【レディースマントル(アルケミラ モリス)】の特徴と育て方  

レディースマントルってどんな植物?

レディースマントル

学名Alchemilla mollis
別名アルケミラ モリス
原産ヨーロッパ東部〜アジア西部
科名バラ科アルケミラ属
分類多年草(常緑)
大きさ20〜60cm程度
開花時期5月〜7月頃
耐性耐寒性:あり
耐暑性:あまりない
活用法観賞、ドライフラワー、切り花 etc

中世の頃、まるでマントのように広がったレディースマントルの葉に集まる雫には不思議な力が宿ると考えられていました。

また、若さを保ち女性特有の疾患に効果があるとされたことから、ドイツの植物学者のヒエロニムス・ボック(1498〜1554年)によりレディースマントルと名付けられました。

日本では羽衣草(ハゴロモグサ)と呼ばれることがあります。


バラ科(アルケミラ属)に分類される多年草で、同じアルケミラ属には他にも200種類以上の植物があります。

黄色黄緑色の小花がふんわりと咲き、表面が細かい毛で覆われハスのように水を弾く葉が大きな特徴です。

草丈も低く優しい印象の植物ですので、花壇を明るく彩る素材としてボーダーや低木の株元の植栽としておすすめです。


日本で流通しているレディースマントルは主に園芸品種ですので観賞用として楽しみます。

その控えめで明るい印象の姿は、アレンジメントやブーケの添え花として非常に優秀です。

アルケミラ属の植物を一括りに「レディースマントル」として流通している場合がありますが、お茶や薬効植物として使用できる品種は、主にアルケミラ・ウルガリス(Alchemilla vulgaris)」アルケミラ・クサントクロラAlchemilla xanthochlora)という近縁種です。

もしお茶に利用したいとお考えの方は、しっかりと細かい品種名まで特定した上で苗や種を購入しましょう。



レディースマントルを育ててみよう!

種まき&植え付け

高温と多湿、直射日光が苦手ですので、風通しが良く、明るい半日陰で育てましょう。


<種子から育てる>
▶︎発芽温度は20℃前後。
▶︎春まきで4〜5月頃、秋まきで9〜10月頃です。
▶︎育苗ポットを用意してタネが被らないよう点まきして、まずは苗を作ります。
▶︎覆土は種の大きさの2〜3倍程度にします。
▶︎環境にもよりますが、2〜3週間程度で発芽します。
▶︎育苗中はタネが流れ出ないように霧吹きなどを利用し、水圧をかけずに水やりを行います。

▶︎葉が触れある程度になったら、生育の良さそうな芽だけを残して間引きします。
▶︎本葉が4〜5枚になったら庭や鉢に定植します。

三笠園芸「レディースマントル」の種はこちらから

<苗の植え付け>
苗を購入して複数の株を植え付ける場合は、株と株の間に40〜50cm程度の間隔をあけて植え付けます。

鉢植えで一株だけ育てる方は7〜8号サイズ(直径21〜24cm程度)をご用意ください。

年々、株が大きくなって鉢が窮屈になってくると根詰まりを起こす場合がありますので、様子次第で、1〜2年経過したら更に大きな鉢に植え替える、あるいは株分けして植え直しましょう。

土は市販の培養土で問題ありませんが、自分でブレンドしたい方は、中粒の赤玉土7に対して腐葉土3がおすすめです。

植え付け穴をあけたら、たっぷりと水を含ませてから定植します。土を被せたらしっかりと株元に圧をかけてあげましょう。

レディースマントルの苗を早速チェック

日常管理

◆水やり
地植えの場合、根付いた後の水やりは必要ありませんが、根が乾燥すると一気に弱くなるので雨が降らない日が続いた場合は灌水してあげましょう。

鉢植えの場合は、土の表面がやや乾いたらしっかりとあげてください。ただし、比較的乾燥を好むハーブですので、あげすぎには注意しましょう。

下記のページで日常的な水やりについて説明しておりますので、よろしければあわせてご覧ください。


剪定(切り戻し)
生育旺盛な花の時期を過ぎた頃、密集した茎葉が蒸れて弱ることがありますので、切り戻しを行い株元の風通しをしっかりと確保しましょう。

はじめて育てる方や剪定をしたことがない方は下記のページも参考になさってください。


◆花殻摘み
開花期は次々に花を咲かせますが、咲き終わった花を枯れたままにしておいたり、株元に落ちたままにしておくと株が蒸れはじめて生育不良や病気の原因となります。

日常的に観察して、咲き終わった花は直ぐに除去するように心がけましょう。



◆肥料
栽培中に定期的な施肥は必要ありませんが、葉色が著しく悪い場合は液肥を利用して養分を補ってあげると安心です。

また、開花期が過ぎたらお礼肥(※)として液肥を施しておくと株を元気なままに保つことができます。

※お礼肥
=花が咲き終わった後や果実の収穫後に消耗した株を回復させるために与える肥料。



◆病害虫
あまり心配はいりませんが、毛虫による食害だけは注意が必要です。

市販の薬剤で防虫できますが、オーガニックガーデンなど農薬不使用で栽培している方は日常的にしっかり観察を行いつつ、道具や自然農薬などを利用して早めに駆除するようにしましょう。

詳しくは下記のページをご参照ください。


最後に

本記事では、ガーデン素材としてもアレンジメント素材としても嬉しい「レディースマントル」の育て方や特徴などをご紹介しました。

控えめで優しい印象の花と雫を蓄えた葉姿が美しく輝き、お庭の植栽としても鉢植えとしてもオススメですので、是非ご家庭で育ててみてください。


レディースマントル以外にも黄色い花で庭を彩りたいという方は、是非下記のページもあわせてご覧ください。


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ハーブについて品種と特徴
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