ディルとフェンネルの違いを見分ける7つのポイント|育てる時の注意点

ディルとフェンネルの違い。見分け方。

はじめに

『魚料理との相性が良い定番ハーブは?』

という質問をした時に、よく挙げられるのが「ディル」や「フェンネル」です。

魚料理との相性抜群のディルとフェンネルとは?

どちらも魚の臭みを消すのが得意で爽やかな風味と苦味が特徴のハーブ。

細い葉と黄色い花が非常に似ているため、見慣れていない方にとっては判別しにくいハーブと言われます。

今回はそんな似たもの同士「ディルとフェンネル」について、それぞれの違い(判別方法)と育てるときの注意点について解説させていただきます。



基本情報

見分け方のポイントをお伝えする前に、まずはディルとフェンネルそれぞれの特徴を見ていきましょう。


ディル

ディルの花。
学名Anethum graveolens
別名イノンド
原産地中海沿岸、西アジア
科名セリ科(イノンド属)
分類一年草
大きさ60〜80cm程度
開花時期5月〜7月頃
耐性耐寒性:あり
耐暑性:なし
活用法主に料理

フェンネル

フェンネルの黄色い花
学名Foeniculum vulgare
別名ウイキョウ etc
原産地中海沿岸
科名セリ科(ウイキョウ属)
分類多年草
大きさ100〜200cm
開花時期6月〜8月頃
耐性耐寒性:あり
耐暑性:あり
活用法主に料理

使い方も全体的な印象も似ているので、見慣れないうちは「どっちがどっち?」と思うこともありますが、ポイントを絞って観察していくと徐々に全く違う植物として判別できるようになってきます。



違いを見分けるポイント

ライフサイクル

ディル:一年草。毎年、種から育てる必要があります。

フェンネル:多年草。冬を越すたびに株が大きく育ちます。


背丈

ディル:草丈60〜80cm程度と比較的小柄。

フェンネル:成長すると1m以上に達し、ディルよりも大きくなります。



栽培適温

ディル:暑さに弱く、夏の終わり頃には寿命を迎えることが多いです。

フェンネル:暑さに強く、夏越しもしやすいのが特徴。



葉の形

一見似ていますが、じっくり観察すると違いが明らかです。

料理に使われるディルの葉
ディルの葉
料理に使われるフェンネルの葉
フェンネルの葉

ディル:繊細で柔らかい細葉。

フェンネル:ディルよりも細く、糸のような形状をしています。


葉の色

生長過程や状態によって若干異なる場合はありますが、ディルの方が濃い緑色フェンネルは薄く黄緑に近い色です。


風味

どちらも爽やかな香りと苦味が特徴ですが、芳香の強さではフェンネルのほうが勝ります

同じように料理に使えますので、どちらを使うかはお好みで選びましょう。


料理で使い分ける時のポイント

  • ディルは、繊細な風味を活かして生のまま使うのがおすすめです。
  • フェンネルは、加熱することで甘みと風味が引き立ち、さまざまな料理に使えます。
  • 魚料理にはどちらも合いますが、ディルはより爽やかに、フェンネルはより複雑な風味を加えたい場合に使い分けると良いでしょう。

根元

フェンネルは根本に玉ねぎのように膨らんだ鱗茎(りんけい)を形成しますが、ディルに鱗茎はありません。

フェンネルの鱗茎

フィノッキオ

フェンネルの鱗茎はイタリアで「フィノッキオ」と呼ばれ、ポピュラーな野菜としてサラダやスープの材料として使用されます。

Cpicon フィノッキオとじゃがいものスープ by Yokchina

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育てるときの注意点

ここまでの説明でそれそれの違いがお分かりいただけたかと思いますが、栽培する際には共通して注意しなければならないことがあります。


交雑しやすい

ディルとフェンネルを近くに植えてしまうと、花粉が飛び混じって交雑することがあります。

交雑した雑種は香りも質も劣る子孫になるため、もし両方を育てたいという方は同じ場所や同じコンテナ内での寄せ植えを避け、できるだけお互いの距離を離して育てましょう。

特にフェンネルは、豆類やトマトとの相性も悪く、お互いの生長を阻害しますので近くには植えないようにしましょう。



植え替えをしない

ディルもフェンネルも「直根性植物」で、植え替えの時に根に負担がかかるのを嫌う性質を持っています。

なるべく直播きで育て、移植しなくても良い方法を選びましょう。

直根性植物について、詳しくは下記のページで解説していますのでご参照ください。


倒れやすい

どちらも背丈のわりに茎が細いので、強風に晒されると倒れたり折れたりすることがあります。

ある程度の高さになったら、支柱を立てるなどして養生しておきましょう。



最後に(まとめ)

今回は、似て非なるハーブ、ディルとフェンネルの見分け方を中心に解説させていただきました。

以下は、記事のまとめと補足です。

ディルフェンネル
分類一年草多年草
風味控えめ強め
葉形繊細な細葉糸状の葉
葉色濃いめ薄め
背丈低い
(60cm程度)
高い
(1m以上)
栽培適温15〜20℃20℃〜25℃
鱗茎なし鱗茎あり
こんな方にはディルがおすすめ

・料理の風味付に使いたいけど、香りが強いのはちょっと苦手。
・毎年種を播くのが好きで全く苦にならない。

ディルの育て方については下記のページをご参照ください。


こんな方にはフェンネルがおすすめ

・爽やかでスパイシーな苦味が好き。
・毎年株を更新するのが面倒。
・葉だけでなく鱗茎(フィノッキオ)も収穫したい。

フェンネルの育て方については下記のページをご参照ください。

ディルやフェンネルの種苗をお探しの方はこちらから

混植しなければ、どちらも他のキッチンハーブと寄せ植えして楽しむことができます。

下記のページを参考に栽培にチャレンジしていただければと思います。


動画での解説(YouTubeチャンネル)

この記事の内容は、当サイトの公式YouTubeチェンネルにて、3分動画としてご覧いただくことができます。ぜひチャンネル登録いただき、動画でもお楽しみください

・公式YouTubeチャンネル →「3 Minutes Gardening」はこちらから

・本記事の動画版 →「3分でマスター!ディル vs フェンネル【違いを徹底比較】」はこちらから



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