はじめに
皆さんはどんなコンセプトでお庭作りをされていますか?
観賞が主な目的の方は色とりどりの草花を中心に、もしくは、実用的な家庭菜園としてのガーデンをデザインされている方は野菜やハーブなどを植えて楽しんでいるでしょう。
一般的には、色とりどりの花よりも緑一色の葉のイメージが先行するハーブですが、実は、「ラベンダー」をはじめとして実用価値も観賞価値も高い「花も楽しめる品種」がたくさん存在します。
今回は、そんな「観て良し、使って良し」という筆者おすすめのハーブを10種類ご紹介したいと思います。
料理やハーブティーにして楽しみたいけど、やっぱり見た目の美しさも大事!!と思う方は、是非本記事を参考になさってください。
花壇におすすめのハーブ 10選
エキナセア
別名 | ムラサキバレンギク |
科名 | キク科(ムラサキバレンギク属) |
分類 | 多年草(宿根草) |
開花時期 | 6〜10月頃 |
草丈 | 50〜120cm程度 |
耐性 | 耐寒性:あり 耐暑性:あり |
活用法 | お茶、切り花 ドライフラワーetc |
北米原産で、根の成分に抗アレルギーや抗炎作用があり、古くからアメリカ先住民の間でもメディカルハーブとして親しまれ、今ではサプリメントの原料としても使用されています。
ほとんどは園芸品種であり、ハーブとして効能があるのは数種類のみ。
カラーバリエーションが豊富なことから、花壇花としても非常に人気があります。
丈夫で育ててやすく、手間もかからないので、ガーデニング初心者にもオススメです。
▶︎赤、ピンク、オレンジ、黄、紫、白などの花色がありますが、ハーブとして一般的な品種はピンク、紫色の「プルプレア(パープレア)」という品種です。
▶︎宿根草なので、冬は一旦地上部が枯れますが、春にまた新芽が伸びてきます。
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ナスタチウム
別名 | キンレンカ |
科名 | ノウゼンハレン科 (ノウゼンハレン属) |
分類 | 一年草 |
開花時期 | 6〜10月頃 |
草丈 | 20〜100cm(ツルの長さ) |
耐性 | 耐寒性:なし 耐暑性:なし |
活用法 | 主に料理(エディブルフラワー) |
つる状の茎、そしてハスのような丸い葉が特徴で、赤、黄色、オレンジ色の花を咲かせます。
一年草ではありますが、生育期には次々と花をつけますので、お庭のお供にしても非常に見応えがあります。
花はエディブルフラワーとしてサラダや料理のトッピングに使われ、葉はピリッとした辛みがあり同じくサラダなどのアクセント付けとして食べることができます。
▶︎高温多湿に弱く、蒸し暑い時期は花を休みますが、しっかり切り戻しておけば秋にまた開花します。
▶︎コンパニオンプランツとしてアブラナ科の野菜と相性が良いハーブですので、無農薬栽培をされている場合は付近に植えてあげると害虫対策として効果を発揮します。
ナスタチウムについてさらに詳しく知りたい方は下記のページもあわせてご覧ください。
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ニゲラ
別名 | クロタネソウ etc |
科名 | キンポウゲ科(クロタネソウ属) |
分類 | 一年草 |
開花時期 | 5〜7月頃 |
草丈 | 40〜80cm程度 |
耐性 | 耐寒性:あり 耐暑性:なし |
活用法 | 切り花、ドライフラワー、 スパイス、etc |
太い茎から伸びた細く繊細な葉と美しい花が印象的なニゲラには、10種類以上の品種があります。
ピンク、青、白色の花を咲かせる品種もあり、中でも「ニゲラ・サティバ(ニオイクロタネソウ)」のタネは乾燥させてスパイスとしても利用されます。
種鞘が膨らんだ頃に収穫したものはユニークな形状を活かしてドライフラワーとして利用するのがおすすめです。
▶︎ニゲラ・サティバの種以外はスパイスとして使用できませんのでご注意ください。
▶︎中には突然変異で誕生した花弁のない品種(ニゲラ・グリーンマジック)もあります。
ニゲラの特徴や育て方について、詳しくは下記のページをご参照ください。
レッドバレリアン
別名 | ベニカノコソウ |
科名 | オミナエシ科 (ベニカノコソウ属) |
分類 | 多年草(宿根草) |
開花時期 | 5〜8月頃 |
草丈 | 60〜80cm程度 |
耐性 | 耐寒性:あり 耐暑性:あり |
活用法 | 切り花、メディカル etc |
地面から真っ直ぐ伸び、円錐状の小さな花が集合した姿が印象的です。
花には芳香があり、立ち姿と鮮やかな色を活かして花壇のアクセント付けとしても優秀です。
ヨーロッパの一部でメディカルハーブとして親しまれている「バレリアン」の赤色品種で、生育も旺盛。
こぼれ種でもよく増え野生化するくらい元気で、日当たりが良いと次々と花を咲かせます。
▶︎キャットニップ同様、猫が好むハーブとしても知られています。
▶︎若葉はサラダなどに混ぜて食べることもできますが、栽培中に薬剤を使う方は使用を控えましょう。
カレンデュラ
別名 | キンセンカ、 ポットマリーゴールド |
科名 | キク科(キンセンカ属) |
分類 | 一年草 |
開花時期 | 3〜6月頃 |
草丈 | 20〜60cm程度 |
耐性 | 耐寒性:あり 耐暑性:あり |
活用法 | お茶、料理、 コンパニオンプランツ etc |
古代ローマの時代から料理や薬用ハーブとして利用されてきたカレンデュラ。
オレンジや黄色などの鮮やかな花色が特徴的で、花壇を一気に明るくしてくれる雰囲気を持っています。
最近ではスキンケア商品の原料としても使用されているのでご存知の方も多いかと思います。
花弁はサラダやその他の料理の彩りに、エディブルフラワーとして使用することができます。
▶︎キク科の植物ですので、「キク科アレルギー」をお持ちの方は栽培や摂取を控えましょう。
▶︎コンパニオンプランツとして、特にナス科の野菜と相性が良いハーブです。
カレンデュラは「ポットマリーゴールド」と呼ばれます。一般的なマリーゴールドとの違いは下記のページをご参照ください。
センテッド ゼラニウム
別名 | ニオイゼラニム etc |
科名 | フウロソウ科 (テンジクアオイ属) |
分類 | 多年草 |
開花時期 | 4〜8月頃 |
草丈 | 30〜100cm程度 |
耐性 | 耐寒性:なし 耐暑性:あり ※品種による |
活用法 | お風呂、 ポプリ、精油 etc |
代表的な品種はピンクの花を咲かせる「ローズゼラニウム」(上記画像)ですが、他にも赤、紫、白、黄色など品種によって多種多様です。
ヨーロッパの窓辺でよく栽培されている観賞用の「ゼラニウム」とは違い、センテッドゼラニウムは芳香が強く、実用性の高いハーブです。
たくさんの種類があり、果物やスパイスのような香りのする品種もあります。それぞれの品種によって花も葉も違いますので、色々とコレクションしてみたくなるかもしれません!
▶︎交雑しやすいので、複数の品種を植え付ける場合は十分に間隔を空けましょう。
▶︎非耐寒性のため、冬越しは注意が必要です。寒冷地の方は鉢やプランターで育て、冬季は室内に取り込むことをおすすめします。
一般的なゼラニウムとの違いは下記のページをご参照ください。
コーンフラワー
別名 | ヤグルマギク |
科名 | キク科(ヤグルマギク属) |
分類 | 一年草 |
開花時期 | 4〜7月頃 ※地域と種まき時期による |
草丈 | 30〜100cm |
耐性 | 耐寒性:あり 耐暑性:やや弱い |
活用法 | お茶、料理、切り花 etc |
草丈の低い矮性種から1mほどにまで生長する高性種まで色々な品種があります。
花色も青、白、ピンク、ムラサキ、黒とバリエーション豊富で、ガーデンデザインの際に非常に重宝します。
花はエディブルフラワーとしても利用され、お菓子や料理の飾り付けとしてもポピュラーです。
他の花と一緒にアレンジメントとして楽しむのもおすすめです。
痩せた土地でも丈夫に育つので、初心者でも安心して育てることができます。
▶︎ドイツやエストニアでは国花とされています。
▶︎アントシアニンという、目の疲れやアンチエイジングに作用する成分を含んでいます。
下記ページに育て方の解説もありますのでご覧下さい。
ジャーマン カモミール
別名 | カミツレ、カモマイル etc |
科名 | キク科(シカギク属) |
分類 | 一年草 |
開花時期 | 4〜5月頃 |
草丈 | 30〜80cm |
耐性 | 耐寒性:あり 耐暑性:なし |
活用法 | お茶、料理、お風呂 etc |
ハーブティーとして一般的に使われる一年草のジャーマンカモミールの他に、多年草のローマンカモミール、主に観賞用として使われるダイヤーズカモミールや、ダブルフラワーという品種もあります。
お茶として利用したい方には、甘くてりんごのような香りのする、このジャーマンカモミールがおすすめです。
(花の部分だけを摘んで使用します。)
一年草ですが、非常に生育旺盛でこぼれ種でも育ちますので、何もしなくても翌年また芽を出すことがあります。
群生させると非常に見ごたえがありますので、広い花壇のある方は株数を増やして育ててみてください。
▶︎苗の植え付けは春か秋ですが、秋植えのほうが比較的丈夫に育ちます。
▶︎キク科の植物ですので、「キク科アレルギー」をお持ちの方は栽培や摂取を控えましょう。
下記ページに育て方の解説もありますのでご覧下さい。
チャイブ
別名 | エゾネギ、シブレット etc |
科名 | ユリ科(ネギ属) |
分類 | 多年草(宿根草) |
開花時期 | 5〜6月頃 |
草丈 | 20〜40cm程度 |
耐性 | 耐寒性:あり 耐暑性:あまりない |
活用法 | 主に料理 |
薬味やトッピングなど、主に料理の素材として用いられるチャイブですが、実は観賞用としても非常に優れています。
可愛らしいボンボンのような花は見た目に楽しく、多年草ですので毎年植え替えする必要がないというのがおすすめのポイントです。
冬は生長がとまり、一旦地上部が枯れますが、春にまた新芽を出し、毎年株が大きくなっていきます。
白花の品種もありますので、寄せ植えにすると更に見た目が楽しくなります。
▶︎20cm程度に生長したら、株元から5cm程度残して収穫しましょう。
▶︎ネギと同属ですので、犬や猫が食べてしまうと危険です。栽培される際には十分注意しましょう。
下記ページに育て方の解説もありますのでご覧下さい。
コモン マロウ
別名 | ウスベニアオイ |
科名 | アオイ科(ゼニアオイ属) |
分類 | 多年草(宿根草) |
開花時期 | 5〜9月頃 |
草丈 | 1〜2m |
耐性 | 耐寒性:あり 耐暑性:あり |
活用法 | お茶、メディカル etc |
夏の花壇を鮮やかな色で彩るコモンマロウは、非常に生育旺盛で、花つきの良い人気のハーブです。
花はハーブティーにブレンドすることでブルーの色付けをしてくれる天然着色料になります。(味はしませんので、色付けとしての役割のみです。)
こぼれ種でもよく増えますが、株自体の寿命は比較的短いので、数年ごとに更新する必要があります。
▶︎コモンマロウの他にも、マロウにはいくつかの種類がありますが、おすすめは黒い花が咲く「ブラックマロウ(ホリホック)」です。色のインパクトが強いので、お庭のアクセント付けとして利用価値があります。
ブラックマロウの苗はこちらから!▶︎花はエディブルフラワーとしても利用できますので、色合いを活かしてサラダやスイーツの飾り付けとして使ってみましょう。
下記ページに育て方の解説もありますのでご覧下さい。
最後に
今回の記事では、実用性もあり観賞価値の高いおすすめのハーブをご紹介いたしました。
お茶にしたり料理に使ったりもできますが、もちろん収穫せずにただお花を愛でるだけでも十分楽しめるハーブです。是非植栽に取り入れ庭作りを楽しんでいただければと思います。
本記事ではご紹介できませんでしたが、つる性でコバルトブルーの花が咲く「バタフライピー」もおすすめ品種の一つです。別途記事としてまとめてありますので、宜しければあわせご覧下さい。
庭を黄色い花のハーブで彩りたいという方は、下記のページも参考になさってください。