はじめに
ミントといえば爽やかな香りと豊富な用途で知られるハーブですが、今回ご紹介する「ペニーロイヤルミント」は、少し異なる個性的な品種です。
一般的なミントのように食用には適さない一方で、ガーデニング愛好家の間では草抑えや虫よけとして重宝されています。
なぜ多くの庭で人気なのか?本記事では、その特徴、育て方、そして実用的な活用法について詳しく解説します。

ぺニーロイヤルミントとは?
基本情報

ぺニーロイヤルミント
学名 | Mentha pulegium L. |
別名 | メグサハッカ |
原産 | ヨーロッパ、西アジア |
科名 | シソ科ハッカ属 |
分類 | 多年草 |
大きさ | 10〜20cm程度(草丈) |
開花時期 | 7〜9月頃 |
耐性 | 耐寒性:あり 耐暑性:あり |
活用法 | グランドカバー、虫除け etc |
特徴
ぺニーロイヤルミントは、ミント類の中でも珍しいほふく性(=地面を這うように生長する性質)の品種です。

葉には強い香りがあり、通常のミントよりも少しツンと尖った感じの匂いがします。
他のミントと異なり、ペニーロイヤルミントは「d-プレゴン」という毒の成分を含んでいるため食用や飲用にすることができません。
食べてしまうと嘔吐や発熱の原因になりますので、間違って摂取しないよう気をつけましょう。
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夏から秋にかけて伸びた茎上部の葉横からダンギク(段菊)に似た花を咲かせます。

用途
雑草を抑えてくれることから、玄関アプローチの石畳やタイルの隙間など、比較的人目につくスペースを埋める素材としておすすめです。
生育旺盛で踏み付けにも耐え得るほど丈夫なことから、グランドカバー(雑草抑え)として庭の植栽にもよく利用されます。
蚊やハエ、アリ、カメムシなどに対して虫除け効果があるため、野菜の近くにコンパニオンプランツとして植えたり、乾燥したものを「虫除けポプリ」として使用するのも効果的です。

ペニーロイヤルミントを育ててみよう!
生育環境としては、日当たりと風通し、水はけが良い場所を好みます。
植え付け
<種子から育てる>
▶︎発芽温度は20℃前後。
▶︎4〜10月頃であればいつでも播くことができます。
(寒冷地ではなるべく春まきすることをおすすめします。)
▶︎薄くばら撒きして間引きながら育てるか、ポットに播いて育苗してから植え付けします。
▶︎好光性種子(※)ですので、種子を播いたら覆土はしません。
▶︎育苗中は種が流れ出ないように霧吹きで水やりをを使用すると便利です。
(湿らせたティッシュペーパーを被せておけば乾燥を防ぐことができます。)
▶︎時期や環境にもよりますが、1週間前後で発芽します。
▶︎ポットで育苗している場合は、草丈が5cm程度になったら地面に植え付けます。
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<苗の植え付け>
苗から育て始める、もしくは複数の株を植え付る場合は30cm程度の間隔をあけます。
鉢植えの場合は6〜7号(直径18〜21cm)程度のものを用意します。
生長して鉢が窮屈になると根詰まりすることもありますので、様子をみながら更に大きな鉢に植え替えるか、または株分けして植え直しましょう。
鉢植えがはじめての方は下記のページも参考になさってください。

土は市販の培養土(ハーブの土)を使用するか、ご自身でブレンドするのであれば小〜中粒の赤玉土と腐葉土を半々で配合するのがおすすめです。

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日常管理
◆水やり
地植えの場合は、根付いた後の水やりは必要ありません。
鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら鉢底から余分な水が流れ出るくらいしっかりと与えてください。
◆剪定
一般的なミントは地下茎を伸ばしてどんどん繁殖範囲が広くなっていきますが、ペニーロイヤルミントはランナーを伸ばして生長します。
そのため、増えすぎて困ってしまうという場合はこまめに伸びた茎を切り戻しを行い、必要以上に繁殖するのを防ぎましょう。
◆肥料
基本的に施肥の必要はありません。
鉢植えの場合は、生長が極端に遅い場合、または葉が黄色になった場合にのみ液体肥料で養分を補います。
◆病害虫
ほとんど虫の心配はありませんが、高温多湿で蒸れた時にカビや根腐れが発生することがありますので、なるべく乾燥気味の環境で育てましょう。

最後に
今回は、”食用にできず、ランナーで伸びる”というミントの中でもちょっと変わりものの「ペニーロイヤルミント」についてご紹介しました。
食べたり飲んだりすることはできませんが、生育旺盛でグランドカバーや虫除けとして優秀なハーブですので、是非寄せ植えやガーデンの素材として活用してみてください。
庭や鉢植えの他にも、横に伸びる性質を活かしたハンギング素材としておすすめですので、ご興味ある方は下記の記事もあわせてご覧ください。
