庭や料理を彩る食用花(ハーブ)【ナスタチウム】とは? 特徴や育て方

はじめに

観賞用の草花に比べて実用性が高く、丈夫で育てやすいというのがハーブ類のメリットです。

多くのハーブは収穫量を増やすために開花前に芽を摘んでしまうため、花を愛でる機会も少なく、見た目の華やかさでは観賞用の草花に敵いません。

しかし、そんなハーブの中にも開花するまで育てて観賞も楽しみつつ収穫もできるハーブがたくさんあります。

今回ご紹介する「ナスタチウム」もそんなハーブの一つ。

明るく鮮やかな色の花はガーデンの植栽や鉢植えにしても大きな存在感を放ち、華やかな印象を与えてくれる素晴らしいハーブです。

本記事では、そんなナスタチウムの特徴や育て方について解説したいと思います。



ナスタチウムについて

基本情報

ナスタチウム

学名Tropaeolum majus
別名キンレンカ、ノウゼンハレン etc
原産南米(コロンビア、ペルー)
科名ノウゼンハレン科
(ノウゼンハレン属)
分類一年草
大きさ20〜40cm(高さ)
開花時期6月〜10月頃
耐性耐寒性:あり
耐暑性:あまりない
活用法主に料理(エディブルフラワー)

ノウゼンハレン科には約90種ほどの植物が分類されており、ナスタチウムはその中の一種です。

本来は、分枝しながら2mを越える長いツルを伸ばしていく一年草ですが、最近では矮性品種(※)が流通しており、コンパクトに育てて楽しむ方も多くなっています。

※矮性品種(わいせいひんしゅ)
=背丈が一般種よりも小さいサイズの品種。


花は赤、黄、橙の鮮やかで明るい色の5弁花で、葉はハスのように丸く可愛らしい形をしているのが特徴です。

蒸し暑さに弱いハーブで、夏になると葉だけを茂らせ花はお休みしますが、暑い時期を乗り切ればまた秋に花を咲かせてくれます。



活用方法

ナスタチウムは主に料理の素材として使用します。

花はエディブルフラワーとしてデザートの飾り付けにしたり、来客を食事でもてなす時のサラダや料理の付け合わせとして用いれば、華やかでゴージャスな仕上がり早変わりします。

葉も食用にすることができ、ピリッとした辛みがあるので、サラダのアクセントとしてまたはクレソンの代わりとして肉料理の添え物にもぴったりです。


料理以外の用途としては、つる状に長く伸びる性質を活かしてハンギングの素材や、庭の雑草抑え(グランドカバー)としても活躍します。

また、コンパニオンプランツとして、茄子やトマト、きゅうりの側に植えると野菜の害虫対策にもなります。



ナスタチウムを育ててみよう!

種まき&植え付け

生育環境としては、日当たりと風通しが良い場所を好みます。

暑さには弱いため、地植えの場合は明るい日陰に、鉢植えの場合は夏の間だけ半日陰に移動した方が安心です。


小さなクルミのような形の種です。

<種子から育てる>
▶︎発芽温度は20℃前後。
▶︎春まきは3〜5月頃、秋まきは9〜10月頃です。
▶︎移植を嫌うため、基本的には直播きをおすすめします
が、そのまま植えられる紙製ポットであれば育苗後の植え付けも安心です。

紙製ポットについては、下記のページで取り上げておりますので、あわせてご覧ください。


<参考商品>

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▶︎種は一晩水につけてから播くと発芽しやすくなります。
▶︎嫌光性種子(※)ですので、播いた後は1cm程度覆土します。

▶︎発芽するまでは水やりをしながら乾燥しないように管理します。
▶︎環境にもよりますが、1〜2週間程度で発芽します。

種まきから3週間後の様子

▶︎発芽後した後は、丈夫そうな芽だけを残して間引きます。


※「嫌光性種子」について詳しく知りたい方は下記の記事を参考になさってください。


ナスタチウムの種はこちらから

<苗の植え付け>
複数の株を植え付ける場合は、株と株の間に20cm程度の間隔を空けましょう。

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土は市販の元肥入り園芸用土(培養土)で問題ありません。

有機質土壌を好みますので、ご自身でブレンドするのであれば小粒の赤玉土5に対して腐葉土5くらいの割合がおすすめです。

植え付け穴をあけたら、たっぷりと水を含ませてから定植します。土を被せたらしっかりと株元に圧をかけてあげましょう。



日常管理

◆水やり
地植えの場合、根付いた後の水やりは必要ありません

鉢植えの場合は、土の表面がやや乾いたらしっかりとあげてください。


◆剪定(摘心、切り戻し)
本葉が増えてきたら(5〜6枚程度になったら)摘心を行います。

摘心することでまた新しい茎が伸び始め、株全体のボリュームが増します。

更に、猛暑を乗り切って秋の開花に備えるため、梅雨明け頃、草丈の半分程度に切り戻しておきましょう。

初めてハーブを育てるという方は、剪定の目的や役割を下記のページで解説していますのでご参照ください。


◆花殻摘み

一度咲き切って駄目になってしまった花や生育不良の葉は、そのままにしておくと株の蒸れや病気の原因になりますので、できるだけ早めに摘んでおきましょう。


◆肥料
肥料分は少なくても問題ありませんが、肥料切れした場合、または肥料を与えたとしても窒素分の多いものは花付きを悪くします。

あくまで様子を見ながらですが、生育期には水やりのついでに液体肥料を与えると効果的です。(目安は2週間に一度程度)




◆病害虫
特に気温の高い時期にアブラムシやハダニが発生することがあります。

一見大丈夫そうに見えても葉の裏などで繁殖し続ける場合がありますので、日常的に葉を裏返して様子を確認するようにしましょう。

害虫対策については、下記の記事でもう少し詳しく解説しています。よろしければご覧ください。


植え替え時の注意点

ナスタチウムは植え替えを苦手とするハーブです。

一度植えた場所から掘り上げて場所を移動したり、新しい鉢に植え替えする時に一気に弱ってしまう場合がありますの注意が必要です。

また、苗をポットから取り出す時は、根鉢を崩さず(根や土をほぐさず)そのままやさしく定植するようにしましょう。

移植を嫌がる理由は、ナスタチウムが直根性の植物であるという理由からです。詳しくは下記のページにてご覧ください。



最後に

今回は観賞用として食用として非常に優秀な「ナスタチウム」についてご紹介しました。

色々な用途がある美しい花姿のハーブですので、お庭や鉢植え、または畑でも植栽のお供として是非育てて楽しんでいただければと思います。


ナスタチウムの他にも、花を楽しめるハーブがたくさんありますので、よろしければ下記のページもあわせてご覧ください。


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ハーブについて品種と特徴
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