はじめに
種をまいてから芽が出る瞬間は、園芸を愛する人にとって大きな喜びです。しかし、何日経っても発芽せず、がっかりした経験はありませんか?

特に初心者にとって、原因がわからないまま失敗が続くのは辛いものです。そこで今回は「発芽しない原因とその解決策」を7つの重要ポイントに分けて解説します。小さな工夫で結果が大きく変わることもあるので、ぜひ本記事を参考に次の種まきで成功を目指しましょう!

種が発芽しない理由とは?
種が発芽しない主な原因には以下の4つが考えられます。
- 水分不足または過剰
- 適切な発芽温度の不足
- 土壌環境の問題(通気性や養分不足など)
- 種自体の品質(古い種や損傷した種)
発芽にはこれらの条件がすべて整っている必要があります。どれか1つでも欠けると発芽が遅れたり失敗するため、各要素を一つずつチェックしましょう。

発芽しない時に確認すべきこと
水切れしていないか
水不足は発芽において最も致命的な原因の一つです。1〜2日の水やりの不足でも、気温や風の影響で土の水分が急速に失われることがあります。
<予防と改善策>
- 毎日の水分チェックと適切な水やり
- 風の強い場所から育苗箱を移動
- 湿らせた新聞紙で覆い、水分蒸発を抑制(嫌光性種子※に適用)

土の表面が湿っていても土中の水分が枯渇しているケースも考えられますので、そんな時は、指先や割り箸を土に差し込んで、先端が濡れるかどうかを確認してみてください。
全く湿り気を感じない場合には、土の中の水分がなくなっているサインです。
水をあげ過ぎていないか
発芽には水分が重要ですが、過剰な水やりはかえって発芽不良や根腐れの原因になります。

水を与えすぎると土中の酸素不足が発生し、種が窒息状態に陥る恐れがあります。また、土の表面に緑色の苔が生えた場合は湿気過多のサインです。
<予防と改善策>
- 土が乾燥している場合のみ適量の水を与える
- 水やりの前に土中の湿り具合を確認する
発芽温度に達しているか
種まきの適期はパッケージに記載されていますが、重要なのは実際の気温です。
例えば、コリアンダー(パクチー)は20℃前後が発芽に適しています。適期内でも気温が低いと発芽しにくいため注意が必要です。
<予防と改善策>
- 種まき前に天気予報や気温を確認し、発芽に適した温度になってから行う

種子の性質にあった覆土をしたか
種には光の影響を受ける「好光性種子」と「嫌光性種子」があります。

好光性種子は発芽時に光が必要で、覆土が厚すぎると発芽が妨げられます。一方、嫌光性種子は光を嫌うため、覆土が薄いと発芽が難しくなります。
<予防と改善策>
- 好光性種子:覆土は薄く(2〜3mm)またはなしで、光をしっかり当てる
- 嫌光性種子:しっかり覆土し、湿らせた新聞紙で光を遮る
適切な覆土で発芽率を向上させましょう!
好光性種子と嫌光性種子についてもう少し詳しく知りたい方は、下記の記事をご参照ください。
土質が悪くないか

市販の種まき用土を使用していれば問題は少ないですが、庭や畑の土をそのまま使うと、粘土質や砂地が原因で発芽を妨げる可能性があります。排水性や保水性が不十分だと種がうまく育ちません。
<予防と改善策>
- 市販の種まき用培養土を使用する
- 庭や畑の土には土壌改良剤を加え、排水性や保水性を改善してから利用する
土質の判断方法も確認し、最適な環境を整えましょう!
土質が良いのか悪いのか判断できないという場合は、家庭でも簡易的に土質を判断できる方法がありますので下記リンクにてご確認ください。(クリックしていただくと該当の箇所にスクロールします。)

種の寿命が過ぎていないか
古い種を使うと発芽率が低下し、寿命が過ぎている場合は発芽しないこともあります。保存状態が良ければ1年程度は使用できますが、2年以上経過したものは発芽が難しくなるため注意が必要です。
<予防と改善策>
- 余った種の保存は1年以内にとどめる
- 2年以上前の種は新しく購入する
- 種のパッケージで有効期限と発芽率を確認する
定期的な種の見直しが、発芽成功への第一歩です!
種が流れ出ていないか
薄い覆土や覆土なしで種をまいた場合、水やりの勢いで種が流れてしまうことがあります。これに気づかないと、ただ土に水をやり続けることになりかねません。

<予防と改善策>
- 霧吹きやハス口付きのジョウロで優しく水を与える
効率的な水やりで発芽を確実にサポートしましょう!
最近はUSB充電が可能な電動式霧吹きも販売されています。
軽量で非常に使いやすく、観葉植物の水やりの時にも重宝します。ノズルの調節次第で水を直線上にしたり霧状にしたり切り替えられるのも嬉しい機能です。
<参考商品>
最後に(まとめ)
今回は、ハーブを種から育てはじめた方向けに、中々発芽しない時にチェックすべき7つの項目をお伝えしました。
それぞれに心当たりがある方は、栽培環境や日常管理の方法を見直して再度チャレンジしてみてください。
発芽しない時にチェックしておきたいこと
✔︎水切れしていないか?
✔︎水分過多ではないか?
✔︎発芽温度に達しているか?
✔︎覆土の厚さは種の性質に合っているか?
✔︎土質は悪くないか?
✔︎種が寿命を迎えていないか?
✔︎種が流出していないか?
