家庭でホップを育てよう!育て方のコツとハーブとしての活用法ガイド

グリーンカーテンにもおすすめ、家庭でできるホップ栽培

はじめに

ホップは、ビールの香りと苦味を象徴する植物として知られていますが、その魅力はそれだけではありません。

高さ数メートルにまで成長するつるは、生命力あふれる緑のカーテンとして庭やベランダを美しく彩り、夏の強い日差しを和らげる役割も果たします。その繊細な毬花(まりばな)は、植物としての美しさだけでなく、多くの人を引きつける特有の香りを持ち、古くから園芸や生活の一部として親しまれてきました

本記事では、そんなホップの基本的な特徴や植物としての魅力に迫り、自宅でも気軽に育てられる方法を初心者にもわかりやすく解説します。



ホップとはどんな植物?

基本情報

ホップ

学名Humulus lupulus
別名セイヨウカラハナソウ
原産西アジア、ヨーロッパ
科名アサ科カラハナソウ属
分類多年草
大きさ6m以上
開花時期7〜8月頃
耐性耐寒性:比較的強い
耐暑性:比較的弱い
活用法ビールの原料、ハーブティー
ドライフラワー etc


ホップの特徴

ホップは、そのつるが高さ6〜10メートルにまで成長する力強い植物であり、成長期には驚くほどの速さでつるを伸ばします。

その先端に咲く「毬花(まりばな)」と呼ばれる花は、松かさに似たユニークな形状を持ち、ホップの象徴とも言える部分です。この毬花の中には、「ルプリン」と呼ばれる鮮やかな黄色の粒がぎっしりと詰まっています。このルプリンは、ビール特有の苦味や芳醇な香りを生み出す成分であり、ホップがビール醸造において欠かせない存在である理由となっています。

また、毬花の柔らかな質感とほのかな香りは、観賞用としても魅力的で、育てる楽しみを一層引き立ててくれます。


ホップの活用方法

ビールの原料として広く知られるホップですが、実はご家庭でも手軽に活用できる方法がいくつかあります。その特性を生かして、日常生活に役立つアイデアを取り入れてみてはいかがでしょうか?


グリーンカーテン

高さ6メートル以上に伸びる特性を活かして、夏のグリーンカーテンとしても利用されます。その葉やつるが茂ることで、強い日差しを遮り、建物の温度上昇を抑える効果が期待できます。

ホップのグリーンカーテンは、見た目にも涼しげで、エコロジーな観点からも注目されています。さらに、毬花が咲く時期には、独特の香りが周囲を包み込み、自然を感じさせる癒しの空間を演出してくれます。



ハーブティー

ホップのハーブティーは、古くからそのリラックス効果で知られており、穏やかな眠りを誘うハーブティーとして親しまれてきました。その特徴的な苦味や香りが、ハーブティーとしても独特の風味を生み出しています。

リラックス効果や睡眠の質向上、消化促進など、様々な効果が期待できるハーブティーですが、体質や状態によっては合わない場合もありますので、飲用前に医師に相談することをおすすめします。


クラフト素材

ホップの長いつるは、乾燥させることでクラフト素材としても利用できます。

ポプリ
小さな瓶に入れて、お部屋のインテリアとして楽しめます。ホップの香りがお部屋に広がり、リラックス効果が期待できます。


リース:
ドライフラワーにしたホップを、他のドライフラワーやリボンなどと組み合わせてリースを作ります。玄関やお部屋の飾り付けにぴったりです。



ホップの育て方

ホップは日当たりが良く、風通しの良い場所を好む植物ですが、半日陰でも十分に育つため、育成場所の選択肢が広いのが魅力です。また、水はけの良い土壌を好み、湿気がこもらない環境を整えることで、健康的に成長します。


苗を購入して育てる方法

苗の準備

一般的に、ホップは種子ではなく、苗や根茎から育てることが主流です。種子からの栽培は難易度が高いため、苗を購入して育てることをおすすめします。

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植え付け場所の選定

日当たりが良く、水はけの良い場所を選びます。ホップはつる性植物であり、成長すると高さ6メートル以上に達するため、支柱やフェンスなど、つるを絡ませる構造物が必要です。

庭のあるご家庭であれば、つる性植物を活用してオブジェにできるガーデン用オベリスクもおすすめです!下記の記事もご参照ください。


土の準備

市販の元肥入り園芸用土で十分育てることができます。ただし、自分で土をブレンドしたい場合は、以下の配合を参考にしてください。

  • 小粒の赤玉土7:水はけを良くするための主成分
  • 腐葉土3:栄養を補い、土壌を柔らかく保つため

アルカリ性の土壌を好むため、苦土石灰を混ぜるとさらに成長が促進されます。苦土石灰を使用する際は、1㎡あたり約100gを目安にしてください。


そのまま使える、筆者おすすめのハーブ用土はこちらからチェック!

植え付けの手順

①植え付け穴の準備
深さ約20センチメートルの植穴を掘ります。(苗の大きさによって深さは調整して下さい)

②苗の配置
苗や根茎を植穴に置き、根がしっかりと広がるようにします。

③覆土
苗の一番上の部分に土が5センチメートル程度かぶるように覆土します。深すぎると発芽が遅れる原因となるため、注意が必要です。

④間隔の確保
ホップは広がる性質があるため、植え付けの際は1~1.5メートルの間隔を空けると良いでしょう。


日常管理

◆水やり
植え付け直後は、土壌が乾燥しないように適度に水を与えます。その後は、自然の降雨に任せることが多いですが、特に乾燥する時期や開花前後の期間には、水不足にならないよう注意が必要です。

ハーブの水やりの注意点は下記のページもご参照ください。


支柱の設置とつるの誘引
ホップのつるは成長すると高さ6メートル以上に達します。そのため、ネットやフェンス、トレリスなどの支柱を用意し、伸びてきたつるを時計回りに誘引します。つるには細かい毛があり、皮膚に触れると刺激を感じることがあるため、作業時には手袋や長袖の着用をおすすめします。


◆肥料
ホップは栄養を多く必要とする植物です。植え付け時に元肥としてリン酸やカリウムを多く含む肥料を施し、生育期には窒素を多く含む肥料を追肥として与えます。追肥のタイミングは、花芽分化の1か月前、毬花が出始めた時期、収穫前のお礼肥えとしての3回が目安です。

※肥料の使い方に不安がある方は、以下のページで基礎を確認してみてください。



◆病害虫
ホップはべと病やうどんこ病、ハダニ、アブラムシなどの被害を受けやすいです。定期的に植物の状態をチェックし、必要に応じて適切な農薬を使用するか、農薬を使用したくない方は手作りの忌避剤で対処しましょう。



最後に

本記事では、ホップの基本情報や特徴、育て方、そして活用方法について詳しくご紹介しました。

適切な環境と管理が整えば、家庭でもその魅力を存分に楽しむことができます。ぜひ、この機会にホップを育て、その成長や収穫の喜び、そして暮らしに取り入れる楽しさを体感してみてください。ホップのある生活が、新たな発見と癒しをもたらしてくれることでしょう!


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