はじめに
爽やかで甘いトロピカルな香り、鮮やかな赤い花——「パイナップルセージ」はその名の通り、香りも見た目も楽しめる魅力満載のハーブです。
観賞用として美しいのはもちろん、ハーブティーや料理にも活用できる万能ぶりが、ガーデニング愛好家から高い人気を集めています。
今回は、そんな個性派セージの中でも特に育てやすく、プランターや鉢植えでも手軽に始められる「パイナップルセージ」の特徴や育て方をご紹介します。
初心者でも失敗しにくいハーブなので、「庭がなくても大丈夫?」「どれくらい手間がかかるの?」といった疑問をお持ちの方も安心してください。この記事を読み終える頃には、あなたもこのトロピカルなハーブの虜になるかもしれません!

パイナップルセージとは?
基本情報

パイナップルセージ
学名 | Salvia elegans Vahl |
別名 | サルビア・エレガンス |
原産 | メキシコ |
科名 | シソ科サルビア属 |
分類 | 多年草 |
大きさ | 1〜1.5m程度 |
開花時期 | 9〜11月頃 ※地域によって異なる。 |
耐性 | 耐寒性:あり(普通) 耐暑性:あり |
活用法 | お茶、料理、ポプリ etc |
特徴
葉にそっと触れたり、茎を折ると、まるで熟したパイナップルのような甘くてトロピカルな香りがふわっと漂います。この芳醇な香りこそが「パイナップルセージ」という名前の由来です。

葉の表面は柔らかい毛に覆われており、触れると優しい感触が指先に伝わります。

鮮やかな赤い花は、細長い筒状で3〜4cmほどの長さがあり、庭やプランターを華やかに彩ります。その美しい見た目と香りが、観賞用としても食用としても人気を集める理由です。
活用方法
料理
パイナップルセージは、その甘く爽やかな香りと鮮やかな赤い花が、さまざまな料理にアクセントを加えます。
スープやソース
トマトスープやクリーム系のソースに加えると、深みのある風味が広がります。加熱することで香りがまろやかに変化するのも魅力です。
サラダやフルーツポンチ
みじん切りにした葉や花をサラダに加えると、フレッシュな香りと彩りが楽しめます。特に、フルーツポンチやヨーグルトには相性抜群です。
肉料理や魚料理
臭みを抑えつつ、ほんのり甘い風味で味わいを引き立てます。マリネやグリル料理にひとつまみ加えるだけで、一味違う仕上がりに。
ハーブバターやハーブオイル
バターやオリーブオイルに刻んだ葉を混ぜ込んでみましょう。パンに塗ったり、パスタや焼き野菜にかけたりすれば、香り豊かな一品が完成します。
ハーブティー
収穫したパイナップルセージの葉は、ハーブティーとして手軽に楽しめます。
淹れ方:フレッシュな葉を軽く揉んでから、または乾燥させた葉をカップに入れ、熱湯を注いで3〜5分蒸らすだけ。フルーティーな香りが立ち上り、心身ともにリラックスできます。
アレンジ方法:ミントやレモンバームなど、他のハーブとブレンドしても美味しいハーブティーが楽しめます。また、冷やしてアイスハーブティーにすれば、夏のリフレッシュドリンクとしてもおすすめです。
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パイナップルセージの育て方
パイナップルセージは、他のセージ類と同じように比較的簡単に育てられる丈夫なハーブです。適切な環境さえ整えれば、初心者でも元気に育てられます。
生育環境
日当たりと風通し:よく日の当たる場所で育てると、香りと花つきがよくなります。風通しのよい環境も病気予防には大切です。
水はけのよい土壌:根腐れを防ぐため、水はけの良い場所を選びましょう。庭植えの場合、軽く土を耕し、排水性を改善しておくと安心です。
苗から育てる方法
パイナップルセージは種の流通がほとんどなく、苗の取り扱いも限られています。園芸店で見つからない場合は、ネット通販を活用しましょう。
特におすすめなのは、寒冷地で丈夫な苗を育てている長野県上田市の「おぎはら植物園」です。初めての方でも冬越しに安心な苗が手に入ります。
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植え付け方法
庭に植える場合
- 株間の確保:品種によって異なりますが、標準的なパイナップルセージは45〜50cmの間隔をあけて植えるのが基本です。
- 小型種の場合:小型種の「ハニーメロン」などは30cm程度の間隔でも問題ありません。
鉢植えの場合
- 鉢の選び方:苗より一回り大きな鉢を用意し、生長にあわせて徐々に大きな鉢に移し替えましょう。根がよく張るため、1〜2年を目安に植え替えが必要です。

- 土の準備:市販の培養土(園芸用土)が手軽でおすすめですが、自分でブレンドする場合は「赤玉土(小〜中粒)7:腐葉土3」の配合が最適です。水はけと保水性のバランスがよく、根がしっかり育ちます。

日常管理
◆水やり
地植えの場合:一度根付いてしまえば、特別な水やりはほとんど必要ありません。自然の雨だけで十分育つため、過剰な水やりには注意しましょう。
鉢植えの場合:土の表面が乾いたら、鉢底から余分な水が流れ出るまでしっかりと水を与えます。ただし、パイナップルセージは乾燥気味の環境を好むため、水を与えすぎて根腐れを起こさないように注意が必要です。
◆剪定
春〜初夏の剪定:この時期に枝を短めに切り戻すことで、枝葉がしっかりと増え、秋にはより多くの花を咲かせます。
夏の風通しケア:気温が上がると、株の内部が蒸れてしまうことがあります。この場合、混み合った葉を剪定して風通しを良くすることが大切です。病害虫の予防にもつながります。
秋〜春の切り戻し:花が咲き終わった後、伸びすぎた枝を春までに短く切り戻すと、翌年の新しい生長が促進されます。
<剪定が初めての方へ>
剪定に不安がある場合は、次のポイントを押さえてください。
- 株元から15〜20cmほどの高さでカットすると、健康な新芽が出やすくなります。
- 枯れた葉や古い枝から優先的に取り除くことで、株全体が元気になります。
詳しい剪定の方法はこちらのページも参考にどうぞ
◆肥料
生育期の管理(春〜秋):活発に成長するこの時期には、2週間に1回を目安に液体肥料を与えましょう。これにより、葉や茎の成長がスムーズに進みます。
<お礼肥と芽出し肥>
芽出し肥:春先に新芽が出始めるタイミングで、根の成長を促すために緩効性肥料を施します。
お礼肥:花が咲き終わった後には、株の回復を助けるために緩効性肥料を与えてください。
肥料の基本については詳しく知りたい方は、下記のページも参考になさってください。

◆病害虫
アブラムシやハダニ:風通しが悪いとアブラムシやハダニが発生しやすくなります。特に新芽や葉の裏に付きやすいので、日常的にチェックしましょう。早期発見で被害を最小限に抑えられます。
カビの発生:高温多湿の環境では、葉にカビが生えたり、下葉から枯れてしまうことがあります。梅雨の時期や夏場は特に注意し、通気性を確保することが大切です。
<具体的な対策>
鉢植えの場合は、鉢を移動して風通しの良い場所に置くことで被害を防ぎます。また、定期的な剪定で株の内部に風が通るようにしましょう。
害虫を見つけた場合は、早めに手で取り除くか、水で洗い流してください。ひどい場合は、無農薬のハーブスプレーを活用すると安心です。
ハーブ栽培における害虫対策について知りたい方は、下記のページも参考になさってください。

最後に
今回は、鮮やかな赤い花とトロピカルな甘い香りが魅力の「パイナップルセージ」についてご紹介しました。
セージの仲間の中でも、その見た目と香りのインパクトは特別で、来客時には「何この素敵なハーブ?」と話題になること間違いなしの一品です。
食用や飲用にするのはもちろん、ただ鉢植えや庭に置くだけでも、香りと色彩で空間を明るくしてくれます。手軽に育てられるので、ぜひ皆さんも日常に取り入れてみてください。朝のハーブティーやリラックスタイムにふわりと漂う香りが、きっと癒しを与えてくれるはずです。
同じようにパイナップルの香りが楽しめるハーブには「パイナップルミント」などもあります。複数のハーブを組み合わせて育てることで、さらに多彩な香りを楽しむガーデニングもおすすめです。
