「ジャーマンカモミール」と「ローマンカモミール」2つの違いは何?

はじめに

ハーブには、見た目が似ている、用途が似ている、名前が似ているなど、混同しやすいものがたくさんあります。

本記事は、筆者が園芸店に勤務していた頃の体験を基に、似て非なるハーブ、勘違いしやすいハーブについてそれぞれの特徴を比較しながら解説する内容となっております。

皆さんが栽培をされる際、もしくは苗や種を購入する際の参考としていただければ幸いです。


今回は「ジャーマンカモミール」と「ローマンカモミール」についてのご紹介です。

どちらも白と黄色の小さい花を咲かせる可愛らしいハーブで、一見すると非常に似ている印象がありますが、果たして2つのカモミールにはどんな違いがあるのか、早速みていきましょう!



共通する特徴

「ジャーマンカモミール」と「ローマンカモミール」、両者には下記のような共通点が挙げられます。

▶︎どちらも「カモミール」である。
▶︎キク科に属する。
▶︎お茶に使うことができる。
▶︎白い舌状花、黄色い筒状花を咲かせる。

▶︎寒さに強く、暑さに弱い。

次の項からは、それぞれの基本情報と特徴を見ながら違う部分について把握していきたいと思います。


基本情報

ジャーマンカモミール

学名Matricaria recutita
別名ドイツカミツレ、カモマイル
原産ヨーロッパ〜アジア西部
科名キク科マトリカリア属
分類一年草
大きさ30〜60cm程度
開花時期4〜5月頃
花色白(筒状花は黄色)
耐性耐寒性:あり
耐暑性:なし
活用法ハーブティー、料理、
お風呂、精油 etc

ローマンカモミール

学名Chamaemelum nobile
別名ローマカミツレ etc
原産ヨーロッパ
科名キク科カマエメルム属
分類多年草
大きさ20〜30cm程度
開花時期5〜6月頃
花色白(筒状花は黄色)
耐性耐寒性:あり
耐暑性:なし
活用法ハーブティー、精油、
グランドカバー etc

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異なる点

一見すると花や葉が非常に似ている両者ですが、細かく見比べていくと違いが見えてきます。


見た目

ジャーマンカモミールの花
ローマンカモミールの花

ジャーマンカモミールの花は、筒状花(中央の黄色い部分)がぷっくらと膨らみ花びらが反り返ります。

一方、ローマンカモミールの筒状花はジャーマンカモミールのように大きく膨らむことはなく全体的に平たい印象です。

花全体の大きさはローマンカモミールのほうが1cm程度大きいです。


開花時期

ジャーマンカモミールが先に(4〜5月頃に)咲き始め、ローマンカモミールは後(6〜7月頃)から咲きます。

ほとんどの園芸店ではジャーマンカモミールの苗のほうが先に店頭に並び始めます。



両者ともにキク科の植物ですが、その中でもジャーマンカモミールは「マトリカリア属」に、ローマンカモミールは「カマエメルム属」になります。



ライフサイクル

ジャーマンカモミールは一年草で、毎年種まきをして新しい株を育てる必要があります。
(非常に丈夫で、こぼれ種でも自然と増えることがあります。)

一方、ローマンカモミールは多年草ですので、植えっぱなしで毎年株が大きくなります。増やしたい時は新たに種を播くか、挿木や株分けで増やすことができます。


大きさ

ジャーマンカモミールは大人の膝丈より高く1m近くまで生長しますが、ローマンカモミールは膝下程度(30cm程)の高さに留まります。


葉の香り

ジャーマンカモミールの葉に香りがありませんがローマンカモミールには花と同じように香りがあります。


どちらもお茶として楽しむことができ、甘く爽やかなリンゴの香りが特徴です。

ジャーマンカモミールのほうはクセや苦味がないので飲みやすいです。

ローマンカモミールには苦味があります



最後に

カモミールには他にも、黄色い花が咲く「ダイヤーズカモミール」や、八重咲きの「ダブルフラワー」などがあります。

これらは色や形が特徴的なので違いが分かりやすいですが、本記事でご紹介した2品種については混同してしまう方が結構多いので参考までにご紹介させていただきました。

一年草と多年草という違い、または味の違いなど、お好みに応じて皆さんのお庭の植栽に加えてみてください。


今回ご紹介したカモミールの他にも、ハーブにはまだまだ混同しやすいものがたくさんあります。

よろしければ下記の記事もあわせてご覧ください。


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豆知識
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