【ハーブ栽培の基本】 春に行う準備とお手入れ 植え替えや施肥など

はじめに

春になると園芸店やホームセンターには若く元気な苗が多数並びはじめます。

家庭菜園や庭づくりを楽しんでいる方にとっては待ちに待ったシーズンの到来。「今年は何を育てようか」とわくわくしながら品種選びをする時間はとても楽しいひとときです。

多年草は、冬の間に枯れてしまったもの、株が古くなってしまったものを更新したり植え替えを行う必要が出てきますし、気温が徐々に上がっていくにつれて、種まき時期を迎えた一年草の育苗もしなければなりません。

春は何かとやることが多く、うっかり忘れたままで、気がつくと夏に差し掛かっていた…なんていうこともありますので、必要な作業をここで一通り整理しておきたいものです。

これからハーブ栽培を始める方や、育てはじめてから初めての春を迎える方にとっては特に参考にしていただける内容ですので是非ご覧ください。

本記事はこんな方におすすめ

ハーブ栽培初心者
▶︎これから何か育ててみたいけど、春のうちに何をすれば良いのか知りたい。

ハーブ栽培2年目の方
▶︎冬越ししたハーブを、春にどう手入れすれば良いのか知りたい。

ハーブを栽培しはじめて数年経過している方
▶︎春の手入れ、作業を復習しておきたい方。


栽培環境の見直し

昨年まで鉢やプランターが置枯れていた場所(初めて育てる方はこれから置く場所)をまずはチェックしておきましょう。

多くのハーブにとって最適な環境は、日当たりと風通しの良い場所です。

鉢やプランターがハーブの好む環境にあるかどうかを再確認し、必要に応じて移動しましょう。


既に良い環境に配置してあると思っていても、冬の間に鉢の周囲に物を置いたり積んだりして、知らず知らずの間に日陰を作り、風の通りを遮っているということもあります。

今年の生育場所としてふさわしいかどうかを改めて確認しておきましょう。



種まき準備

3月から徐々に気温も上がりはじめ、多くのハーブが種まき時期を迎えます。苗でなく種から育てているという方は、そろそろ準備が必要になってきます。


適期を把握する

品種ごとの種まき時期は、様々なサイトや書籍の栽培カレンダー(種まきカレンダー)などで確認することができますが、「何月に播く」ということよりも「発芽温度に達しているかどうか」というのが重要なポイントです。

例えば「適期は4月です」と記載されていても、気温が例年の4月並になっていなければ発芽しない場合があるということです。

適期勿論目安としつつ、当年の気温の変化を考慮した上で種まきを行いましょう。

地域によっても異なりますが、春まきは早いもので3月、遅いものですと4月後半から5月に入ってからというものがあります。

多くのハーブは15〜20℃前後の発芽温度を必要としますので、その温度帯より高いのか低いのか、早めにまける品種なのか否かを把握することができます。

下記リンクにて地域別に直近の平均気温を確認することができますので、適温になったかどうか確認してみてください。

【参考サイト】気象庁 各種データ/資料 「期間平均気温」


資材の準備

昨シーズンまで使用しているものがあれば引き続き使用し、破損して使えなくなっている物がないかチェックして必要に応じて揃えておきましょう。

・種
・培養土
・育苗トレー、育苗ポット
・鉢・プランター
・ジョウロ
・ハンドスコップ
・ガーデングローブ

大型の園芸店やハーブ専門店であれば様々な種類のタネが揃いますが、ちょっと珍しいものは一般的なお店では中々手に入らないことがあります重さのある培養土も自宅まで持ち帰るのが結構大変…という場合は全部まとめてネットで取り寄せるのが便利です。

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余っている土をチェック

春に種まき用の土(培養土)を新たに購入される方が多いと思いますが、中には昨年購入したものが袋に入って余っているという方もいるのではないでしょうか。

結論から言いますと、その余った培養土は今年も使えます

培養土のパッケージには製造年月日は記載されているものの、使用期限が明記されていないものが多いです。

その為、どれくらいの期間使用可能か疑問に思っている方も多いと思いますが、保存状態が良ければ一年程度は十分使えます。

まずは土の状態を確認して、悪くなっていなければ今年も是非活用しましょう。

保存状態を確認する上でチェックしたいのは、

✔︎湿りすぎてグチョグチョしていないか
✔︎乾きすぎてサラサラしていないか
✔︎カビが生えていないか
✔︎異臭がしないか

適度な湿り気がありつつ、カビも異臭もなければ再度使用することは可能です。(未使用のものに限ります。)

土の保存の際しては、袋の密閉直射日光・高温多湿を避けることが重要です。
今後も土が余ったら、たとえ短期間であってもこれからのポイントに注意して保存しましょう。


※これから栽培を始める方は、資材準備から植え付けまでを下記のページで解説しておりますのでご参照ください。



道具の手入れ

種まきの時期が過ぎ、植え付けの頃から園芸用のハサミも徐々に使用する機会が増えてきます。

ハサミに限ったことではありませんが、冬の間ほとんど使ってなかった道具は、春先になって見てみると土がついたままになっていたり錆びていることがあります。使用頻度が高くなる前にしっかりと手入れをしておきましょう。

錆を落とす際には、刃物製造に特化したアルスコーポレーションのクリーナーがとても便利です。

ハサミだけでなく換気扇やコンロの汚れにも使えるのでコスパも良く、一本あるだけで非常に重宝します。是非一度使ってみてください。


<参考商品>

【アルスコーポレーション ARS】アルス GO-3 刃物クリーナー 320ml


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植え替え

鉢植えのハーブは根詰まりしている可能性があります。春のうちにしっかりチェックして、必要に応じて植え替えを行いましょう。


<根詰まりの症状>
▶︎水やりをしても中々土に浸透していかない。
▶︎土を押すとガチガチに硬い、またはパンパンに張っている感触がある。

こんな時は根詰まりしている可能性が高いので、大きいサイズの鉢に植え替えしてあげましょう。


<植え替えの手順>
①鉢底の穴から根を強く押し上げて株を抜く。
②かたまっている根を崩して、古い土を半分くらい落とす。
③新しい鉢に培養土と株を入れて、株元の新芽が埋まらない高さにして植え付ける。
④貧弱な茎は切り戻しておく。

これ以降、通常通り日常管理を行っていけば2週間程度で再び根付いているのが確認できるはずです。


根詰まりを放置しておくと、葉が黄色っぽく変色し始めますので、まずはチェックした上で必要に応じて早めに植え替えを行いましょう。


鉢やプランター選びはこちらの記事を参考になさってください。



株分け

ミントやレモンバーム、ほふく性のタイム、ローマンカモミールなど、一部のハーブは株分け(※)をして増やすことができます。

※株分け
=宿根草の根や茎を切り分けて新しく株を増やしていく作業。

植え替えする際に根詰まりしているものや、既に株が充実しているものは鉢から出して株分けを行いましょう。

<株分けの手順>
①鉢底の穴から根を強く押し上げて株を抜く。
②古い土を払い落とす。
③ハサミを縦に差し込み、根を少しずつ切り分ける。
④新しい鉢に新しい培養土入れて、株元の新芽が埋まらない高さにして植え付ける。

種まきの必要もなく、コスパ良く年々増やしていくことができるので、是非チャレンジしてみてください。



施肥

既に一年以上栽培を続けている土地や鉢・プランターでは肥料切れになっている場合がありますので、元肥として有機質肥料を与えておきましょう

冬の間に「寒肥(かんごえ)」を施しておけば尚良いですが、ハーブは花や樹木よりも少ない肥料で栽培できますので、春先の元肥だけでも十分です。

尚、有機肥料は効き目が出るまで1ヶ月程度の日数を必要としますので、植え付けから逆算して1ヶ月以上前には施肥を済ませておきましょう。

肥料の役割や有機肥料については下記のページでやさしく解説していますので、初心者の方はあわせてご覧いただければと思います。



摘芯、切り戻し

枝分かれしながら育つハーブは、春のうちに摘芯や切り戻しをすることによって枝葉が増え、収穫量もアップします。

昨シーズン以前に植え付けたもの(多年草)であれば、株が小さいうちに摘芯(※)や切り戻し(※)を行っても徐々にボリュームが増してきますのでご安心ください。

※摘芯
=剪定の一種で、先端の芽を切ること。

※切り戻し
=剪定の一種で、伸びた枝を短く切る作業のこと。

今年植え付ける苗については、しっかり根付いてから剪定をはじめましょう。


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最後に(まとめ)

今回はガーデニングシーズンが本格化する前にやっておきたい準備やお手入れについてご紹介しました。

特に春先は、暑い夏を乗り越えるための生育期間として大事な時期ですので、是非参考にしていただければ幸いです。

春先の準備とお手入れ(まとめ)

✔︎栽培環境の確認、見直し
✔︎種まき、植え付け適期の確認

✔︎種まき資材の準備
✔︎錆びた道具の手入れ
✔︎鉢の植え替え(必要に応じて)
✔︎株分け(2年目以降の株)
✔︎元肥として有機肥料を施す
✔︎剪定(摘芯、切り戻し)


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ハーブについて栽培のコツ
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