猫や虫を寄せ付けないハーブ!ルー(ヘンルーダ)の特徴と育て方

ルー(ヘンルーダ)の特徴や育て方を解説

はじめに

ガーデニング愛好家や害虫・猫の被害に悩む方に人気のハーブ「ルー(ヘンルーダ)」をご存じですか?その特有の香りが虫や猫を寄せ付けず、庭の植物を守る心強い味方です。

さらに、鮮やかな黄色い花は観賞用としても魅力的。この記事では、ルーの効果や育て方のポイント、日常の管理方法まで詳しく解説します。

庭に一株あるだけで防御と彩りを同時に楽しめるルーを、この機会に栽培してみませんか?



ルー(ヘンルーダ)とは?

基本情報

ルー

学名Ruta graveolens
別名ヘンルーダ、コモンルー
原産地中海沿岸(ヨーロッパ南東部)
科名ミカン科ヘンルーダ属
分類多年草
大きさ50〜100cm(高さ)
開花時期6〜7月頃
耐性耐寒性:あまりない
耐暑性:あり
活用法ドライフラワー、サシェ、
虫除け、猫除け、
コンパニオンプランツ  etc

特徴

ルーは、「コモンルー」や「ヘンルーダ」という名前でも知られ、多くの国で広く親しまれているハーブです。

中世ヨーロッパでは、悪霊や災いから身を守る魔除けの植物として信仰されていただけでなく、伝染病を防ぐ薬草としても用いられ、民間療法に欠かせない存在でした。葉を乾燥させたものはお守りとして家に吊るす風習もあったと伝えられています。(現在では薬用目的での使用は推奨されていませんが、歴史的な背景としてその価値が語り継がれています。)

日本には明治初期に渡来し、庭や畑の隅に植えられるようになりました。特にその葉は丸みを帯びた形が特徴的で、灰緑色の美しい見た目に加え、強い独特な香りを持っています。この香りは防虫効果が高く、害虫を寄せ付けない自然の虫除けとして古くから利用されてきました。

さらに、ルーの香りは猫が嫌うことでも知られており、日本では「猫よらず」というユニークな別名までつけられています。


活用方法

ルーはその独特な香りや美しい見た目から、さまざまな用途で活用されています。


ガーデン素材

小さく可憐な黄色い花と、シルバーがかった美しい葉(シルバーリーフ)は、観賞用として庭に彩りを加えるだけでなく、防虫効果も期待できます。防虫しながら庭を華やかにする一石二鳥の植物として、植栽にぜひ取り入れてみましょう。


切花、フラワーアレンジメント、ポプリ

切り花にしてフラワーアレンジメントのアクセントとして使うほか、乾燥させた葉をポプリやサシェに加工し、衣類や引き出しの中で虫除けとして利用する方法がおすすめです。おしゃれな香りアイテムとして楽しみながら、実用性も兼ね備えています。

猫避け

庭にルーを植えるだけでも、その香りが自然の猫避け効果を発揮します。ただし、家に猫を飼っている方は逆に注意が必要です。ルーの香りは猫にとって不快なため、愛猫が庭やベランダを避けてしまう可能性があります。


コンパニオンプランツ

他の植物の害虫を駆除する効果があるため、コンパニオンプランツとして利用できます。特に、バラやキャベツと一緒に植えると、アブラムシやヨトウムシなどの害虫を寄せ付けにくくなります。


毒性がありますので食用にはすることができません。また、葉や茎の汁を触るとかぶれることもありますので、お手入れの際などは手袋をしっかりと着用しましょう。



ルーの育て方

生育環境

元気に育つための理想的な環境は、日当たりと風通しが良く、水はけの良い場所です。この条件を満たすと、しっかりと根を張り、丈夫に成長します。以下で、種から育てる方法と苗の植え付け方法を詳しく解説します。


種子から育てる方法

▶︎ 発芽温度:20℃前後が理想的です。
▶︎ 種まきの時期:春まきが一般的で、3〜4月が適期です。

【手順】

  1. 育苗ポットに数粒ずつ点まきして、まずは苗を作りましょう。(直播きにして間引きながら育てる方法でもOKです。)
  2. 覆土はごく薄く(2〜3mm程度)覆いましょう。
  3. 環境によって異なりますが、発芽までに1〜2週間程度かかります。
  4. 覆土が薄いので、水やりは霧吹きを使い、種が流れないように注意します。
  5. 本葉が2〜3枚になったら、生育の良い芽を残して間引き、庭や鉢に定植しましょう。

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苗から育てる方法

土の準備

  • 市販の元肥入り培養土(園芸用土)を使用すれば手間がかかりません。
  • 自分で土をブレンドする場合は、小〜中粒の赤玉土7:腐葉土3の割合で混ぜると、ルーの成長を助ける良質な土壌ができます。

植え付けの手順

  1. 植え付ける穴をあけ、たっぷりと水を含ませてから苗を定植します。
  2. 苗の根元に土をしっかり被せ、株元に軽く圧をかけて固定してください。
  3. 定植後は、土が乾かないように適切に水やりをしつつ、ルーの成長を見守りましょう。

植え付けのポイント

ルーは大きく成長するため、適切なスペースを確保することが重要です。

  • 株間:複数の苗を植える場合は、最低60cm程度、できればそれ以上の間隔をあけて植え付けます。
  • 地植えと鉢植え:地植えが理想的ですが、鉢植えを希望する場合は、7〜8号(直径21〜24cm程度)の鉢を用意してください。

【鉢植えの注意点】
年々株が大きくなると根詰まりを起こすことがあります。そのため、1〜2年に一度、さらに大きな鉢に植え替えるか、株分けして植え直すことをおすすめします。


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日常管理

◆水やり
地植えの場合は、根付いた後の水やりは必要ありません

鉢植えの場合は、土の表面がやや乾いたらしっかりとあげてください。

ただし、比較的乾燥を好むハーブですので、あげすぎには注意しましょう。


下記のページで日常的な水やりについて説明しておりますので、よろしければあわせてご覧ください。



◆剪定
蒸れに弱いため適宜剪定が必要となります。

特に梅雨入り前の時期は予め切り戻しを行い、高温多湿の環境に備えて茎や葉をすいてあげましょう。

はじめてハーブ栽培に取り組まれる方、剪定をしたことがないという方は下記のページを参考になさってください。


◆肥料
痩せた土地でも育ちますので栽培中に定期的な施肥は必要ありませんが、葉色が著しく悪い場合は液肥を利用して養分を補ってあげると安心です。

※今まで肥料を使用したことがないという方は、よろしければ下記のページをご参照ください。



◆病害虫
虫除けハーブだけにほとんど害虫被害はありませんが、アゲハチョウが卵を産みつけることがあります。

卵の状態だと中々見つけるのは難しいですが、1mm程度の薄黄色の卵を見つけたらすぐに排除します。

幼虫になると非常に早いスピードで食害が進みますので注意しましょう。

万が一異常を感じたら下記のページを参考に予防と対策を行ってみてください。



最後に

今回は、虫や猫を寄せ付けない頼もしいハーブ「ルー(ヘンルーダ)」の育て方や特徴について詳しくご紹介しました。

鮮やかな黄色い花はもちろん、灰緑色の丸い葉も魅力的で、その独特な香りが防虫効果を発揮します。ガーデンやベランダに植えれば、美しい景観と実用性を兼ね備えたスペースを楽しめるため、ガーデニング好きの方には特におすすめのハーブです。

ただし、ルーは猫にとっては不快な香りを持つため、愛猫家の方には注意が必要です。もし猫がいるご家庭であれば、代わりに猫が喜ぶハーブ(キャットミントやキャットニップ)を育てるのも良いでしょう。詳細については、以下のページをご参照ください。


黄色い花の咲くハーブには他にもいろいろなものがあります。よろしければ下記のページもあわせてご覧ください。


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