミントがおすすめなのか? それには、次のような理由があります。

▶︎ 育てやすく、失敗しにくい
ミントは成長力が非常に旺盛で、初心者でも簡単に育てることができます。多少の環境変化にも強く、適切な管理をすればベランダやキッチンのちょっとしたスペースでも元気に育つのが特徴です。

これらの理由から、初めてハーブを育てる方にはミントがぴったりなのです。


親しみやすい

ミントは種類の豊富さでも有名なハーブで、世界中に何百もの品種が存在します。例えば、爽やかなフルーツ系のアップルミントやパイナップルミント、さらには日本の在来種であるハッカなどもミントの仲間です。

以前、私が働いていた苗屋さんでも、ミントだけで毎年30種類以上の苗を取り扱っていました。その中でも、私たちの日常生活でよく目にするのは「スペアミント」や「ペパーミント」といった聞き覚えのある代表的な品種です。

スペアミントは甘く柔らかい香りが特徴で、料理やハーブティーにぴったり。
ペパーミントはメントールを多く含み、爽快感が強いのでデザートやドリンク、デンタルケア用品など幅広く使われています。

ミントはすでにお菓子、デンタルケア、化粧品、入浴剤、虫除けなど、私たちの日常生活に馴染んでいるため、特別な存在に思えがちなハーブの中でも一歩親しみやすい存在です。

ハーブ初心者におすすめの理由の一つは、「身近でイメージしやすい」ことにあります。馴染みのないハーブだと「どうやって使うの?」と迷ってしまいますが、ミントなら活用方法がすぐに思い浮かぶため、「私にも育てられそう!」という気持ちになりやすいのです。


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育てやすいから失敗しない

ミントをおすすめするもう一つの大きな理由は、その育てやすさです。

ミントは別名「爆食系植物」とも言われるほど成長が早く、強い繁殖力を持っています。ガーデニング好きの中では「増えすぎて困る」という声も多く、冗談交じりに「ミントテロ」なんて言葉が使われることもあるほどです。

矢印の部分が地下茎です。

その理由は、ミントが持つ「地下茎」という茎の仕組みにあります。

地下茎とは、地中を這うように伸びていく茎のことで、そこから新しい芽が次々と出てきます。そのため、気づいた時には想定外の場所にまで広がってしまうことも。ですが、鉢植えやプランターを使えば繁殖範囲をコントロールできるのでご安心ください!

このように、環境にあまり左右されず日向でも半日陰でも育ち、多少の水やり忘れにも耐えるミントは、初心者にとって失敗しにくい理想的なハーブなのです。


使いやすいからこそ楽しい

ミントのもう一つの魅力は、その汎用性です。ハーブにはさまざまな用途がありますが、ミントは主に葉の部分を使い、日常のさまざまなシーンで活躍します。

【ミントの主な用途】

  • ハーブティー:リラックスしたい時にぴったり
  • 料理:サラダ、デザート、ソースなどに
  • 入浴剤:お風呂で爽やかな香りを楽しむ
  • お酒:ミントを加えたカクテル「モヒート」など
  • ポプリ:部屋に香りをプラス
  • 虫除け:自然な方法で虫を遠ざける

特に、ミントを使ったカクテル「モヒート」は人気です。一般的にはキューバミント(別名:イエルバブエナ)を使いますが、スペアミントやペパーミントでも代用可能です。また、アップルミントやパイナップルミントといったフルーツ系ミントで作ると、ひと味違った美味しさが楽しめます。

モヒートミントについて更に詳しく知りたい方は下記のページをご参照ください。


ミントの中には食用に適さない品種もあります。特に「ペニーロイヤルミント」にはd-プレゴンという毒性のある物質が含まれているため、誤って食べないよう注意が必要です。

ペニーロイヤルミントについて、詳しくは下記のページをご覧ください。


ミントの育て方

ミントを実際に育ててみたい方のために、ここでは簡単な栽培方法をご紹介します。ミントは種類が豊富ですが、基本的な育て方はどの品種もほぼ共通しています。


生育環境

日当たりと風通しが良い場所がベストですが、半日陰でも十分に育ちます。夏の強い日差しは葉焼けの原因になるため、鉢植えの場合は暑い季節は半日陰に移動させると良いでしょう。


土の準備

土は市販の元肥入り培養土(または、ハーブ用の土)で問題ありません。

ご自身でブレンドするのであれば、赤玉土7に対して腐葉土3くらいの割合がおすすめです。


種子から育てる場合

  • 発芽適温:20℃前後
  • 種まきの時期:春は4月~6月、秋は9月~10月
  • 方法:種子を均等にまき、ごく薄く(2~3mm程度)覆土します。
  • 水やり:霧吹きなどで土が乾かないように優しく水を与えます。
  • 発芽まで:1~2週間程度
  • 間引き:発育が弱い芽は間引き、最終的に元気な芽だけを残します。

苗から育てる場合

  • 株間:複数の株を植える際は、20cm程度の間隔を空けて植え付けます。
  • 鉢のサイズ:1株のみ育てる場合、直径21cm(7号鉢)程度の鉢が適しています。
  • 植え替え:ミントは多年草のため、年々株が大きくなります。根詰まりが起きたら、さらに大きな鉢に植え替えるか、株分けを行いましょう。

はじめての鉢選びをされる方はこちらの記事も参考になさってください。



ミントの日常管理

水やり

地植えの場合は、根付いた後の水やりは必要ありません

鉢植えの場合は、土の表面がやや乾いたらしっかりとあげてください。

梅雨の頃は過度な湿度で日照不足で徒長(※)しやすいので、水やりの回数は控えのほうがよいです。

※徒長(とちょう)
=健康な苗に比べて茎や枝がひょろっと細長い状態。水のやり過ぎや日照不足が原因。


梅雨のような時期の日常管理については下記の記事も参考になさって下さい。


剪定

生長してくると株の内部が蒸れてきます。茎や葉が茂りすぎて窮屈になっている部分があれば剪定して風通しをよくしてあげましょう。

ミントは花が咲いてしまった後に葉や茎も硬くなり弱り始め、香りも徐々に薄くなっていきますので、花芽が出たら収穫も兼ねてすぐに摘み取りましょう。

また、7〜8月頃に地際から15cmほど残して刈り込んであげることで蒸れ防止と新芽の生長促進にもつながりますので、積極的に剪定しましょう。


剪定がはじめてという方は下記のページをご参照ください。


肥料

園芸用土を使った場合は元肥が入っているのでしばらくは肥料を入れる必要はありません

ミントは痩せた土地でも十分育ちますが、葉が黄ばみはじめたり生育不良になった場合は液体肥料などを利用して養分を補充しましょう。

今まで肥料を使ったことがないという方は、肥料の基本について簡単にまとめた記事を用意しておりますのであわせてご覧ください。



増えすぎたミントの活用法

ミントは生育旺盛なため、気づくと「あれ、ちょっと多すぎるかも?」ということも。そんなときは、以下の方法で大量消費したり、長期保存してじっくり楽しみましょう。


入浴剤として使う

増えたミントは、自宅で簡単にハーブバスとして活用できます。特に暑い夏にはミント風呂がぴったり。清涼感のある香りで心も体もリフレッシュできます。


他にも入浴剤におすすめのハーブが多数ありますので、下記の記事も参考になさってください。



乾燥させて長期保存

普段からハーブティーを楽しんでいる方でも、一度に大量のミントを使い切るのは大変ですよね。そんなときはドライ加工がおすすめです。


■ 生のまま保存する場合

  • 冷凍保存:新鮮な状態で1か月ほど保存可能。ただし、それ以上保存したい場合は乾燥させた方がベターです。

■ ドライ加工する場合

  • 保存期間:3〜6か月ほど香りや風味を保てます。
  • 乾燥方法
    • フードドライヤーを使うと確実に水分を除去でき、カビのリスクが低くなります。
    • 天日干しは、日本の高温多湿な気候が影響してカビが発生しやすいため注意が必要です。

乾燥したミントは、ハーブティーやポプリ、料理のアクセントなど多用途に活用できます。


天日干しする場合は、日本の高温多湿気候が影響して中々水分が抜けにくく、更にはカビの原因になることもあります。


フードドライヤーがあれば、加工後のカビの心配もなく安心して長期保存が可能です。

<参考商品>


最後に

ミントは種類が豊富で、それぞれが異なる個性を持つ魅力的なハーブです。その個性を活かした使い方が楽しめるのも、ミントを育てる醍醐味の一つ。

お庭でも鉢植えでも丈夫に育ち、手軽に「ミント水」を作って日常に爽やかな一杯をプラスできます。初心者でも簡単に始められるので、ぜひ一度育ててみてください。

美味しいミント水の作り方や、おすすめの品種についてはこちらをご覧ください。


また、今回ご紹介したアップルミント、パイナップルミントの特徴や育て方については、下記のページで詳しく解説していますので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。



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暮らしとハーブ
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