ドライフラワーに最適!【タンジー(ヨモギギク)】ってどんなハーブ?

はじめに

その昔、ヨーロッパでペストが流行した頃、殺菌や防虫、浄化を目的として床にハーブをばら撒き、病気や厄災を退ける習慣がありました。

今でも結婚式でバージンロードを清めるために使われることがあるようですが、これを「ストローイングハーブ(strewing herbs)」と言います。

ラベンダーやカモミール、セージやローズマリーなど様々なハーブが使用され、今回ご紹介するタンジーも、そんなストローイングハーブの一つです。


残念ながら、食用に使用することはできませんが、実はドライフラワーに最適なハーブなんです。

本記事で、特徴や育て方をご紹介しますので「是非育ててみたい!」という方は是非参考にしていただければ幸いです。


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タンジーってどんな植物?

タンジー

学名Tanacetum vulgare
別名ヨモギギク
原産ユーラシア北部
科名キク科ヨモギギク属
分類多年草
大きさ50〜150cm程度
開花時期7〜9月頃
耐性耐寒性:あり
耐暑性:あり
活用法染色、切り花、
ドライフラワー、虫除け etc

ハーブの中では比較的高さがあるほうで、大きくなれば子供の背丈くらいにまで生長します。

葉は細長く切れ込みがあり、舌状花がなく1cm程度の丸いボタンのような花が咲くのが特徴です。

日本では北海道の一部に自生しているため「蝦夷蓬菊(エゾヨモギギク)」とも呼ばれます。


蚊取り線香の原料としても知られる「除虫菊(シロバナムシヨケギク)」の近縁種というだけあって、高い防虫効果を発揮するハーブで、野菜と一緒にコンパニオンプランツとして利用するのもおすすめです。

また、色褪せが少ないという理由から、ドライフラワーやクラフト素材として人気があります。


ガーデン素材として使用する場合は、高さを利用してガーデンの背景の方(後方)に植えると落ち着きます。

地下茎で伸びていきますので、生育期には適宜刈り込んで範囲が広がりすぎないようにしましょう。

過去に、ヨーロッパでは食品の香り付けや薬として使用していたこともあったようですが、毒性があるということが判明してからは使用されていません。

もちろんハーブティーとしても使用しないようお気をつけください。



タンジーを育ててみよう!

種まき&植え付け

生育環境としては、日当たりと風通し、水はけの良い場所を好みますが半日陰でも育ちます。

地下茎が横に広がるように伸びていきますので、近くに植えるものには注意しましょう。
(あまり広がってほしくない場合は鉢植えでの栽培をおすすめします。)


<種子から育てる>
▶︎発芽温度は15〜20℃前後。
▶︎春まきは3〜5月頃、秋まきは9〜10月頃です。

▶︎育苗ポットに数粒ほど点まきして、まずは苗を作ります。(直播きで間引きながら育ててもOKです。)
▶︎好光性種子ですので覆土はしない、もしくはごく薄く(2〜3mm程度)にします。
▶︎環境にもよりますが、1〜2週間程度で発芽します。
▶︎覆土が薄いため、育苗中の水やりは、種子が流れないように霧吹きなどを使用すると便利です。
▶︎本葉が2〜3枚になったら生育の良い芽だけを残して間引きます。
▶︎本葉が4枚以上になったら植え付け準備OKです。

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<苗の植え付け>
横に伸びていく性質があるため、複数の株を植え付ける場合は、最低でも株間は50〜60cm程度、またはそれ以上の間隔をあけて植え付けます。

できれば地植えを推奨したいところですが、鉢植えで栽培されたい方は10号サイズ(直径30cm程度)の深鉢をご用意ください。

年々、株が大きくなって鉢が窮屈になってくると根詰まりすることもありますので、様子次第で1〜2年経ったら更に大きな鉢に植え替えるか、または株分けして植え直しましょう。

土は市販の元肥入り園芸用土で問題ありません

ご自身でブレンドするのであれば小粒の赤玉土7に対して腐葉土3程度の比率でブレンドしましょう。

弱アルカリ性の土を好みますので、ブレンドする際は苦土石灰を少し混ぜても効果的です。(苦土石灰は1㎡に対して100g程度が目安。)

植え付け穴をあけたら、たっぷりと水を含ませてから定植します。

土を被せたらしっかりと株元に圧をかけてあげましょう。

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日常管理

◆水やり
地植えの場合は、根付いた後の水やりは必要ありません

鉢植えの場合は、土の表面がやや乾いたらしっかりとあげてください。

生育旺盛な時期は根からの吸収も多くなりますので比較的乾きやすくなります。


◆剪定
繁殖力が強く、庭植えの場合は横にどんどん生長していき他の植物に干渉しはじめますので適宜刈り取りながら育てます。

広がりすぎた場合は、地上部だけでなく地下茎も一緒に切ることで横への繁殖スピードを軽減することができます。


◆肥料
栽培中に定期的な施肥は必要ありませんが、開花時期を過ぎた頃にお礼肥として緩効性肥料を与えておけば安心です。

※今まで肥料を使用したことがない…という方は、よろしければ下記のページにて肥料の基本をやさしく解説していますのでご覧ください。



◆病害虫
虫除けにおすすめのハーブだけにほとんど害虫の被害はありませんが、苗が小さい頃にアブラムシがつく場合があります。

万が一異常を感じたら下記のページを参考に予防と対策を行ってみてください。



最後に

今回の記事では、虫除け効果の高いタンジー(ヨモギギク)の育て方や特徴などをご紹介しました。

小さくポンポンとした花が見た目にも可愛らしく、厄介な害虫も寄せ付けない優秀なガーデン素材ですので、是非植栽に加えて楽しんで頂ければ幸いです。


タンジーの他にもドライフラワーとして楽しめるハーブがたくさんありますので、ご興味ある方は下記のページもあわせてご覧ください。


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