色を楽しむハーブティー!【バタフライピー(蝶豆)】の育て方、活用法

はじめに

皆さんは、普段どんな目的でハーブティーを飲んでいますか?

「効能」を活かして健康のために飲んでいる方、リラックスタイムのお供として「香り」や「味」を楽しむ方も多いかと思いますが、ハーブティーは効能や風味のほかに、見た目でも私たちを楽しませてくれます。

カモミールやミントティーは黄金色、ハイビスカスティーはルビー色など、使用するハーブによって様々な色合いが楽しめるのも一つの醍醐味といえます。

しかし、今回ご紹介する「バタフライピー」は定番のハーブティーには決して出せない色、美しいコバルトブルーを見せてくれるハーブです。

最近は、カフェのスイーツやドリンクの色付けにも広く使用されるようになり、インスタ映えする写真として度々SNSでもシェアされる機会があり、徐々に認知度も上がってきました。

本記事で特徴や育て方、活用法などをご紹介しますので、ご興味ある方は是非ご家庭でも育ててみてください。



バタフライピーについて

基本情報

バタフライピー

学名Clitoria ternatea
別名チョウマメ、アンチャン
原産東南アジア
科名マメ科(チョウマメ属)
分類一年草
大きさ100〜300cm
(蔓の長さ)
開花時期6月〜9月頃
耐性耐寒性:なし
耐暑性:あり
活用法料理、お茶、着色料 etc

バタフライピー(butterfly pea)は英名で、花の形が蝶々に似ているということから日本では「蝶豆(チョウマメ)」、栽培が盛んなタイでは「アンチャン」と呼ばれています。

見た目は朝顔っぽい感じで、どちらも「つる性の一年草」という共通点がありますが、朝顔はヒルガオ科なので全く別種の植物です。


花色は鮮やかなコバルトブルーが一般的に知られており、中には紫がかった色や白い品種もあります。

日本の気候では冬越しが難しいため一年草として扱われていますが、暖かい東南アジア圏の原産国では多年草として育てられています。

原産地が熱帯地域ということもあり、日本でも夏場には蔓をグングンと伸ばしてたくさんの花をつけ、非常に見応えがあると同時に、毎日のように咲くので大量に収穫できます。



活用方法

① ハーブティー

バタフライピーの最大の魅力は、やはりその美しい色合い。

本場タイでは花をそのままお茶にして日常的に飲まれていますが、味や香りは殆ど無いので、シングルハーブティーとして飲むよりは、他のハーブとブレンドして色と味の両方を楽しむほうがおすすめです。


バタフライピーの花には『アントシアニン』が含まれています。

アントシアニンとは水溶性の色素で、抗酸化作用があるとされ、摂取すると目の疲れを和らげたりエイジングケアができると言われています。

バタフライピー以外にも、シソコモンマロウコーンフラワーなどのハーブに含まれています。


② 料理

一般的に青色は、”食欲を衰退させる色”とされていますが、それでもバタフライピーのブルーは非常にインパクトがあり魅力的です。

料理に使う場合は、花を煮出して作った煮汁を天然着色料として使用します。

煮出し方は超簡単!

鍋に水と摘み取ったバタフライピーを投入して色が出るまで火にかけるだけです。
(※少量でも結構色が濃く出ますので、花は少量ずつ追加しながら調整していきます。)

煮出すのが面倒な方は、ハーブティーを作る要領(ポットに入れてお湯を注ぐだけ)でも色が出ますので試してみてください。


煮汁をケーキの生地やゼリーなどに使用することで、青色スイーツの完成です!


最近では粉末のバタフライピーも市販されていますので、花が手に入らない方でも手軽に天然色素の材料として利用することができます♪


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③ グリーンカーテン(日よけ)

夏に活躍するグリーンカーテンといえば朝顔がポピュラーですが、つる性で暑さに強いという特性からバタフライピーも同じくグリーンカーテンとして活用できます。

見た目にも綺麗で、収穫してお茶も楽しめるという点で一石二鳥です!



バタフライピーを育ててみよう!

バタフライピーは害虫の心配もほとんど要らず、簡単に育てられますので初心者にもおすすめのハーブです。

苗は一部のホームセンターや園芸店で入手可能ですが、取り扱っているお店が限られているため、お近くのお店で見つからない場合はネット通販で購入しましょう。


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種まき&植え付け

生育環境としては、日当たりと風通し、水はけが良い場所を好みます。


<種子から育てる>
▶︎発芽温度は20℃前後
▶︎春の暖かくなってきた時期(4〜5月頃)に播きます。


▶︎移植を苦手とするため、はじめから花壇や鉢に直播きします。

(播く前日に、一晩水につけておくと発芽率が良くなります。)
▶︎嫌光性種子(※)ですので、種子を蒔いたら種の2〜3倍の厚さでしっかり覆土しましょう。

▶︎発芽するまでは湿った新聞紙を被せるなどして光を遮り、乾燥しないように管理します。
▶︎気温にもよりますが、1週間程度で発芽します。
(発芽したら新聞紙はすぐに取り除きます。)

※嫌光性種子とは、光を苦手とする性質を持った種です。逆に光を好む種は「好光性種子(こうこうせいしゅし)」と言います。詳しくは下記のページの解説をご参照ください。


<苗の植え付け>
苗を購入、または苗作りができたら蔓が伸びすぎないうちに早速植え付けします。

土は市販の元肥入り園芸用土か、ご自身でブレンドするのであれば小粒の赤玉土4に対して腐葉土6くらいの割合がおすすめです。

植え付け穴をあけたら、たっぷりと水を含ませてから定植します。土を被せたらしっかりと株元に圧をかけてあげましょう。

苗ポットから移植する際には、なるべく根に触れずにやさしく取り出して植え付けましょう。


バタフライピーはつる性植物ですので、生長するにしたがって適宜誘引してあげる必要があります

グリーンカーテンとして利用したい方は事前に支柱やネットなどの用意も忘れずにしておきましょう。



日常管理

◆水やり
地植えの場合、根付くまでは土の表面が乾いたら水をあげるようにしてください。

よほど乾燥した日が続かない限り、根付いた後の水やりは必要ありません。

鉢植えの場合は土の表面が乾いたらたっぷりとあげてください。

夏場は状態を確認しつつ回数を多めにあげても良いですが、あげすぎると根腐れの原因になりますので注意が必要です。


水やりについては別の記事でもコツをご紹介していますので、参考にしていただければ幸いです。


◆剪定(摘芯)
成長を促す為に、草丈が15〜20cmくらいになったら一度摘芯を行います。

摘芯をすることで下の方から脇芽が出て、株全体の茂り方も良くなり結果的に花の収穫量もアップします。


◆肥料
園芸用土を使った場合、既に土には栄養分が入っているので肥料は必要ありません。

もし葉色が薄い、蔓が伸びないなど、生育不良の兆候があった場合、生育旺盛になる6月頃(または植え付けから1ヶ月ほど経った頃)には緩効性肥料を与えても良いでしょう。

緩効性肥料については下記のページにて詳しく説明していますので、あわせてご覧ください。



収穫

バタフライピーは初夏から秋までたくさんの花をつけ、咲いた段階でいつでも収穫可能です。
花つきが良いので、時期や栽培規模によっては毎日のように収穫することができます。

収穫時はなるべくハサミを使用して、花びらだけでなく花柄の部分で切り取りましょう。

収穫後は生のまま利用しても良いですし、ザルなどに平らに広げて乾燥させればドライハーブとして長持ちさせることができます。

※乾燥させる場合、湿気の多い時期はカビの発生に注意が必要です。家庭用のフードドライヤーがあれば収穫の都度一気に水分を抜くことができますので安心です。


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色の変化を楽しもう!

バタフライピーに含まれるアントシアニンはポリフェノールの一種で、前述のハーブ以外にも、ブルーベリーやぶどう、黒豆や紫玉ねぎや紫キャベツなどにも含まれます。

酸性に強く傾けば傾くほど赤系の色に、アルカリ性に傾くほど青系の色になる性質をもっています。

この酸性ー中性ーアルカリ性の実験」は、リトマス試験紙を使った理科の授業でもおなじみですよね。

ハーブティーを淹れた時にレモン汁を搾ったりして、徐々に変わる色の変化も是非楽しんでみてください。

このアントシアニンの性質を活かした色の変化は、子供たちも一緒に楽しめるので、夏休みの自由研究としてもおすすめです!

 

バタフライピーを煮出したものにレモン汁や重曹、酢やクエン酸など、酸性やアルカリ性の液体を加えて色の変化について記録をつけていくだけです。短時間で簡単にできます♪


最後に

インスタ映えするということから、多くの飲食店でお菓子や料理の色付けに使用されるようになったバタフライピーですが、今では美容と健康の強い味方として広く親しまれています。

残念ながら、日本では一年草なのでワンシーズン楽しんだら翌年にまた植え替えしなくてはなりませんが、とても美しく実用性のあるハーブですので、ご家庭でもお庭やプランターで栽培を楽しんでみてください。

注)ハーブティーを飲まれる場合、持病がある方や薬を常服している方は、医師にご相談の上摂取してください。また、月経中や妊娠中・授乳中の方は使用をなるべく控えるようにしてください。(特に妊婦さんは飲めるハーブティーの種類にも制限がありますので、事前にかかりつけの医師にご相談ください。)


赤紫色の美しい花を咲かせる「コモンマロウ」も同じく着色系のハーブです。

ご興味ある方は下記のページもご覧ください。


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ハーブについて品種と特徴
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