【アーティチョーク】ってどんな植物? どこを食べるの? 特徴と育て方

はじめに

国内では販売しているお店を見つけるのが難しく、殆ど食卓にのぼることがない「アーティチョーク」という植物、皆さんはご存知ですか?

初めて見た方が「観葉植物?サボテン?」「南国の果物?」というほど私たち日本人にとっては馴染みのない不思議な形をしています。

実は、このアーティチョークはヨーロッパ(特にフランスやイタリア)では定番のお野菜。

マルシェ(市場)ではトマトやニンニクやブロッコリーなど、普通の野菜と同じように並べられているくらいポピュラーな食材です。

日本ではなかなか手に入りませんが、栽培している農家さんから直接仕入れるか、家庭で育てることは可能です。

今回の記事は、そんなレアなお野菜「アーティチョーク」の特徴や育て方についてご紹介していきたいと思います。



アーティチョークについて

基本情報

アーティチョーク

学名Cynara scolymus
別名チョウセンアザミ
原産地中海沿岸
科名キク科(チョウセンアザミ属)
分類多年草(宿根草)
大きさ150〜180cm程度
※栽培環境による
開花時期6〜8月頃 ※地域による
耐性耐寒性:あり
耐暑性:あり
活用法主に料理

地中海沿岸が原産のアーティチョークはキク科の多年草で、元々は野生のアザミだったものを品種改良して食用の品種(野菜)としたものです。

チョウセンアザミ」という和名は、朝鮮が原産地であるからというわけではなく、”外国から来たのアザミに似た植物”ということで付けられたものです。

日本に来たのは江戸時代の頃で、元々は観賞用の植物として育てられていたこともあり、現在でも食用としてはあまり馴染みのないものとなっています。

開花すると15cm程度の紫色の大きな花(※頭状花序)を咲かせ、株は1メートルを超えるほど大きくなります。

苗の時は生長後のサイズがイメージしにくいですが、想像以上に大きくダイナミックな植物なので、鉢植えよりも地植えの方が向いています。

※頭状花序(とうじょうかじょ)
柄のない多数の花が密に集まって一つの花に見えるもので、主にキク科の花に多い。



活用方法

アーティチョークは主に料理に(または観賞用として)使われます。

食用にするのは開花前に収穫した若い蕾の部分で、萼の付け根と花托を利用します。

家庭もよく食べられているフランスやイタリアでは「クオーレ」と呼ばれる茎の付け根の部分を食べるのが一般的です。



独特の食感で、他の野菜に例えるはちょっと難しいですが、百合根やジャガイモのようなほくほくした食感に近いです。

下処理がちょっと面倒ということも日本では普及しにくい要因になっているかもしれませんが、お好きな方は口を揃えて「手間をかけても食べたい!」というほどですので、是非一度試してみてください。

下処理については「旬の食材百科」さんのチャンネルで分かりやすく説明していますので、下記動画をご覧ください。


下記のページでは、ハーブを料理するときに便利なアイテムをご紹介しています。ご興味ある方はあわせてご覧ください。



アーティチョークを育ててみよう!

野菜としては殆ど国内で流通していないアーティチョークですが、タネや苗は一部の園芸店で入手することができます。

近くのお店で見つからない場合はネット通販でも購入可能です。

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種まき&植え付け

生育環境としては、日当たりと水はけ、風通しの良い場所を好みます。

耐暑性はあるものの、真夏に30℃を超える日が長期間続くと生育が悪くなったり、時には収穫した切り口から枯れていこともありますので注意が必要です。


<種子から育てる>
▶︎発芽温度は15〜20℃程度です。
▶︎春まきは3月下旬〜4月頃、秋まきは9〜10月頃播きます。
▶︎苗ポットに点まきして5mm程度覆土します。
▶︎発芽までに2週間前後かかりますので、それまでは水やりをしながら乾燥しないよう管理します。
▶︎発芽して本葉が5枚程度になったら定植OKです。


<苗の植え付け>
アーティチョークは生長すると株幅が非常に大きくなるため、地植えで複数の株を植える場合は、株と株の間を1m以上は離して植えましょう。

また、植え替えを嫌いますので、植え付けてからは同じ場所で5〜6年ほど継続して育てます。(6年目以降は株を更新してあげましょう。)

土は市販の園芸用土で問題ありません。

ご自身でブレンドするのであれば小粒の赤玉土7に対して腐葉土3くらいの割合がおすすめです。
(水はけと保肥性を高めるために赤玉土を6にして、黒曜石のパーライト(※)」を1加えても良いでしょう。)

※パーライト
=排水性と保水性、そして保肥性を高めるために使用する土壌改良材です。

パーライトには種類があり、水はけが悪い場合は排水性を高める黒曜石のパーライト、逆に水はけが良すぎて乾いてしまう場合は保水性を高める真珠岩のパーライトを使用しましょう。

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土壌改良材については下記のページも参考になさってください。



日常管理

◆水やり
水切れには注意が必要ですが、乾燥した日が続かない限り毎日は必要ありません。

ただし、生育期の土が乾いている時にはたっぷりとあげてください。


◆肥料
あくまで生育具合を見ながらですが、蕾ができて花が咲くまでの時期(4〜5月頃)と、花が終わった後の時期(9月頃)に液体肥料を与えると生育が順調になります。



◆病害虫
高温になる時期はアブラムシがつくことがあります。

市販の殺虫剤で対処できますが、薬剤の使用に抵抗がある方や収穫して食べること目的にしている方は、日常的に株を観察してピンセットや歯ブラシなどで除去するようにしましょう。

ハーブの害虫対策について、詳しくは下記のページでも解説しております。


収穫

タネから育てたアーティチョークは2年目以降から収穫が出来るようになり、無事に冬越しできれば数年間は同じ株から収穫できます。

開花したら食べられなくなってしまいますので、蕾が若いうちに、ある程度茎の長さを残しつつ収穫します。

旬は6月です。

鮮度が落ちやすいので、できれば収穫後はその日のうちに下処理と調理をしたいところですが、もし使いきれない場合はラップで包んで冷蔵庫で保管し、2〜3日以内には使用しましょう。



栽培している農家さん

ヨーロッパでこそメジャーな作物ですが、日本では生産者も少ないということで「国産アーティチョーク」は非常に貴重です。

国内では千葉県にあるタケイファームさんが最大級のアーティチョーク畑を保有しており、オンラインショップでも販売しております。

育てるのはちょっと難しいけど、、一度は味わってみたい!という方は是非お取り寄せしてみてください。



最後に

アーティチョークは料理で使用する以外にお庭の植栽にもおすすめです。

株がダイナミックに育ち、打ち上げ花火のような形の花は非常に迫力がありますので、お庭のデザインをする際に中央配置にすると存在感が増して見応えのあるお庭になります。

観賞目的でも十分満足できる植物ですので、是非一度ご家庭でも育ててその魅力に触れていただければと思います。

アーティチョークの苗を取り寄せて栽培にチャレンジ!

アーティチョークのような紫の花が好みの方は、下記のページもあわせてご覧ください。


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