紙製ポットはこんなハーブに役立つ! メリットとデメリット、使い方

はじめに

皆さんは、草花を育てるとき「種から育てる派」ですか? それとも「苗をから育てる派」ですか?

もし前者であれば、今回の記事が少しお役に立つかもしれませんので、是非最後までお読みいただければと思います。


春や秋の植え付け時期になると、ホームセンターや園芸店には苗やプランターなどの資材を求めてたくさんの方が訪れます。

筆者自身も、園芸シーズンになるとウキウキしながら毎日のようにホームセンターに通ったり、四六時中ネット通販で資材を物色していますが、最近は本当に安くて便利なアイテムが増えたな〜と日々感心しています。

そんなアイテムの中でも、今回ご紹介するのは育苗時に重宝する「紙製ポット」です。

一体どんなアイテムなのか、本記事は実際に筆者がハーブの種まきから植え付けまでを行って感じたメリット・デメリット、そして使用方法についての解説となります。

ずっと気になっているけど、実際はどうなんだろう…と思っている方は是非参考になさってください。



紙製ポットとは?

園芸資材として広く利用されている育苗用のポット(ポリポット)はポリエチレン製ですが、紙製ポットはリサイクル紙などを特殊加工して作られているポットです。


ちなみに、「ペーパーポット」という名で呼ばれることもありますが、厳密にいうと「ペーパーポット」は日本甜菜製糖株式会社の登録商標です。

皆さんが想像するような鉢型のポットではなく、折りたたみ式で底のない集合鉢の商品のことをいいます。

<参考商品>


また、「ジフィーポット」とういう商品もありますが、こちらは株式会社サカタのタネが販売している商品に付けられている名前です。

<参考商品>

育苗ポット ジフィーポット 丸型8cm 30個入 サカタのタネ さし芽 種まき 園芸 ガーデニング ビギナー向け 初心者向け

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従って、一般的には「紙製ポット」「エコポット」と呼ばれたり、商品によって「そのままポット」など、販売者ごとに名前がつけられて販売されています。


使用するメリットは?

そのまま植え付けできる

ポリポットで育苗した場合は、当然のことながら、植え付けの時にポットから苗を取り出して植える必要があります。

しかし、紙製のポットは育てた苗をそのまま植え付けるだけ。

植え付け後は、時間をかけて自然に分解していきますのでご安心ください。(完全に分解するまでの期間は商品によって異なります。)


また、そのまま植え付けられることは苗に負担をかけずに済むことを意味します。

特に、直根性のハーブ(←後ほど説明します)に関しては、根に負担のかからない紙製ポットが有効です。


ゴミが出ない

ポットごと植え付けできますのでゴミが一切出ないのも嬉しいポイントです。

逆に、ポリポットには「再利用できる」というメリットがありますが、不要になった途端にゴミとして廃棄しなくてはなりません。

苗作りを頻繁に行わない、もしくはリユースするために洗うのが面倒,,,という方には紙製のポットがおすすめです。



通気性に優れている

材質が紙であることから、ポリポットと比べて通気性がよく、高温になっても土中の温度が適度に保たれます。

適温に保たれることで、土の内部が急激に蒸れることがない為、根腐れしにくく安心です。


注意すべき点(デメリット)

下記は、筆者が実際に自宅で使用して感じたデメリットです。

もちろん皆さんのご自宅の環境で同じ結果が出るとは限りませんので、あくまで参考としてご覧ください。


カビが発生する可能性がある

紙製ポットは、素材の性質によりポット自体が水分を吸収します。

そのため、温度・湿度の影響によりポットの表面にカビが発生する場合もあります。

カビがついたまま植え付けしてしまうと、生育不良や根腐れの原因となりますので注意が必要です。

育苗中は、ポットをできるだけ乾燥した状態に保ちつつ、水やりの際はなるべく土だけを湿らせるように水分コントロールに気を配りましょう。


根菜類には向かない

大根やにんじんなど、根がまっすぐ伸びて食用部位を形成していく根菜類には向かないと感じました。

土の中で根を伸ばしていく時、紙の分解が根の生長スピードに追いつかず、ポットのそこにぶつかって変形してしまうからです。

自家用の野菜なら問題ありませんが、根菜類を育て出荷されている農家さんにはあまりおすすめできません。



こんなハーブの育苗におすすめ!

前述の通り、メリットもデメリットもある紙製ポットですが、実は一部のハーブには超おすすめのアイテムです。

特に、紙製ポットで育苗したいハーブは下記の品種です。

・ナスタチウム
・フェンネル
・ディル
・ボリジ
・コーンフラワー
・カレンデュラ
・ニゲラ
・イタリアンパセリ

これらは全て直根性(※)のハーブで、植え替えを苦手とする品種ですので、苗を植え付ける時は、なるべく根鉢に触れたり崩したりしないように注意をしなければなりません。

しかし、紙製ポットには「そのまま植え付けできる」というメリットがあります。

根に触れずに定植を済ませることが可能であることから、直根性のハーブを育てるときは非常に有効なアイテムであるといえます。


※直根性について詳しく知りたい方は、下記のページをご参照ください。



使用方法

ここでは、ナスタチウムの種まきから定植までを例にして使用方法をご説明します。


①土を入れる前にポットに水をかけて湿らせておきます。

注)長時間水に浸けると柔らかくなりすぎますので、短時間濡らす程度でOKです。


②種まき用の土を入れたら、再び水をかけて湿らせます。

かけ過ぎないように霧吹きを利用して湿らせるのがおすすめです。


③土の水気が落ち着いたら、乾き切らないうちに種まきを播きます。

※ナスタチウムは「嫌光性種子」ですので、画像のように種をまいた後はしっかりと土を被せます。


④育苗中は乾燥と過湿に注意しながら水やりを行います。

※嫌光性種子は発芽まで新聞紙をかぶせて光を遮っておきます。その他の種子は通常通り光のあたるところで管理します。


⑤発芽を確認したらすぐに新聞紙を外します。


⑥本葉が2〜3枚になったら定植OKです。


⑦植え付けは通常の苗とほぼ同じですが、唯一違うのは「そのまま植える」という点です。


【注意点】

ポットが露出していると分解するまでに時間がかかったり、土が乾きやすくなります。

植え付け時は、ポットが隠れるくらいしっかりと土をかぶせましょう。

※メーカーによって使用方法が異なりますので、使用する際は付属の説明書きをよく読んでご利用ください。



最後に

今回は紙製ポットを使用するメリットやデメリット、使用方法についてご紹介いたしました。

ネット上の評価や感想が様々で、以前からずっと気になっていたアイテムではありましたが中々手を出せずにいましたが、実際に使ってみたところ、直根性ハーブの育苗にはとても有効だと感じました。

育苗から植え付けまで特に大きな問題もなく、しかも植え付け時に根へのストレスがないという点で非常に安心できました。

まだ試したことがないという方は本記事を参考に是非一度使用してみてください。


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「ナスタチウム」の育て方について詳しく知りたい方は下記のページもあわせて参考になさってください。


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