はじめに
自宅でガーデニングや家庭菜園を始める際に、皆さんはどんなお店で必要な道具を揃えていますか?
株式会社サカタのタネのホームページに掲載されている調査結果(2016〜2017年調べ)によると、第一位はダントツで「ホームセンター」(全体の74%)、次に「園芸・花の専門店」(全体の16%)という結果が出ています。
しかし今では、ホームセンターや園芸店でしか買えなかったものが、100円ショップでも手軽に購入でき、ハサミや手袋といった基本的なアイテム以外にもプランターや肥料など品揃えが豊富で、しかも安く購入することができるようになりました。
また、コロナ禍で”おうち需要”が増加するに伴い、ネット通販を利用して必要な資材をお取り寄せする方も増えたようです。
但し、100円ショップに色々なアイテムが揃っているとはいえ、園芸店が取り扱っているような様々な品種のタネや苗を購入することは困難ですし、ネット通販の場合は、事前に苗の状態を自分の目で確かめて購入することは困難です。
様々なお店で道具を揃えられるのは嬉しいことですが、どこで買うのが一番お得なのか、もしくは安心なのか迷う方も多いのではないでしょうか。
本ページは、ホームセンター・園芸専門店・100円ショップ・ネット通販の4つのカテゴリーに分けて、皆さんがどこでどんな園芸用具を買い揃えるがベストなのか、筆者の考察をもとにご紹介していきたいと思います。
お店ごとのメリット&デメリット
園芸用具を購入するにあたり、ホームセンター、園芸専門店、100円ショップ、ネット通販、にそれぞれメリットやデメリットがあります。
ここでは「価格」「品揃え」「熟練度」「品質」「手軽さ」という項目に分けて、それぞれの特徴をレーダーチャートで示したいと思います。
【各項目の説明】
・価格
=お財布に優しいか(数値が高いほど安い)
・品揃え
=デザインや機能性などの選択肢が多いか
・熟練度
=店員さんの園芸に対する知識が豊富か、相談できる環境があるか
・品質
=取扱商品のクオリティーは高いか
・手軽さ
=気軽に利用できるか
ホームセンター
【メリット】
▷苗やタネだけでなく、肥料やその他道具も一気に揃えることができ、ついでに日用品も買える。
▷利便性が高い(駐車場完備、配達サービスetc)。
▷商品の量や選択肢が多い。
【デメリット】
▶︎車がないと荷物を持ち帰るのが大変な場合がある。(特に都心部の場合)
▶︎園芸専門のスタッフが少ない。
▶︎苗の管理状態に多少不安な場合がある。
現在日本全国には4800件以上のホームセンターが存在します。
特に近年はDIYの普及に伴い、年々その数は増えており、各企業で日々様々なオリジナル商品やアイデア商品が生み出されています。
(データ参照元:一般社団法人 日本DIY・ホームセンター協会)
利便性が非常に高く、とにかく品揃えが豊富というのが一番の特徴です。
園芸用具以外の日用品などもついでに購入できるという点、そして駐車場を完備しているところが多いという点も大きな特徴と言えます。
店舗によっては、購入した商品の配送や、軽トラックの貸し出しといったサービスも充実しています。
ただし、苗に関しては、品数は多いものの専門店ほど多くの品種を取り揃えているわけではありません。
また、店舗によっては園芸知識のあるスタッフが常駐しておらず適切なアドバイスを受けられない場合もあります。
ホームセンターで苗を購入する場合は下記の記事も参考になさってください。
園芸専門店
【メリット】
▷苗やタネの種類が豊富。
▷知識が豊富なスタッフが多く、育て方や管理の仕方を丁寧に教えてくれる。
▷植物の日常管理がしっかりと行われている。
【デメリット】
▶︎道具類は価格が高め。
▶︎店舗が身近にない場合が多い。
▶︎駐車場がない店舗も多く、たくさん買い物するような時はちょっと不便に感じる。
昔から「餅は餅屋」というくらいですから、やはり植物のことは園芸専門店にはかないません。
様々な品種の苗やタネは当然取り揃えていますし、働いているスタッフは植物やガーデニングが好きな方がほとんどです。
普段から実地で植物に関わっているだけあって、知識量も豊富で、育て方やお手入れの悩みがあれば親身になって相談に乗ってくれることが多いです。
地域密着型のお店であれば、お住まいの地域の気候に合わせた適切なアドバイスがもらえることもあります。
また、苗物はプロ目線でしっかり日常管理している為、健康なものを安心して購入することができます。
一方で、プランターやその他の道具は仕入れ販売しているところが殆どですので、特に個人経営のお店は発注ロットも少ないため、販売価格がホームセンターに比べると割高になるケースが多いです。
100円ショップ
【メリット】
▷商品の価格がとにかく安い。
▷店舗数が多く気軽に買いに行ける。
▷ついでに日用品も購入できる。
【デメリット】
▶︎園芸知識のあるスタッフがいない。
▶︎苗やタネの取り扱いは殆どない。
▶︎道具系は選択肢が少ない。
2025年には全国で1万店を超えるのではと予測されている100円ショップは、ダイソーとセリアを中心に激しい出店競争が続いています。
店舗数はさることながら、商品のバリエーションも以前の比にならないほど充実しており、最近では、移植コテや剪定ばさみなど、園芸の必須アイテムも販売しています。
お店によっては300円程度で観葉植物や多肉植物なども購入することができ、これまで園芸店でしか買えなかったものが安価で入手できるようになりました。
100円ショップの大きなメリットは、やはりその商品価格にあります。
例えば、「ちょっと植物でも育ててみるか〜」と思い立ち、下記のアイテムを購入したとします。
・小さめのプランター(プラスチック製)
・園芸用土
・ハンドスコップ
・軍手
・水差し(ジョウロ)
この5つのアイテムをホームセンターで購入した場合、かなり安く見積もったとしても2,000円前後はかかるでしょう。しかし、これらを全て100円ショップで購入した場合には、なんと計550円!!
とにかく価格面では100円ショップに太刀打ちできるところはないというわけです。
しかし、100円ショップで扱う園芸アイテムは、サイズやデザインの選択肢は少ないという傾向があります。
また、お店の性質上、店員さんは園芸の専門知識があるわけではないので、色々と相談することはほぼ不可能に近いです。
ネット通販
【メリット】
▷苗やタネ、園芸用品、殆どのものが購入できる。
▷直接専門店から取り寄せることができる。
▷出かける必要がない。
【デメリット】
▶︎商品代金にプラスで送料がかかる。
▶︎手元に届くまで実物を見ることができない。
▶︎その場で相談することができない。
現在、大手ネット通販サイトでは、”見つからないもののほうが少ない”と言われるくらい膨大な数の商品が販売されています。
園芸用具に関しても例外ではなく、ありとあらゆるものが手に入り、好み合った機能やデザインのものを簡単に検索することができます。
品揃えと手軽さにおいて、ネット通販に勝るところはないでしょう。
また、栽培を専門としている農家の方が通販サイトを通じて苗物を直販している場合もあるので、わざわざお店に出向くことなく信頼度の高い健康的な苗を遠方から入手することも可能です。
しかし、苗を購入する際に自分の目で確かめたいという方にとって、ネット通販は実物を確認できないという点がデメリットになります。
また、対面の接客がないので、その場で色々と相談することができないというのもデメリットになるでしょう。
下記のページはネットショップで苗を購入するメリットとデメリットについてまとめた記事です。ご興味ある方はあわせてご覧ください。
最後に
今回の記事では、ホームセンター・園芸店・100円ショップ・ネット通販のメリットとデメリットについて解説しました。
ホームセンターはアイテム全般に強い為、品質も品揃えも豊富で全部一箇所で揃えたいという方にはベストな場所です。
栽培に関連するアイテム(苗や肥料など)は園芸専門店でプロの店員さんに相談しながら購入するのが一番安心ですし、ちょっとした道具は100円ショップで十分安く揃えることができます。
あまり手間をかけずに楽に揃えたいのであればネット通販を利用すれば、デザイン性や機能性の優れたものを外出することなく購入することが可能です。
本記事がこれからお店選びをする皆さんの一助となれば幸いです。