どっちがハーブ? マリーゴールドとポットマリーゴールドの違いとは?

はじめに

植物の中には名前や見た目が似ているもの、または利用目的が似ているものなど、混同しやすい品種がたくさん存在します。

本シリーズは、筆者が園芸店に勤務していた頃の体験を基に、皆さんがよく混同してしまうハーブやその他のの違いについて説明させていただく記事です。

普段から疑問に感じていることを解消する一助となれば幸いです。


今回は、花壇でよく目にするお花はどっち? ハーブとして使えるのはどっち? という質問を頻繁にいただく「マリーゴールド」と「ポットマリーゴール」についての記事です。

似て非な2つの植物にはどんな類似点があり、どんな違いがあるのか、早速みていきましょう!



類似する点

「マリーゴールド」と「ポットマリーゴールド」、両者には下記のような共通点が挙げられます。

▶︎どちらも「マリーゴールド」である。
▶︎オレンジ、黄色など明るい色が多い。
▶︎草丈が低い
▶︎キク科である。

これだけ見ると、ほぼ同じ植物じゃないか…と思ってしまいますよね。。

それでは、ここからはそれぞれの植物の特徴を見ながら、その違いを把握していきたいと思います。


基本情報

マリーゴールド

学名Tagetes
別名千寿菊、万寿菊 etc
原産メキシコ
科名キク科コウオウソウ属
分類一年草
大きさ20〜30cm程度
※品種によって異なる
開花時期4〜11月頃 (※)
花色赤、黄、オレンジ
耐性耐寒性:なし
耐暑性:あり
活用法主に観賞用

※春まきの場合の開花期です。

ポットマリーゴールド

学名Calendula officinalis
別名キンセンカ、カレンデュラ etc
原産地中海沿岸地域
科名キク科キンセンカ
分類一年草
大きさ20〜60cm程度
開花時期3〜6月頃 (※)
花色黄、オレンジ、クリーム etc
耐性耐寒性:あり
耐暑性:あまりない
活用法エディブルフラワー、お茶、
薬用 etc

※春まきの場合の開花期です。



異なる点


葉の形

マリーゴールドの葉
ポットマリーゴールドの葉

マリーゴールドの葉は、茎の左右にいくつかの小さな葉が並んで構成される「羽状複葉」で、少しギザギザがあります。

一方、ポットマリーゴールの葉はヘラ状の「単葉」です。


原産地

マリーゴールドはメキシコポットマリーゴールドは地中海沿岸地域が原産です。


どちらも植物の中でも最も多い種類が属しているキク科に分類されますが、マリーゴールドは「コウオウソウ属ポットマリーゴールドは「キンセンカ属に分類されます。

人間でいえば家族というよりも親戚関係のような感じですね。



開花時期

他の草花に比べ、両方とも開花期は長めですが、春まきの場合、マリーゴールドのほうがシーズンを通して長く花を楽しむことができます。


用途

もし皆さんが「ハーブのマリーゴールド」を探しているのであれば、それはポットマリーゴールド(カレンデュラ)です。

ポットマリーゴールドの花は、エディブルフラワーとして料理に使われる他、皮膚や粘膜の修復に効果があるとされ、ハーブティーとしても親しまれています。

また、コスメ製品やエッセンシャルオイルの原料としても幅広く使用されています。



一方、マリーゴールドは主に観賞用として栽培され、飲んだり食べたりすることはできませんが、野菜と一緒に植えるコンパニオンプランツとして非常に優秀です。

特にナス科やアブラナ科の野菜と相性が良く、害虫がつくリスクを減らしつつ生長を促進してくれます。



最後に

両者の違い、お分かりいただけたでしょうか?

「マリーゴールド」の中には、小さな花をたくさん咲かせるコンパクトな「フレンチマリーゴールド」や、たくさんの花弁が重なり合ってまるで手鞠のような大きな花を咲かせる「アフリカンマリーゴールド」などがあり、「ポットマリーゴールド」には一重咲きや八重咲き、アネモネ咲きなどの品種もあります。

中には多年草の品種もありますので、マリーゴールドといっても今回ご紹介した2つの違いのほかに、それぞれの品種内での違いもありますので、実は中々奥が深いのです。

色合いの違いを活かしたり、用途の違いを活かしてお庭を楽しく明るくする優秀なガーデン素材ですので、是非どちらも植栽に取り入れてみてください。


本記事でご紹介マリーゴールドのように、他にも混同しやすい花やハーブがたくさんあります。

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豆知識
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