はじめに
小さい頃にもっと植物や動物に触れてほしいな・・と思っている親御さん、結構多いのではないでしょうか。
一昔前とは違って、今はゲームや音楽がスマホひとつで簡単に手に入り、ワンクリックで好きな映画や番組を数珠繋ぎで観れるような時代になりました。
つまり、四六時中、自分の好きなエンタメに興ずることができるというわけです。以前とは比べ物にならない量の情報と遊びのツールがある環境に生きている、それが今の子供たちです。
時代が変わるにつれて、必然的に子供たちの遊び方や質も変わってきました。
昔は、子供が”遊ぶ”といえば、「外に出かける=野外活動」というのが定番でした。何をするわけでもなく、ただそこにいるヒトやモノを使ってクリエイティブに時間を過ごす。特に意識はせずとも自然に触れていたような、そんな気がします。
私は、自然と過ごす時間で育まれる感性は、大人になってからも素晴らしい心の財産として残ると信じています。
たとえそれが小さな鉢植えの花でも。芽が出た時の感動、花が咲いた時の喜び、枯れた時の悲しみ、お父さんやお母さんと一緒に水やりをした何気ない時間、そんな瞬間瞬間が人の心を育てるのではと思っています。
もし、皆さんが子供に対して「植物に触れたり興味をもってもらいたい」と思っているのであれば、是非、お子さん自ら興味を持ちそうな植物を一つ選び、そして一緒になって育ててみてください。
この記事では、苗屋さんで働いていた頃の経験をもとに、子供たちが絶対に興味を持つ!と確信した植物、「ラムズイヤー」についてご紹介いたします。
子供に人気の秘密
ラムズイヤーはシソ科の多年草ハーブです。
ハーブとはいえ、何か効能や強い香りがするわけでもないので、主に観賞用として用いられます。
ラムズイヤー = lamb’s ear(子ヒツジの耳)
という名称からもわかるように、何よりも際立った最大の特徴と言えば、ヒツジの耳やぬいぐるみのようなフワフワとした茎葉の感触です。
そして、子供たちを虜にするのはこの手触り!
植物の葉っぱというのは実に個性豊かで、触ってみると見た目も質感も匂いもそれぞれ全く違うということがわかります。
特にこのラムズイヤーは葉の個性が強いでの、子供たちが興味をもつ良いきっかけになると思います!
花が咲くとさらに羊っぽい!?
ラムズイヤーは、春から夏にかけて紫色の花を咲かせます。
その立ち姿・・・葉っぱがなんだか垂れた耳のようで、やっぱり羊っぽいなと私は思うのですが、皆さんいかがでしょうか?
ネットでも苗が購入できます
初めての方は種子から育てるのは少し難易度が上がりますので、苗から育てるのをオススメします。
苗の状態ですと、すぐにでも葉っぱのフワフワを楽しめますので、子供たちもすぐに興味を示します。
苗はネット通販で300円〜500円程度で購入できます(もちろん種子からチャレンジしたい方は種子も購入できます)。
園芸店が近くにある方は、是非実際にお子さんと一緒にお店に行って実際の苗を見せてあげてください。可能であれば、店員さんに声をかけて少し葉っぱを触らせてもらえれば、もうラムズイヤーの虜です!
早速ラムズイヤーの苗を取り寄せてみよう!検索キーワード入力なしでラムズイヤーの苗をチェックできます(リンク先:楽天市場)鉢植えでもOK
ラムズイヤーは鉢植えでも育てることができます。
鉢は苗よりも2回りほど大きめのものに、園芸用の土を入れて植え付け箇所に穴を掘って植えるだけ!
短時間で済む作業ですので、土に触れながら子供と過ごす時間を楽しんでみましょう。
生長するに従って、株は大きくなっていきますので、鉢が窮屈になってきた頃に更に大きな鉢に植え替えてあげましょう。
掘り上げて、根を切り分け、「株分け」すればいくつかの鉢に分けて植えることもできます。株が若返り生育がよくなりますし、増えた分はお友達に分けてあげても喜ばれます!
日常管理はどうするの?
日頃の手入れについて、あまり細かく説明してしまうと子供のやる気を削いでしまうので、まずは簡単に要点だけお伝えします。
- 湿気で弱りやすいので、日当たりがよく、風通しが良い場所に置いてあげましょう。
- 暑くなりすぎないように、(特に夏場は)半日陰に移しましょう。
- 乾燥気味の土を好みますので、水やりはほどほどに。
- 花が咲き終わったら茎の根元からばっさりと切り、風通しを良くしましょう。
水やりのコツは下記のページで詳しく説明しています。
活用法
ラムズイヤーは食用には適していませんが、シルバーグリーンの葉がとても美しく、クラフトの材料として非常に優秀です。
切り花やドライフラワーとして利用しても良いですし、リース作りの材料としてもおすすめです。
育て始めの頃に、「収穫できたら一緒にリースを作ろう!」という目標を立てれば、きっとお子さんのモチベーション維持にもつながると思います。
最後に
大人だけでなく子供たちにも園芸の楽しさを知ってもらい、感性を育むきっかけにしてほしいというが、私がこのサイトを立ち上げた理由の一つです。
余談になりますが、以前、私がサラリーマンとして働いていた頃、鬱状態と診断されクリニックに通った経験があります。
そんな時、ちょっとしたことがきっかけで、定期的に田んぼや畑で作業をしながら、植物に触れる機会に恵まれました。
定期的にそのような機会を得ることができた私は、結果的にクリニックから処方されていた薬を一切飲まず、一年もしないうちに心身共に健康な自分に戻っていました。
今思えば、土の匂いや感触、植物のもつ美しさ、そういった様々なものが私の中の生きる感覚を徐々に呼び覚まし回復に向かわせてくれたのだと思っています。
ストレス社会とはいえ、ちょっとした場所に癒しは存在しています。そして生きる力強さも与えてくれます。
植物を育てるということが、新たに子供たちの娯楽の選択肢に加わることを切に願っています。