はじめに
家庭菜園を始めてみたけれど、気がつけば葉の裏に虫たちが…そんな経験はありませんか？どんなに注意しても、害虫の発生をゼロにするのは難しく、ときには新芽が食べられたり、生育不良で枯れてしまうこともあります。
「何かもっと手軽で効果的な方法があればいいのに」と思ったことがある方に、ぜひ試していただきたいのが今回ご紹介するハーブを使ったコンパニオンプランティング（※）です。
ハーブを野菜のそばに植えるだけで、害虫を遠ざけたり、益虫を引き寄せたりするだけでなく、植物同士がお互いの成長を助けることも。さらに、ハーブは収穫して料理にも使えるので、家庭菜園の楽しみが倍増します！
この記事では、ハーブ屋さんがおすすめする効果抜群のハーブをご紹介します。さっそくチェックしてみましょう！
コンパニオンプランティングのメリット
ハーブを使ったコンパニオンプランティングには下記のようなメリットがあります。
①害虫の予防
▶︎アブラムシやモンシロチョウ、蛾の幼虫などが嫌う香りや成分を発して、防虫効果を発揮します。
②益虫を引き寄せる
▶︎害虫の天敵となるテントウムシやミツバチなどの益虫を引き寄せ、防虫効果を発揮します。
③雑草の抑制
▶︎コンパニオンプランツの存在により、雑草が生える空きスペースが少なくなり、結果的に雑草の抑制につながります。
④農薬を使わずに済む
（または使用頻度を減らすことができる）
▶︎コンパニオンプランツの効果が発揮されることで薬剤を使わずに野菜を育てることができます。
コンパニオンプランツとしておすすめのハーブ １４選
ここからは実際にコンパニオンプランツとして優秀なハーブたちをご紹介していきたいと思います。
ただし、一緒に植えるにあたっては少し注意も必要となります。
近くに植えてしまうことで逆にお互いの生長を阻害してしまう野菜やハーブもあありますので、それぞれの相性を理解した上で、組み合わせを検討しましょう。
バジル
▶︎トマト、ナス、ピーマン、パプリカ、アスパラガス
▶︎キュウリ、セージ、ルー（ヘンルーダ）
＜特徴＞
バジルの香り成分は、害虫を寄せ付けにくくし、トマトの生育を促進する効果があります。また、トマト料理との相性も抜群です。
コンパニオンプランツ以外の用途
▶︎お茶、料理 etc
バジルの育て方は下記のページにてご紹介しています。
チャイブ
▶︎トマト、レタス、人参、キュウリ、りんご、バラ
▶︎マメ科の植物
＜特徴＞
土壌中の微生物を活性化させ、植物の生育を促進します。また、バラの黒星病予防にも効果が期待できます。
コンパニオンプランツ以外の用途
▶︎主に料理、または観賞
チャイブの育て方は下記のページをご覧ください。
ルー（ヘンルーダ）
▶︎バラ科の植物（バラやイチゴなど）、アブラナ科の植物（キャベツやブロッコリー）
▶︎バジル
＜特徴＞
コガネムシやアブラムシなどの多くの害虫を忌避する効果があります。特に、バラ科の植物や果樹の近くに植えることで、これらの害虫から植物を守る効果が期待できます。
コンパニオンプランツ以外の用途
▶︎猫避け、切り花、ポプリ、サシェ etc
ルーの育て方は下記のページをご覧ください。
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イタリアンパセリ
▶︎トマト、アスパラガス、人参、バラ
特になし
＜特徴＞
生育を促進し、風味を良くする効果があります。コガネムシを寄せ付けない効果も期待できます
コンパニオンプランツ以外の用途
▶︎主に料理
イタリアンパセリの育て方は下記のページにて。
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カモミール
▶︎アブラナ科の植物（キャベツ、ブロッコリー、白菜など）、タマネギ、にんにく、トマト、キュウリ
▶︎ネギ類、ミント
＜特徴＞
アブラムシなどの特定の害虫を寄せ付けにくい効果があります。また、土壌中の微生物の活動を活発にし、土壌の栄養状態を改善する効果も期待できます。
コンパニオンプランツ以外の用途
▶︎お茶、お風呂、ポプリ etc
ディル
▶︎キャベツ、トウモロコシ、キュウリ
▶︎人参、セージ、フェンネル
＜特徴＞
アブラムシなどの特定の害虫を寄せ付けにくい効果があります。更に、アオムシの天敵であるハナアブやクサカゲロウを誘引する効果があります。これらの益虫を庭に呼び寄せることで、植物を害虫から守ることができます。
コンパニオンプランツ以外の用途
▶︎主に料理
ディルの育て方は下記のページにて。
コモンタイム
▶︎アブラナ科の植物(キャベツ、ブロッコリー、カリフラワーなど）、ナス科の植物（ナス、トマト、ピーマンなど）、イチゴ、バラ
▶︎キュウリ、レタス、マメ科の植物
＜特徴＞
アオムシを寄せ付けにくくし、キャベツの生育を促進します。
コンパニオンプランツ以外の用途
▶︎料理、お茶、ポプリ etc
タイムの中でも「クリーピングタイム」はグランドカバー（雑草抑え）としても優秀な品種です。
コモンセージ
▶︎アブラナ科の野菜（キャベツ、ブロッコリーなど）人参、イチゴ、ローズマリー
▶︎キュウリ、レタス
＜特徴＞
アオムシやハエを寄せ付けにくくし、野菜の生育を促進します。
コンパニオンプランツ以外の用途
▶︎お茶、料理 etc
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フェンネル
▶︎キャベツ
▶︎トマト、マメ科の植物、ディル、キャラウェイ、コリアンダー
＜特徴＞
アブラムシやコナジラミなどの特定の害虫を寄せ付けにくい効果があります。
コンパニオンプランツ以外の用途
▶︎料理、お茶、 etc
フェンネルの育て方は下記ページにて。
レモンバーム
▶︎トマト、キャベツ、ブロッコリー、ナス、小松菜
▶︎特になし
コンパニオンプランツ以外の用途
▶︎お茶、料理、お風呂 etc
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カレンデュラ
▶︎トマト、ナス、キュウリ、レタス、小松菜、バジル、ローズマリー
▶︎特になし
＜特徴＞
根から分泌される物質が、線虫やアブラムシなどの土壌害虫を忌避する効果があります。特に、トマトやナスなどのナス科の植物の根元に植えると、線虫による被害を軽減することができます。
コンパニオンプランツ以外の用途
▶︎料理、お茶、 ポプリ etc
ナスタチウム
▶︎ナス科の植物（トマト、ナス、ピーマン）、アブラナ科の植物（キャベツ、ハクサイ、ブロッコリー）、キュウリ
▶︎特になし
＜特徴＞
アブラムシ、コナジラミ、アザミウマなどの多くの害虫を忌避する効果があります。葉から出る独特の香りが、これらの害虫を遠ざける働きをすると考えられています。
コンパニオンプランツ以外の用途
▶︎料理、観賞 etc
コリアンダー（パクチー）
▶︎キャベツ、レタス、トマト、キュウリ
▶︎チャービル、フェンネル
＜特徴＞
アブラムシ、コナガ、ハダニなどの多くの害虫を忌避する効果があります。特に、アブラナ科の野菜やキュウリ、セロリ、玉ねぎなどとの相性が良く、生育を促進させ、風味を良くする働きもあります。
コンパニオンプランツ以外の用途
▶︎主に料理
コリアンダーの育て方は下記ページにて。
ルッコラ
▶︎マメ科、アブラナ科、ネギ科、キク科、セリ科の植物全般
▶︎特になし
＜特徴＞
マメ科植物は根に根粒菌という細菌を共生させ、空気中の窒素を固定して土壌に供給する働きがあります。ルッコラは、この窒素を効率的に利用し、生育を促進します。
コンパニオンプランツ以外の用途
▶︎主に料理 etc
ルッコラの育て方は下記ページにて。
最後に
今回は野菜と一緒に植えることで防虫や生長促進効果が得られ、更に収穫してお茶や料理として楽しむことができるおすすめのハーブをご紹介いたしました。
ハーブを使ったコンパニオンプランティングは、野菜が丈夫に育つ他、薬剤を使わずに防虫できるという点でもおすすめです。
ハーブ同士で相性の良い組み合わせもありますので、野菜は育てていないという方でもキッチンハーブの寄せ植えなどに是非活かしてみてください。
