はじめてハーブを育てるならミントから! おすすめの理由や育て方、活用法

はじめに

日常にハーブがある生活」と聞くと、緑溢れるきれいなお庭で収穫を楽しみながら、晴れた昼下がりに優雅な気持ちでハーブティーや料理を満喫する、、そんな光景を想像しませんか?

筆者も以前は、勝手な先入観から「ハーブはなんだか敷居が高いもの」という感じがしていました。。

しかし、今の仕事に携わるようになってから、実はとても日常的且つ庶民的で、身近なものだということに気づきました。

大きなお庭がなくても、事前に園芸の知識がなくても、今日から誰でも気軽に育て始められる、それがハーブの素晴らしいところだと思っています。

特に今回ご紹介する「ミント」は、非常に生育旺盛で失敗しにくく、はじめてハーブを育てる方にはぴったりです。

ハーブのある暮らしに憧れる方、栽培はちょっとハードルが高そう、、と思っている方にとって、本記事が皆さんの背中を後押しするきっかけなれば嬉しい限りです。



ミントをおすすめする理由

「ミント」と一口に言っても、細かく分類していくと世界中には実に何百種類もの品種が存在しています。

一般的に知られているスペアミントやペパーミントをはじめとして、フルーツ系のアップルミントやパイナップルミント(←後ほど説明します)、また日本の在来種であるハッカなども同じミント類です。

とにかくバリエーション豊かなハーブで、それぞれの個性を楽しむために色々な品種をコレクションしたくなるほどです。


ハーブ初心者の方に「ミント」を奨めるのは、下記の理由からです。

▶︎どのハーブよりも「身近で親しみやすい
▶︎どのハーブよりも「育てやすい
▶︎どのハーブよりも「使いやすい



親しみやすい

以前私が働いていた苗屋さんでは、ミントだけでも年間30種類ほどの苗を扱っていました。

その中でも、一般的に私たちの生活の中で目にしたり口にしたりするミントは本当にごく一部の種類で、誰でも聞き覚えのある「スペアミント」や「ペパーミント」などはその代表格にもなっている品種です。


今では、お菓子、デンタルケア、化粧品、入浴剤、虫除けなど、様々な日用品や食品の原料として広く使われ、すでに私たちの日常生活において馴染み深いハーブです。

ハーブと言えば、まずアロマセラピーとかレストランの料理の添え物といった特別な場面をイメージする方が多いのですが、ミントは、知らず知らずのうちに私たちが日常の中で触れている最も身近な存在だと言えます。

初めてハーブを育てるという時に、あまり聞き覚えのないものは使い方もピンとこないですし、やはり普段から馴染みのあるもののほうが親近感が湧いて「やってみよう!」というモチベーションにもつながります。


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育てやすい

ミントをおすすめするもう一つの大きな理由は、なんと言ってもその育てやすさです。

ミントはよく「爆食系植物」とも言われます。

ガーデニングや家庭菜園をやっている方の中には「増えすぎて困るわ….」という方も多く、「ミントテロ」という過激な言葉もあるくらい繁殖能力に優れており、日向でも半日陰でも丈夫に育ちます


ほとんどのミントは、「地下茎」と呼ばれる茎を伸ばして増えていきます。

矢印の部分が地下茎です。

地下茎とは、その名の通り土中を這っていく茎のことで、その伸びた茎からまた新たな芽が地上部に出てくるという性質をもっています。

気付いた時にはあちらこちらから芽が噴き出し、想定外の場所にまで侵入していくので、これが「ミントテロ」と表現される理由です。

しかし、鉢やプランターで栽培することによって繁殖範囲を抑えることができますのでご安心ください。

このようにミント自体が生育旺盛なハーブであり失敗しにくい」という点も私がミントを推す理由の一つです。



使いやすい

色々な用途があることから、汎用性に優れているという点もミントの魅力です。

ハーブには種類と部位によって様々な用途がありますが、例えばネイティブアメリカンが古くから用いてきた「エキナセア」のように、花も根も茎葉も全部使えるようなと違い、ミントは主に葉っぱの部分を使用します。

使える部位が限られているにも関わらず、その用途は多岐にわたり、さらに日常的に使えるというのが嬉しいポイントです。


【ミントの主な用途】
・ハーブティー
・料理 
・入浴剤
・お酒
・ポプリ
・虫除け など

ほとんどの用途に対してそれとな〜く調和できちゃうのもミントの凄いところです!

例えば、ライムやミントを加えて作るキューバ発祥の「モヒート」というお酒。

一般的にはキューバミント(別名:イエルバブエナ)と呼ばれる種類を使うのですが、スペアミントやクールミントでも代用できますし、後ほど紹介する「フルーツ系のミント」を使っても美味しく作れます。

モヒートミントについて更に詳しく知りたい方は下記のページをご参照ください。

ミントの中には食用に適さないミントもあります。

ペニーロイヤルミント」は食べられない品種です。

このミントに含まれる「d-プレゴン」という物質には毒性があり、食べてしまうと嘔吐や発熱の原因になりますので、間違って摂取しないようにお気をつけください!



実際に育ててみよう!

それでは、実際に育ててみたいという方に向けて、ここから簡単に栽培方法について説明させていただきます。

様々な品種がありますが、どの品種でも育て方はほぼ共通しています。


お庭に地植えした場合、どうしても地下茎の広がりを抑えることが難しく、長期間放置すると色々な場所で芽を出し始めてしまいますので、ミントを育てたい方は鉢やプランターでの栽培をおすすめします。

鉢植えで育てることで、繁殖面積は鉢の大きさに留まりますので、想定以上に増えすぎることもなく安心です。


種まき&植え付け

生育環境としては、日当たりと風通し、水はけの良い場所を好みますが、一日の半分くらい日が当たる半日陰でも良く育ちます。

猛暑で直射日光に当たり続けると葉が葉焼けを起こすことがありますので、鉢植えの場合、夏の暑い時期は半日陰に移動するか、最初から半日陰の環境を選んで植え付けることをおすすめします。


<種子から育てる>
▶︎発芽温度は20℃前後。
▶︎春まきは4月〜6月頃、秋まきは9月〜10月頃です。
▶︎種子を均等にばら播き、ごくごく薄く(2mm〜3mm程度)覆土します。
▶︎日々、霧吹きなどでやさしく水やりを行い、日当たりの良い場所で乾燥しないように管理します。
▶︎環境にもよりますが、1〜2週間程度で発芽します。
▶︎発芽後は、発育の弱そうなものを間引き、良い芽だけを残していきます。
▶︎最終的に育てる株数が残るまで間引きを続けます。


<苗の植え付け>
苗から育てる場合、複数の株を植え付ける場合は、株間は20cm程度の間隔をあけて植え付けます。

鉢で一株だけ育てる場合は、7号鉢(直径21cm程度)のサイズを用意しておけば安心です。

はじめての鉢選びをされる方はこちらの記事も参考になさってください。

ミントは多年草ですので、年々株が大きくなってきます。鉢が窮屈になってくると根詰まりすることもありますので、その場合は更に大きな鉢に植え替えるか、または株分けして新しい鉢に移してあげましょう。



土は市販の元肥入り培養土(または、ハーブ用の土)で問題ありません。

ご自身でブレンドするのであれば、赤玉土7に対して腐葉土3くらいの割合がおすすめです。


日常管理

◆水やり
地植えの場合は、根付いた後の水やりは必要ありません

鉢植えの場合は、土の表面がやや乾いたらしっかりとあげてください。

梅雨の頃は過度な湿度で日照不足で徒長(※)しやすいので、水やりの回数は控えのほうがよいです。

※徒長(とちょう)
=健康な苗に比べて茎や枝がひょろっと細長い状態。水のやり過ぎや日照不足が原因。


梅雨のような時期の日常管理については下記の記事も参考になさって下さい。


◆剪定
生長してくると株の内部が蒸れてきます。

茎や葉が茂りすぎて窮屈になっている部分があれば剪定して風通しをよくしてあげましょう。

ミントは花が咲いてしまった後に葉や茎も硬くなり弱り始め、香りも徐々に薄くなっていきますので、花芽が出たら収穫も兼ねてすぐに摘み取りましょう。

また、7〜8月頃に地際から15cmほど残して刈り込んであげることで蒸れ防止と新芽の生長促進にもつながりますので、積極的に剪定しましょう。


剪定がはじめてという方は下記のページをご参照ください。


◆肥料
園芸用土を使った場合は元肥が入っているのでしばらくは肥料を入れる必要はありません

ミントは痩せた土地でも十分育ちますが、葉が黄ばみはじめたり生育不良になった場合は液体肥料などを利用して養分を補充しましょう。

今まで肥料を使ったことがないという方は、肥料の基本について簡単にまとめた記事を用意しておりますのであわせてご覧ください。



いつものミントに飽きてきたら

冒頭で、ミントには何百もの品種があるとお伝えしましたが、初めての方は無難にスペアミントやペパーミントから始めるのが良いでしょう。

使い道も様々ですし、香りや味もなんだか馴染み深いものがあります。

しかし、ミントをずっと育てていると、ちょっと変わった品種も試したくなってくるはず。

そんな時におすすめしたいのが「フルーツ系のミント」です!

フルーツ系のミントは、ミント独特の爽やかさにフルーツの風味が加わったような香りがして、匂いを嗅いでいるだけでも幸せな気分にさせてくれます。

もちろん、お好みに合わせてお料理やお茶としても利用できます。


【筆者おすすめのフルーツ系ミント5選】
・アップルミント
・グレープフルーツミント
・パイナップルミント
・バナナミント
・レモンミント

中でも「アップルミント」や「グレープフルーツミント」は非常に人気が高いです。
(個人的には、柔らかい甘さが香る「パイナップルミント」が一番好きです!)


ハーブ苗の専門店や大型の園芸店であれば取り扱いがあるかと思いますので、見つけたら店員さんにお願いして香りを嗅いでみてください。



高評価のおすすめ苗↓↓


増えすぎてしまったら

ミントは生育旺盛だとご説明しましたが、万が一増えすぎてしまった場合は以下の方法で大量に消費したり、保存して長く楽しめます。


①入浴剤として使う

収穫は茎ごとバサっと切って構いません。土や汚れが付着していたらサッと水に潜らせて洗浄します。その後、大体同じ長さに揃えたら束ねたら、あとはお湯を張る前からバスタブに入れておくだけです。

自宅で簡単にハーブバスが楽しめます。特に夏場のミント風呂はスッキリ爽快で気持ち良いです!



②乾燥して長期保存

普段からハーブティーを飲む方でも、採れすぎたものを一気に消費するのは難しいですよね。

ミントは生の葉を冷凍保存することもできますが、適度な保存期間としては約1ヶ月ほどです。

もしそれ以上に日持ちさせたい場合はドライ加工することをお勧めします。

ドライ加工して冷暗所で保管すれば3〜6ヶ月程度は問題なくクオリティーが保てます。


天日干しする場合は、日本の高温多湿気候が影響して中々水分が抜けにくく、更にはカビの原因になることもあります。

フードドライヤーがあれば、加工後のカビの心配もなく安心して長期保存が可能です。

<参考商品>




最後に

ミントは非常に品種の多いハーブですが、それぞれに特別な個性があり、その個性を活かした楽しみ方ができるのも嬉しい点です。

お庭でも鉢植えでも丈夫に育ち、普段からミント水を作って気軽に楽しむことができるハーブですので、是非一度栽培に挑戦してみて下さい。


美味しいミント水とおすすめの品種は下記のページで詳しくご覧いただけます。


本記事でご紹介したアップルミントやパイナップルミント、ペニーロイヤルミントについては、下記のページで特徴や育て方などを詳しく解説しておりますので、ご興味ある方はあわせてご覧ください。



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暮らしとハーブ
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