砂糖より甘い植物【ステビア】ってどんなハーブ? 特徴や育て方

はじめに

健康志向の高まりにより、最近では日常的にハーブティーを飲む方が増えてきました。

使用するハーブを組み合わせて様々な味や香りを楽しむことができ、体の調子を整えたり、目的に応じて生活に取り入れることができるのも大きな魅力です。

ハーブティーには主に爽やかなもの、すっきりした風味のものが多いですが、中には少し甘さが欲しいな〜という方もいらっるようです。

しかし、健康のために飲んでいるのに、砂糖を入れて甘くしたのでは本末転倒。。

そんな時におすすめなのが、今回の記事でご紹介する天然の甘味料「ステビア」です!

特徴や育て方などをご紹介しますので、是非一度ご家庭でも育ててみてください。



ステビアについて

基本情報

別名アマハステビア(甘葉ステビア)
原産南米(パラグアイ)
科名キク科(ステビア属)
分類多年草(宿根草)
大きさ高さ:50〜100cm
幅:30〜50cm程度
耐性耐寒性:あまりない
耐暑性:あり
活用法料理、ハーブティー、肥料 etc

キク科ステビア属には実に100以上の種類があります。

その中でもアマハステビア(一般的に”ステビア”と呼ばれているもの)には甘味成分の「ステビオサイド」が含まれており、その甘さはなんと砂糖の200倍〜300倍!!

しかもカロリーはほとんどありません。特に花が終わった晩秋頃に甘みがグッと増します。


活用法

一番の特徴である甘みを活かし、主にハーブティーにブレンドして使用したり、シロップにしてお菓子作りなどに利用されます。

現在では、食品(清涼飲料水、アイスクリーム、ガム、即席麺、スナック菓子、など)の原料としても幅広く使用されている他、100%天然由来の有機肥料や土壌改良材としても活用されており、栽培に利用した場合に生育と食味が良いということで注目されています。

ステビア農法で育てられた宮城県産米「ひとめぼれ」をお試しください。

ステビアを育ててみよう!

ステビアは鉢やプランターを利用して家庭でも簡単に育てることができます。

「葉っぱが甘い!」ということで、特に子供たちが興味を持ちますので、お子さんのいるご家庭でも食育を兼ねて是非栽培にチャレンジしてみてください!

以前は苗や種子を購入するのが困難でしたが、最近では苗を取り扱っているホームセンターや園芸店もたくさんあり、ネット通販でも購入可能です。

種子は発芽するまでの温度の管理が少し難しいので、苗から育てるのがおすすめです。

ステビアのタネや苗を早速チェック!

<参考商品>



もしお近くの園芸店やホームセンターで苗を見つけたら、早速購入してみましょう。健康な苗の選び方は下記のページを参考にしてください。


生育環境

ステビアは、日当たりが良く水はけの良い土地を好みます。

湿気には比較的強いですが、逆に、極端に乾燥するのを嫌いますので、土が乾ききってしまう前に適度な水やりを行ってください。

ご自宅で育てるときはお庭や鉢植えを置く場所の環境を把握した上で、ステビアにとって最適なところを選びましょう。

ステビアの発芽温度は比較的高めです。

 

20℃以上にならないと発芽しないため、種子から育てたいという場合は、5月以降を目処に種まきをしましょう。


植え付け

ステビアにとって良い環境が見つかったら次は植え付けです。

育苗ポットから取り出したらまずは根っこの状態を確認します。

根詰まりした苗

基本的にはポットから取り出したものを、穴を開けた地面にそのまま入れて植え付けるだけですが、もし根がパンパンな状態であれば、少しほぐしてから植える方が後々の生育に良いです。

用意する土は通常の園芸用土でOK。

鉢植えの場合は、水はけをよくするために鉢底に保水性と排水性も兼ね備えた小粒〜中粒の赤玉土を入れてから園芸用土を上に被せていくのも良いです。

事前に植え穴にたっぷりと水を含ませ、水が吸収され落ち着いた植え付けましょう。



日常管理

◆水やり
極端に乾燥するのを嫌いますので、土が乾ききってしまう前に水やりを行ってください

冬場は乾燥には特に注意が必要ですが、寒冷地では霜柱ができてしまう要因になりますので、なるべく 日中の暖かい時間帯にあげるようにしましょう。

別途、水やりのコツについては、下記のページもあわせてご覧ください。


◆剪定(摘芯)
成長促進の為に、丈が15cm〜20cmくらいになったら摘芯をします。

摘芯をすることで脇芽が出やすくなり、収穫量も大幅にアップします。

※摘芯とは、脇目の成長を促す目的で、茎や枝の先をカットしてあげることです。

ハーブの剪定がはじめてという方は下記のページもご参照ください。


◆肥料
園芸用土を使った場合、既に土には栄養分が入っているので植え付け時の肥料は必要ありません。

ただし、生育不良の兆候がある場合は液肥を利用して追肥を施しましょう。

生育不良の兆候があった場合は、すぐに養分の問題と結論付けずに、まずステビアの置かれている環境をしっかり観察し、まずは生育環境が適切かどうか見直しましょう。
「環境は整っているが生長不良」という場合には肥料を活かしましょう。

植物の栽培がはじめてという方、肥料を使ったことがないという方は、下記ページもあわせてご覧ください。



◆虫害対策
湿度が高くなる時期や養分過多のときはアブラムシが発生することがあります。

【基本的な対策】
①肥料をあげ過ぎない(あくまで必要最小限に止める)。
②水やりの時に葉や茎も湿らせてアブラムシがつきにくくする。
③アブラムシがついてしまったら洗いながしたり、歯ブラシなどで除去する。

市販のお薬(殺虫剤)を使用するという選択肢もありますが、収穫後は口に入るものですので、可能な限り環境をしっかり管理することで防ぐのが一番です。

ハーブの害虫対策については下記の記事で解説していますので参考になさってください。


収穫

株が大きくなるにつれて葉の量も増えてきますので、様子を見ながら随時収穫します。

背丈が伸び過ぎている場合は摘心も兼ねて茎ごと上部を切り、程よい背丈をキープしている場合は葉の部分だけを切ります。花が咲き終わった頃が一番甘みが増します

たくさん収穫できた葉はドライ加工したりシロップを作ることで長期保存が可能ですので、是非チャレンジしてみてください。

Cpicon ステビアのシロップ by 香月海音

ご家庭で天日干しされる方は、下記の記事も参考になさってください。


ドライハーブ作りには家庭用フードドライヤーがおすすめです!

しっかり乾燥したハーブは冷暗所で約1年ほど保存が可能です。

高評価のおすすめフードドライヤー↓↓



安全性に関する噂

ステビアの摂取について、過去に「発がん性があるのでは?」「糖尿病になりやすいのでは?」という情報や噂がありました。

食品の原料として多く使用されるようになってから特に、その安全性について言及されることが多くなったわけですが、所謂「人工甘味料」と勘違いされていたことが主な原因の一つになっています。

結論を言いますとステビアは安全です。

もちろん、過剰摂取は健康に害を及ぼ可能性はありますが、それは他の食品も同様のことです。

ステビアを専門的に研究されている機関や企業によってその安全性に関する情報も提供されていますので、心配な方は下記サイトを参考になさってください。

参考サイト① 守田化学工業株式会社「ステビアの安全性」

参考サイト② ステビア工業会「ステビアの安全性について」

ステビアはキク科の植物ですので、ステビア自体が安全と言ってもキク科アレルギーの方にとっては悪影響を及ぼしますのでくれぐれもご注意ください。
また、妊娠中の方や授乳中の方、乳幼児は使用をお控えください。


最後に

数あるハーブ中でも「甘味成分がある」という特別な存在のステビア。

砂糖を使わずに自宅で甘味料として使えるという点において非常にありがたい植物です。

また、砂糖の200倍〜300倍の甘さがあるということで、ほんの少量で甘さを得られるのはコスパ面でも非常に優秀です。

育てることを楽しみながら、その甘さも生かしてお菓子作りなどに是非活かしてみてください。


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