ニゲラの育て方ガイド|クロタネソウとの違いなど初心者向けに解説!

ニゲラの育て方、ハーブとしての特徴、クロタネソウとの違いも解説

はじめに

繊細な糸状の葉と個性的で美しい花を咲かせる「ニゲラ」。その魅力は、庭を彩るだけでなく、ブーケの素材としても人気です。

実は「ニゲラ」とひと口に言っても、驚くほど多彩な品種が存在します。青い花が一般的ですが、黄色の「オリエンタス」や紫・白の「アフリカンブライド」、緑の「グリーンマジック」など、それぞれに異なる個性があります。

また、種子は「ブラッククミン」や「ニゲラシード」としてスパイスや薬用に使われることでも知られています。ただし、食用にできるのは特定の品種のみなので注意が必要です。

この記事では、ニゲラの特徴や育て方、さらに食用として利用できる品種の見分け方について詳しくご紹介します。ぜひ最後までお楽しみください!


<参考商品>



ニゲラとは?

基本情報

ニゲラ

学名Nigella sativa L.
Nigella damascena L.

※違いは後述にて
別名ニオイクロタネソウ、
クロタネソウ etc
原産ヨーロッパ、南西アジア
科名キンポウゲ科クロタネソウ属
分類一年草・二年草
大きさ50〜90cm程度
開花時期4〜7月頃
耐性耐寒性:あり
耐暑性:なし
活用法切り花、ドライフラワー
スパイス(一部品種のみ)etc

特徴

ニゲラは、キンポウゲ科クロタネソウ属の一年草で、その美しい花と独特の香りの種子から、観賞用植物としてもハーブとしても親しまれています。


観賞用植物としてのニゲラ

  • 繊細な花: 花は青、白、ピンクなど、パステルカラーが中心で、細い糸のような葉が花を包み込むように咲く姿が特徴です。このことから、「霧の中の愛」というロマンチックな別名も持っています。
  • ユニークな実: 花後には、ふっくらとしたバルーン状の実がなり、その中に光沢のある黒い種子が詰まっています。この実もまた、観賞価値の高いものです。
  • ガーデニング: 花壇や鉢植えで楽しむことができ、切り花としても利用されます。ナチュラルガーデンによく合い、その繊細な美しさで庭を彩ります。

ハーブとしてのニゲラ

  • スパイス: ニゲラの種子は、ブラッククミン、ブラックシードなどとも呼ばれ、カレーやパンなどのスパイスとして利用されます。
  • 香り: 黒コショウのようなスパイシーな香りと、わずかに苦みのある味が特徴です。
  • 効能: 古くから薬用植物としても利用されており、消化促進や鎮痛などの効果があるとされています。

クロタネソウとニオイクロタネソウの違い

ニゲラについて語る際に、最初に押さえておきたいのが「ニゲラ・サティバ」と「ニゲラ・ダマスケナ」の違いです。

前述の通り、ニゲラには多くの品種がありますが、その中で種子をスパイスとして利用できるのは「ニゲラ・サティバ(Nigella sativa)」のみで、この品種は「ニオイクロタネソウ」とも呼ばれています。

一方、日本で『ニゲラ』という名で一般的に流通しているのは、食用に向かない「ニゲラ・ダマスケナ(Nigella damascena)」で、こちらは「クロタネソウ」として知られています。

同じニゲラでありながら、これらを区別せずに扱うと問題が生じることもあります。特に、「ニゲラ・ダマスケナ」を誤って食用にしてしまうと、中毒症状を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。

両者は見た目もよく似ており、葉が細く株の形状も似通っているため混同しやすいですが、食用として栽培を考えている場合は、苗や種子を購入する際に必ず学名を確認することをおすすめします。正しい品種を選ぶことで、安心して育てたり利用したりすることができます。



ニゲラの育て方

ニゲラ・サティバ(ニオイクロタネソウ)もニゲラ・ダマスケナ(クロタネソウ)も、同じ方法で育てることができます。育成環境は、日当たりが良く、風通しが良く、水はけの良い場所を選びましょう。



種まき&植え付け

<種子から育てる>
▶︎発芽温度は20℃前後。
▶︎適期は9〜10月頃ですが、寒冷地では春(4〜5月頃)に播きます。

▶︎ニゲラは直根性(※1)の植物で、植え替えを嫌いますので基本的には地面に直接播きます。
▶︎ニゲラの種子は嫌光性(※2)ですので、しっかりと(5mm程度)覆土します。
▶︎発芽までは日陰に置いて、乾燥しないように水やりをしながら管理します。
▶︎環境にもよりますが、2〜3週間程度で発芽します。

※1 直根性について詳しくは下記のページをご参照ください。

※2 嫌光性について、詳しくは下記のページをご参照ください。


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<苗の植え付け>
基本的には直播きで育てることをおすすめしますが、苗を購入される方は下記の点に注意して植え付け作業を行いましょう。

▶︎苗ポットから取り出したら、根鉢(※)にはあまり触れずに(ほぐしたりせずに)やさしく扱います。

※根鉢(ねばち)=植物を掘り上げた時に出てくる土と根の塊のこと

▶︎鉢植えの場合は、苗のサイズより一回り大きい鉢やプランターに植えます。

プランターのサイズや種類については下記の記事も参考になさってください。

▶︎複数の株を植え付ける場合は、株間は20〜25cm程度の間隔をあけます。

▶︎土は市販の園芸用土で問題ありません。もし、ご自身でブレンドするのであれば小粒の赤玉土7腐葉土3の割合で配合するのがおすすめです。



日常管理

◆水やり
地植えの場合、根付いた後の水やりは必要ありません

鉢植えの場合は、土の表面がやや乾いたら鉢底から余分な水分が流れ出るくらいしっかりとあげてください。


◆剪定
特に必要ありません。


◆肥料
園芸用土を使った場合は元肥が入っているのでしばらくは肥料を入れる必要はありませんが、生育不良の兆候がみられた場合は2週間に1回程度、液体肥料で養分を補ってあげましょう。

肥料の基本については下記のページも是非参考になさってください。


◆病害虫
アブラムシが発生する場合がありますので、日常的に茎葉をチェックして、発見したら早めに駆除します。

害虫対策について知りたい方は下記のページを参考になさってください。



収穫

ドライフラワーとして楽しむ場合は、開花後早めに摘み取りましょう。

特に実の部分は、収穫が遅すぎると茶色に変色してしまい、逆に早すぎると実が萎んでしまいますのでタイミングが重要です。

開花後にできた実を乾燥させたものは「風船ポピー」と呼ばれ、ブーケやスワッグの素材としてとても人気があります。

(左から二番目が風船ポピー)


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最後に

今回は「ニゲラ」の特徴や育て方、そしてクロタネソウとニオイクロタネソウの違いについてご紹介しました。

ニゲラを育てる際は、**「直根性で植え替えを嫌う」ことと、「嫌光性で発芽までは日陰で管理する」**という2つのポイントを押さえるだけで、初心者でも簡単に育てることができます。ぜひ気軽にチャレンジしてみてください!

また、ニゲラのように花を楽しめるハーブは他にもたくさんあります。興味がある方は、ぜひ以下のページもチェックしてみてくださいね。


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ハーブについて品種と特徴
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