はじめに
爽やかでシャープな香り、甘いフルーツ系の香りなど、ミントには実に様々な種類がありますが、今回ご紹介するのはその中でもお酒との相性抜群の「イエルバブエナ」という品種のミントです。
イエルバブエナは「モヒートミント」や「キューバミント」とも呼ばれ、キューバ発祥のカクテル『モヒート』によく利用されるハーブです。
筆者が園芸店に勤務していた頃にも、夏が近づくとモヒート作りをしたいという多くの方たちが苗を探しによく来店されていました。
本記事では、そんなイエルバブエナの特徴や育て方、モヒートの作り方、モヒート以外での使い方について解説していきたいと思います!
イエルバブエナについて
基本情報
イエルバブエナ
学名 | Mentha Nemorosa |
別名 | モヒートミント、 キューバミント etc |
原産 | 中南米 |
科名 | シソ科ハッカ属 |
分類 | 多年草 |
大きさ | 30〜60cm程度 |
開花時期 | 7〜9月頃 |
耐性 | 耐寒性:あり 耐暑性:あり |
活用法 | お酒、お茶、お風呂 etc |
イエルバブエナはスペアミントと丸葉系のミント(アップルミントやパイナップルミント)の交配種です。
2005年頃まではキューバ国内での流通にとどまっていましたが、その後はアメリカをはじめとして世界的に広まっていきました。
カクテルのモヒート自体は、イエルバブエナが入手できるようになる以前から日本国内でも楽しまれていましたが、主にスペアミントなどを代用して作られていました。
他のミント同様に、生育旺盛で繁殖力が強く、比較的大きめの葉が特徴です。
夏から初秋にかけて開花期を迎え、シソ科特有の唇形花を咲かせますが、開花してしまうと葉が硬くなり香りも落ちてきますので、通常は花芽がついたらすぐに切り落としてしまいます。
活用方法
イエルバブエナは下記のような目的に利用することができます。
① お酒(モヒート)の材料に
最も広く知られているのが「モヒート」の材料としての利用です。
作り方には様々なバリエーションがありますが、基本的には下記の材料を用意すれば簡単に家庭でもモヒートを楽しむことができます。
【材料】
▶︎イエルバブエナ(生葉)
▶︎グラニュー糖
▶︎ライム
▶︎炭酸水
▶︎氷
▶︎ラム酒
※家庭で楽しむ場合は、好みによって量は適度に調整しましょう。
※ラム酒を使わずに作ればノンアルコールモヒートになります。
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本場のキューバモヒートは、下記の動画が非常にシンプルで分かりやすかったのでご紹介させていただきます。
② 料理のお供に
脂っこい肉料理との相性が良く、口直しとして付け合わせのサラダに少量混ぜ込んだり、ミントウォーターにして食事時の水分補給に飲むのもおすすめです。
茎の部分には若干苦味があるので、サラダの具として使う場合は葉だけを摘んで使用しましょう。
他にもミントウォーターにぴったりの品種がありますので、ご興味ある方は下記のページもあわせてご覧ください。
③ お風呂
生育旺盛なミントですので、最盛期にはたくさん収穫することができます。
特に開花直前の時期(6〜7月頃)は最も香りが強くなり、収穫したものをお風呂に入れれば、爽快感を楽しみつつ夏バテ防止としても重宝します。
使い方は下記の通りです。
①収穫 → 茎ごと剪定バサミで摘み取る。
②束ねる → お好みの量を輪ゴムや紐で縛る。
③洗浄 → 土や埃を水で洗い流す。
④浴槽に投入 → お湯を張る前から浴槽に入れておく。
⑤浴槽にお湯を張って完成!
・束ねるハーブの量は、浴槽の大きさや香りの強さに合わせお好みで調節してください。
・葉が茎から取れて浴槽内が散らかってしまうことがありますので、布袋や洗濯ネットなどに入れて使用しましょう。
イエルバブエナを育ててみよう!
種まき&植え付け
生育環境としては、日当たりと風通し、水はけの良い場所を好みます。
ただし、西陽が強すぎたり直射日光に当たり続けると葉が硬くなり日焼けを起こすことがあります。
鉢植えの場合、夏の暑い時期は半日陰に移動するか、最初から半日陰の環境を選んで植え付けることをおすすめします。
<種子から育てる>
▶︎発芽温度は20〜25℃前後。
▶︎春まきは3〜5月頃、秋まきは9〜10月頃です。
▶︎地面に直接播いても良いですし、育苗ポットに播いても良いです。
▶︎種子をばら播きするように薄く均等に播き、ごく薄く(2〜3mm程度)覆土して、日当たりの良い場所で乾燥しないように管理します。
▶︎環境にもよりますが、2週間前後で発芽します。
▶︎育苗中の水やりは、種子が流れないように霧吹きなどを使用すると便利です。
▶︎発芽後は混み合った部分を間引きしながら生育の良い芽だけを残していきます。
(最終的に苗と苗の間隔が15cm程度になるまで間引きます。)
▶︎育苗ポットに播いた場合は、本葉が4〜5枚になったら地面に定植します。
<苗の植え付け>
複数の株を植え付ける場合は、株間は15〜20cm程度の間隔をあけて植え付けます。
鉢で一株だけ育てる場合は、7〜8号鉢(直径21〜24cm程度)以上のサイズを用意しておけば安心です。
株が大きくなって鉢が窮屈になってくると根詰まりすることもありますので、様子次第で1〜2年経ったら更に大きな鉢に植え替えるか、または株分けして複数の鉢に分けて植え直しましょう。
土は市販の培養土で問題ありません。
ご自身でブレンドするのであれば小粒の赤玉土7と腐葉土3の割合で配合するのがおすすめです。
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日常管理
◆水やり
地植えの場合、根付いた後の水やりは必要ありません。
鉢植えの場合は、土の表面がやや乾いたら鉢底から余分な水分が流れ出るくらいしっかりとあげてください。
※高温で乾燥する時期にはハダニ防除の為に葉水をかけましょう。朝や夕方の涼しい時間帯に、葉の表と裏にシャワーで水をかけてあげます。
ハーブの水やりについて更に詳しく知りたい方は下記のページもご参照ください。
◆剪定
生育旺盛な時期は、収穫と株蒸れ防止のため積極的に切り戻しをしましょう。
花が咲くと葉が硬くなり、香りも弱くなってきますので、花芽がついたらなるべく早めに切り落としましょう。
剪定が初めてという方は下記のページもあわせてご覧ください。
◆肥料
園芸用土を使った場合は元肥が入っているのでしばらくは肥料を入れる必要はありません。
痩せた土地でも丈夫に育ちますので、特に追肥は必要としませんが、鉢植えの場合は生育期(6〜8月頃)に2週間に1回程度、液体肥料で養分を補うことで生育が順調に進みます。
◆病害虫
風通しが悪くなることによりアブラムシやハダニが発生することがあります。日々チェックして発見したら早めに駆除します。
ハーブ栽培における害虫対策について知りたい方は下記のページを参考になさってください。
最後に
今回は「イエルバブエナ」の特徴や育て方についてご紹介いたしました。
モヒートなどの冷たいドリンクに使用したり、バスハーブとして利用することで、夏場のリフレッシュにぴったりなミントですので是非一度ご家庭で育ててその魅力に触れていただければ幸いです。
イエルバブエナの他にもお酒との相性が良いハーブがたくさんありますので、ご興味ある方は下記のページもあわせてご覧ください。