はじめに
物価の高騰による食料品の値上げは私たちの食卓にも大きな影響を与えます。
特に野菜類の価格高騰は、家計への直接的な影響がある他、結果的に畜産や加工の生産現場にも大きなインパクトがあります。
自然豊かな地域で暮らしている方の中には、ご自身の畑や家庭菜園で食料を自給している人も多いかと思いますが、都市部にお住まいの方にとっては食材価格の高騰は切実な問題です。
しかしながら、物理的な制約や時間的な制約のある方でも、自宅でできるちょっとした自給方法があります。
それが今回ご紹介する「キッチンハーブの栽培」です。
もちろん、日常的に使う全ての野菜に取って代わることはできませんが、料理によって薬味代わりになったり、添え物になったり、風味付けとして優秀なハーブもたくさんありますので、是非今回の記事を参考にご家庭でプチ自給を楽しんでいただければ幸いです。
料理に使えるハーブとは?
「料理に使えるハーブ」といっても数え切れないほど様々な種類があります。
代表的なものとしては、
・ローズマリー
・セージ
・オレガノ
・ミント
・バジル
・タイム
・クレソン
・コリアンダー
・月桂樹
・ルッコラ
・チャイブ
・レモングラス など
これらの他にもたくさんのハーブが料理の材料として活躍します。
日本の食習慣も時代の移り変わりと共に変化しましたが、ご家庭で作るイタリア料理やエスニック料理の素材として重宝するだけでなく、和食と組み合わせてもマッチするものもあります。
キッチンハーブをおすすめする理由
「キッチンハーブ(料理用ハーブ)の栽培」は、以下の点においてオススメです。
・畑がなくても小スペースを活かして栽培できる。
・初心者でも簡単に育てられる。
・収穫して新鮮なうちに食べられる。
・買わずに済む。
小スペースでも栽培可能
自給生活を送るために大きな畑やお庭は必要ありません。
もちろん栽培規模は居住環境によって限られますが、それでもほんの少しのスペースさえあれば、食材の何%かを自給することは十分可能です。
特に、多くのキッチンハーブは畑が必要なほど大きくなることはなく、20cm四方の鉢を置くスペースさえあれば、どんなお住まいの方でも手軽に育てることができます。
生育期にはぐんぐん大きくなりますが、収穫しながら育てるので、邪魔になるほどの大きさになることもありません。
初心者でも安心
”栽培”と聞くだけで「何だか大変そう…」というイメージを持つ方もいるかもしれませんが、やってみると意外と簡単で、「これならもっと早く始めておけば良かった・・」という方が大半です。
日常的に観察して重点を絞ったお手入れを行えば、殆どのハーブは丈夫に育ってくれますのでご安心ください。
初めてのハーブ栽培であれば尚更、気軽にはじめられるキッチンハーブからスタートしてみましょう。
新鮮なうちに食べられる
近年は流通網が発達したこともあり、遠方で栽培されたフレッシュハーブがスーパーでも手に入るようになりましたが、やはり自家栽培の鮮度には敵いません。
特にハーブは野菜類と比べて鮮度が落ちるのも早く、元々流通自体が難しかったものです。
ご自宅で栽培できるようになったら、是非一度、市販品と食べ比べてみてください。きっと格段に風味が違うことに気がつくはずです。
家計にやさしい
総務省統計局が実施した家計調査によると、一年間で生鮮野菜への支出金額が特に多いのは、東京都23区と横浜市で、それぞれ9万円以上を野菜の購入に費やしています。
(参照元:総務省統計局「家計調査 品目別年間支出金額及び購入数量データ」)
冒頭でお伝えした通り、キッチンハーブを育てたからといって、日常使いの全ての野菜に取って代わることはできませんが、種類によっては、¥400〜¥500程度の苗一つから栽培して、結果的に数千円分の節約につなげるということは十分可能です。
それが、苗でなく種から育てたとしたら更に収穫量も増えストックもできるかもしれません。
その他にも、料理に使おうと思っていた野菜を切らしている時に代替え品として利用できたり、お子さんのいる家庭では、お父さんお母さんが先生となって「食育」を行う良い機会にもなるかもしれません。
おすすめのキッチンハーブ9選
以下は「育てやすい」「手間がかからない」「使いやすい」という点でおすすめの料理用ハーブです。
・イタリアンパセリ
・コリアンダー(パクチー)
・スイートバジル
・ルッコラ
・チャイブ
・チャービル
・クレソン
・シソ
・タイム
イタリアンパセリ
鉄分を豊富に含み、肉料理や魚料理、卵料理など色々なものにマッチするハーブです。
収穫期間も長いため、ワンシーズン通して楽しめるのが嬉しいポイントです。
イタリアンパセリの苗やタネを早速チェック!
高評価のおすすめ苗↓↓
コリアンダー(パクチー)
主にエスニック系の料理に使われますが、好きな方にとってはジャンルに関係なく様々な料理にトッピングして楽しめるハーブです。
好き嫌いがはっきり分かれると思いますが、頻繁に食べているという方は絶対に自家栽培がおすすめです。
コリアンダーの苗やタネを早速チェック!
スイートバジル
数あるバジルの品種でも一番馴染み深い品種で、誰もが口にしたことがあるハーブ。ご自宅でパスタやピザを作るという方には絶対おすすめしたい品種です。
スイートバジルの苗やタネを早速チェック!
高評価のおすすめ苗↓↓
ルッコラ
ベビーリーフでもお馴染みのハーブ(野菜)でほんのりとした苦味と胡麻のような香ばしさが特徴。
イタリアンやフレンチの付け合わせとしてよく登場するハーブです。
ルッコラの苗やタネを早速チェック!
チャイブ
薬味ネギの代わりとしても活躍できる、和食にも洋食にも馴染むハーブです。
花はエディブルフラワーとして、料理の飾り付けにしたり食べることもできます。
チャイブの苗やタネを早速チェック!
高評価のおすすめ苗↓↓
価格:418円 |
チャービル
イタリアンパセリやコリアンダーと同じくセリ科のハーブで、フランスでは「セルフィーユ」と呼ばれています。
「美食家のパセリ」という異名を持ち、繊細な香りと風味が特徴です。
チャービルの苗やタネを早速チェック!
クレソン
爽やかな風味とピリッとした辛みが特徴で、肉料理の付け合わせとしても定番のハーブ。
実は栄養価が非常に高く、果物や野菜類の栄養素密度はトップクラスです。
クレソンの苗やタネを早速チェック!
シソ
日本の家庭では一番馴染みのある和ハーブ「シソ」は、年間を通して消費量も多く家庭での自給に適しています。
鉢植えでも十分栽培可能ですので、下記ページを参考になさってください。
シソの苗やタネを早速チェック!
タイム
殺菌作用に優れ、肉料理や魚料理の臭み消しとして使えるのはもちろんですが、ハーブティーやハーブバスにして楽しめるのも嬉しいポイントです。
可愛らしい花を咲かせますので、観賞用としても十分楽しめます。
タイムの苗やタネを早速チェック!
寄せ植えにチャレンジ!
育ててみたいキッチンハーブが決まったら、早速植え付けにチャレンジしてみましょう!
用意する資材や植え付け方法など、必要な情報を下記のページにまとめましたのでご覧ください。
(クリックしていただくと「資材の準備」という箇所から閲覧を開始することができます。)
もし1株だけ栽培する場合は6〜7号鉢(口径:18〜21cm)、2株であれば8〜9号鉢(口径:24〜27cm)、3株以上であれば10号以上の鉢(口径:30cm以上)または大きめの角形プランターがおすすめです。
皆さんが確保できる栽培スペースによって適度な大きさのものをお選びください。
※多年草のチャイブやタイムは翌年以降に植え替えが必要になる場合もあります。植え替えについての解説は下記のページをご参照ください。
室内栽培の注意点
もし室内で栽培されるという方は、日常管理をする上で少しだけ工夫が必要になります。
日光と風の確保
▶︎室内栽培といっても日光は必要です。四六時中、日陰で育てた場合、光合成が足りずにひょろっと細長く育ってします。
可能な限り外気と日光にあてることを心がけてください。
▶︎逆に日の当たる窓際などで育てる場合は、直射日光に気をつけましょう。
特に夏場は日があたり過ぎると葉焼けしたり、生育不良に陥ってしまいますので、温度が上がる時間帯は半日陰に移動しましょう。
空調に注意
▶︎エアコンなどの空調設備がある方は、空気のあたる場所に鉢を置かないようにしましょう。
過度な乾燥による水切れや生育不良を招く可能性があります。
▶︎植物には生育温度というものがありますので、極端な冷却や加温は避けましょう。
(もちろん生育温度の範囲であれば大丈夫です。)
水のあげすぎに注意
▶︎室内での栽培は、戸外に比べて水分の蒸発が少なめです。
土の渇き具合や葉の状態を観察しながら、必要に応じて行うようにしましょう。
(土に水分を含んでいるうちに無理に水やりを行うと根腐れや生育不良の原因となります。)
室内栽培の注意点については下記のページでもう少し詳しく解説しています。
最後に
今回は誰でも気軽にはじめられるプチ自給「キッチンハーブ」についてご紹介させていただきました。
普段忙しくしている方にとってはお手入れの作業がちょっとした癒しのひと時になり、自分で育てたハーブを使った料理はとても幸せな気分にしてくれます。
まずは失敗を恐れずに自宅でのハーブ時間を心ゆくまで楽しんでみてください。
下記の記事では、ハーブ料理で役立つ便利アイテムをご紹介しています。ご興味ある方はあわせてご一読ください。