【ワームウッド(ニガヨモギ)】の防虫効果を利用した忌避スプレー

はじめに

皆さんは「アブサン」という名前のお酒をご存知でしょうか?

薬草を原料としたスイス発祥のリキュールで、アルコール度数が非常に高く、ゴッホが愛したお酒としても有名です。(アルコール度数が、なんと90度くらいの製品もあるようです……驚きですね。。)

そんなアブサンの原料として使われているのが今回ご紹介する「ワームウッド(ニガヨモギ)」です。

中世ヨーロッパでは魔女の秘薬とされ、独特の苦味で薬草として用いられていましたが、現代でもクラフトや虫除けハーブとして利用されています。

本記事ではそんなワームウッドについて特徴や育て方、天然の殺虫剤の作り方をご紹介していきたいと思います。


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ワームウッドってどんな植物?

ワームウッド

学名Artemisia absinthium
別名ニガヨモギ etc
原産ヨーロッパ
科名キク科ヨモギ属
分類多年草
大きさ40〜120cm程度
開花時期6〜8月頃
耐性耐寒性:あり
耐暑性:あり
活用法虫除け、薬草種 etc

和名では「ニガヨモギ」、生薬としての名前は「苦艾(くがい)」です。

日本でよく見かけるヨモギの葉は緑のシャープな形状の葉ですが、ワームウッドは葉の表面に白く細かい毛が生えていることから銀白色の葉姿をしており、ヨモギに比べて丸みがあります。

ヨモギ属の植物には共通して苦味のある香りがありますが、中でもワームウッドはきつめの香りがします。



ワームウッドを育ててみよう!

本記事でご紹介する虫除けや殺虫スプレーを作るためにはワームウッドの生葉、または乾燥させた葉が必要になります。

生葉も乾燥した葉もほとんど流通していませんが、種や苗は一部の園芸店やネット通販で入手可能です。

ワームウッドの種はこちらから

園芸ネットプラスのワームウッド苗はこちら

種まき&植え付け

栽培環境としては、日当たり風通しの良い場所を好みますが半日陰でも十分育ちます。


<種から育てる>
▶︎発芽温度は15〜20℃程度。
▶︎春まきは3〜4月頃、秋まきは9〜10月頃です。
▶︎鉢の場合は「点まき」、箱型プランターの場合は「すじまき」か「ばらまき」して間引きながら育てます。

▶︎好光性種子ですので土はかぶせない、もしくはごく薄く(2〜3mm程度)覆土します。
▶︎栽培環境にもよりますが、2週間前後で発芽します。

▶︎発芽して葉と葉が触れあうくらいの大きさになったら最初の間引きをします。
▶︎その後は、株と株の間隔が20cm程度になるまで随時間引きを繰り返します。

種まきがはじめてという方は下記の記事も参考になさってください。


<苗の植え付け>
苗を購入して植える、複数の苗を植える場合は、隣の株と20cm程度の間隔をあけましょう。

市販品の培養土やハーブの土で問題なく育ちますが、ご自身でブレンドするのであれば小粒の赤玉土7に対して腐葉土3の割合がおすすめです。



日常管理

◆水やり
地植えの場合は、根付いた後の水やりは必要ありません

鉢植えの場合は、土の表面が乾いたらしっかりとあげてください。

特に生育期は水分吸収も多くなりますので乾きやすくなります。


◆剪定
生長が進むと湿気で株の内部が蒸れ、弱ってしまうことがあります。茎葉が茂りすぎた時は短く刈り込んで風通しを良くしましょう。


◆肥料
園芸用土を使った場合は元肥が入っているので、しばらくは肥料を入れる必要はありません。

痩せ地でも育つ植物ですので、特に追肥も必要ありませんが、葉色が極端に悪くなった場合には液体肥料を2週間に一度ほど与え様子を見ましょう。


◆収穫


中心部の小さい若葉を残して、大きく育った外側の葉から収穫していきます。

遠慮して収穫を先延ばしすると、葉が生い茂って株元が蒸れ生育不良の原因となりますので、適宜どんどん収穫を行いましょう。



害虫駆除スプレーの作り方

【材料】
・ワームウッドの生葉(1/3〜1/2カップ)
・赤唐辛子(1/3〜1/2カップ)
・ニンニク(2片ほど)
・ホワイトリカー(500ml)

※ワームウッドの葉がない場合は、普通のヨモギで代用することもできます。


【作り方】

①上記の材料を瓶詰めにして密閉します。

②高温と直射日光を避け、約1ヶ月寝かせます。
③寝かせた後にザルなどで濾したら完成です。



使い方と注意点

ワームウッドの駆除剤はキク科やアブラナ科の植物をはじめ、虫がつきやすいバラなどにもおすすめです。


【使い方】

原液を水で10倍に薄めスプレーボトルに入れて使用します。

害虫に使用する際は虫に直接吹きかけます。ナメクジ避けとして使う場合は、株周辺の地面に予めスプレーしておくだけで予防効果があります。


【使用時の注意】
使用するときは水で10倍程度薄めたものを使用します。

ワームウッドの成分、赤唐辛子の成分などの作用により、肌につくとかぶれたりヒリヒリする場合がありますので、使用する際はなるべく風のない日に、そして手袋を着用した上で使用しましょう。

天然成分ですが、飲食に用いるのは絶対に控えてください。



最後に

ハーブを使った虫除けや害虫対策には様々なものがあり、今回ご紹介したワームウッドを利用した駆除剤もその一つです。

ワームウッドは野生化するほど丈夫な性質で家庭での栽培も難しくなく、殺虫剤を作らずともベランダで育てているだけで虫除けの効果も発揮します。

他の草花と寄せ植えにすれば、葉の色合いを楽しみつつ他の草花を虫から守る役割も果たしてくれるので、プランター栽培で是非チャレンジしてみてください。


ドクダミを使った防虫スプレーも害虫対策に有効です。ご興味ある方は下記のページも参考になさってください。



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