【ハーブの植え替え】 いつ、どんな時にやるの? 作業手順とコツ

はじめに

ハーブに限ったことではありませんが、鉢植えで育てている植物は長い年月が経つと植え替え」が必要になります。

植え替えせずにそのまま放置しておくと根詰まりを引き起こし、養分不足に陥り、最悪の場合は枯れてしまうこともあるため、土を新しくしたり、大きな鉢に移植して健康な状態を保つことが大切です。

今まで植え替え作業を一度もしたことがない方や、コツがわからないという方は、是非本記事を参考にしていただければ幸いです。


植え替えのタイミングはいつ?

植え替えとは、言わば植物のメンテナンスです。

特に鉢植え栽培の場合は、鉢やプランターの容量内の限られたスペースで根を張って生長していきますので、徐々に伸びた根の行き場(空間)が無くなっていきます。

また、土の養分にも限りがありますので、根が増えることで土中の養分も一気に少なくなります。

そんな状態に陥る前に行わなければならないのが「植え替え」ですが、通常は2年に1回程度行っておけば安心です。

もちろん、根の張りが旺盛な植物の場合、1年に1回という場合もありますので、あくまで株の状態を確認しながら、その植物に適切なタイミングで行いましょう。



判断材料

それでは、植物がどんな状態だと植え替えが必要になるのか、具体的にみていきたいと思います。


水やり後の土の表面

植え付けた頃に比べて、明らかに水が土に吸収されにくくなったようであれば根詰まりのサインです。

本来、水分は土の粒子によって鉢内に溜め込まれますが、根が張りすぎて窮屈になった土の内部は極度に圧縮されたスポンジのようになっており、水をいくら与えても染み込んでいきません。

水やり後の土の表面を観察して、「染み込まない」または「たっぷり与えても鉢底から中々水が出てこない」という場合は植え替えが必要になります。


鉢底の穴

鉢底の穴から根が突き出している場合は、鉢内に根の行き場がなくなり、空気や養分を調達するために外へ出ようとしている状態です。

鉢を持ち上げて、底穴からほんの少しでも根が飛び出しているようであれば早めに植え替えを行いましょう。


葉っぱの色

苗を植え付けた頃に緑色だった葉の色が薄くなってきたり、黄緑色や黄色く変色した場合にも根詰まりのSOSサインです。

葉色の変化は、主に養分不足を示している場合が多く、元々土に含まれていた肥料分が枯渇している状態を現しています。

地植えと異なり、鉢植えの場合は鉢内の養分だけで生長しているため、長期間経過するとどうしても肥料分が無くなってしまいます。

根が張り巡らされている場合は、いくら肥料を補っても養分の吸い上げがままならない状態であるため、あまり効果もなく、いずれにしても健康な状態に戻りにくいので植え替えを行う必要があります。



植え替えにチャレンジ!

作業手順

①鉢から根鉢を取り出し、根鉢(※)の底面をほぐす。

②新しい鉢に鉢底石を敷き、苗を据え置く。

③鉢と根鉢の隙間を土で埋めていく。

※根鉢
=地面から植物を抜いた時に出てくる根・土の塊の部分のこと。



ポイント

◆古い根を整理

元気な根は白く透明感があり水々しい感じがしますが、不健康な根は茶色っぽく変色しておりツヤもありません。

植え替えの時には根の状態を確認して、不健康な部分はハサミでカット、もしくは手で払い落として除去します。

前項でご説明した「鉢底から突き出している根」については、株を掘り起こす前にカットしておきましょう。


根詰まりして塊になっている根については、生長を促すために根鉢の底を1cm程度、スライスするようにカットしてしまいます。


◆用土の入れ替え

古くなった土は、通気性や排水性が著しく低下しています。その為、株を掘り起こした後、鉢に残った土は一切使用せず新しい土を使用します。

新しく使用する土は、できるだけ元の土と同じ配合のものを利用しましょう。


◆鉢の交換

新しい鉢は、従来のものよりも一回り大きなサイズを用意します。(5号鉢を使っていた場合は6号鉢へ、7号鉢を使っていた場合は8号鉢へ。)

今後の植え替えの手間を省こうとして大きすぎる鉢に植えてしまうと、土が乾きにくくなり、根腐れする要因になりますので、植え替え時は一回り大きいサイズにとどめます。

鉢選びについては下記のページでも解説しておりますので、よろしければ参考になさってください。



アフターケア

植え替えした後は鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水を与えます。

植え替えの時に、根を切ったりほぐしたりすることで植物には大きなストレスが与えられていますので、まずは根がしっかりと落ち着くまでストレスのない環境(直射日光が当たらないような場所)で管理するようにしましょう。

2週間ほど経過したら根も落ち着き、新芽も動き始めますので、緩効性肥料を与えて更に生長を促しましょう。

肥料の基本については下記のページも参考になさってください。


植え替え注意のハーブたち

根が真下に伸びていく性質を「直根性」と呼びます。

フェンネルのようにハーブの中にも直根性の植物があり、それらの植物は植え替えを嫌います。

直根性植物には太い主根があり、その根が生命線になりますので、植え替えの時に切れたり傷んだりすると一気に衰弱してしまいます。

その為、直根性の植物については、基本的に植え替えをせずに育てましょう。

詳しくは下記のページを参考になさってください。


最後に

ハーブの多くは植物の中でも比較的丈夫なものが多いため、植え替え作業で根に直接触れたり、切ったりすることもありますが、(直根性以外は)あまり神経質になる必要はありません。

鉢の状態を定期的に確認しつつ、常に健康な状態にしておくことで、長い間収穫や観賞を楽しむことができますので毎シーズンの作業として積極的に取り組んでください。

はじめて鉢植え栽培に取り組む方は、是非下記のページも参考に鉢植えを楽しんでいただければと思います。


スポンサーリンク
スポンサーリンク
栽培のコツ豆知識
シェアする
スポンサーリンク
スポンサーリンク