はじめに
ステーキやローストビーフの付け合わせとしておなじみのクレソンは、爽やかな風味とピリッとした辛みが魅力のハーブです。
最近では、野菜コーナーで見かける機会も増え、家庭でも気軽に取り入れられる食材として人気が高まっています。一昔前までは「レストランの料理に添えられるだけの葉っぱ」といった印象が強かったクレソンですが、現在ではその手軽さと使い勝手の良さから家庭料理の定番になりつつあります。
そんなクレソンは、水辺に自生する植物として知られていますが、果たして家庭での栽培は可能なのでしょうか?
この記事では、クレソンの特徴や家庭での育て方について詳しく解説します。
クレソンについて
基本情報
クレソン
学名 | Nasturtium officinale |
別名 | ウォータークレス、 ミズガラシ etc |
原産 | ヨーロッパ中部 |
科名 | アブラナ科オランダガラシ属 |
分類 | 多年草 |
大きさ | 20〜60cm程度 |
開花時期 | 4〜6月頃 |
耐性 | 耐寒性:あり 耐暑性:あり |
活用法 | 主に料理、お茶 |
「クレソン(cresson)」はフランス語で、英語では「ウォータークレス(Watercress)」と言います。
明治時代に伝来して帰化したとされるクレソンは、その後西洋文化の広がりとともに国内でも徐々に栽培されるようになりました。
カリウムや食物繊維、ビタミン類が豊富に含まれ、アメリカの疾病予防センター(CDC)が発表した「栄養素密度の高い果物と野菜 トップ41」では第一位に挙げられています。
(参考サイト:「Defining Powerhouse Fruits and Vegetables : A Nutrient Density Approach」by Centers for Disease Control and Prevention)
野生化するほど生育旺盛で、栄養価豊富な野菜とされる一方で、野生化した種が繁殖しすぎて迷惑な外来種として扱われることもあります。
本来は綺麗な澄んだ水辺で育ちますが、その強さ故に淀んだ水でも難無く育っているのを見かけることがあります。
春になると、茎の先に小さくて白い花を密集して咲かせます。
花の大きさは5〜6mm程度の大きさで殆ど目立ちませんが、よく観察すると本当に可愛らしい姿をしています!
活用方法
① 料理
肉料理に定番の付け合わせとしてぴったりなクレソンはアルカリ性食品。
他にも魚料理や卵料理などとあわせて摂取することで、酸性を中和してくれる働きをします。
他にも炒め物や天ぷら、サラダやおひたしなど、ジャンルや調理法を問わず幅広い使い方ができるのも魅力です。
下記のページでは、ハーブを料理するときに便利なアイテムをご紹介しています。ご興味ある方はあわせてご覧ください。
② お茶
あまり知られていないですが、クレソンはお茶としても楽しむことができます。
爽やかな風味と少し苦味があるのが特徴で、胃腸の働きを良くして食欲増進のために、抗酸化作用を活かして美容とアンチエイジングにおすすめです。
ポットにたっぷりのクレソンを入れてお湯を注ぐだけですが、単体で飲みにくい場合は他のハーブとブレンドして楽しみましょう。
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クレソンを育ててみよう!
主に水辺に生育するクレソンですが、一般的なハーブと同じように鉢やプランターでも栽培することができます。
種まき&植え付け
日当たりの良い場所を好みますが、一日の半分くらい日が当たる半日陰でも良く育ちます。
一株だけ栽培する場合は6〜7号サイズの鉢、複数の株を育てる場合は箱型のプランターを用意しましょう。
はじめて栽培される方は、鉢選びの参考として下記の記事をご参照ください。
<種子から育てる>
▶︎発芽温度は20℃前後。
▶︎春まきは4〜5月頃、秋まきは9〜10月頃です。
▶︎直播き(点まき)で、間引きながら育てていきます。
▶︎好光性種子(※)ですので、覆土は全くしないか、ごく薄く2〜3mm程度にします。
▶︎発芽までは土が乾かないように、霧吹きを利用して水やりをおこないます。
▶︎栽培環境によりますが、1週間前後で発芽します。
はじめて種まきにチャレンジする方は、下記の記事を参考になさってください。
※好光性種子について詳しく知りたい方は下記のページをご参照ください。
クレソンの苗や種はこちらから
<苗の植え付け>
苗から育てる、もしくは複数の株を育てる場合は、株と株の間に15〜20cm位程度の間隔をあけましょう。
市販品であれば、元肥入りの培養土やハーブの土で問題なく育ちます。
ご自身でブレンドするのであれば小粒の赤玉土7に対して腐葉土3の割合がおすすめです。
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◆水やり
クレソンの栽培で非常に重要なことは水分コントロールです。
一般的なハーブは高温多湿に弱い傾向があるので、「土の表面が乾いたら水やりをする」というのが基本です。
しかし、クレソンの場合は元々水辺に育つ植物ということもあり水切れには注意が必要です。
土の表面がやや乾いてきた頃にはたっぷり水を与え、日常的に湿度を保てるようにしましょう。
◆剪定
生育旺盛な時期になると、株元の土が見えなくなるほど茎葉が繁ってきます。
あまり密集した状態が続くと生育不良や根腐れを引き起こしますので、剪定も兼ねてどんどん収穫しながら食べましょう。
花が咲くと生育速度が落ちますので、花芽は見つけ次第早めに摘み取ってしまいます。
◆肥料
市販の培養土を使った場合は元肥が入っているのでしばらくは肥料を入れる必要はありませんが、生育旺盛な時期は液体肥料などで養分を補充しましょう。
今まで肥料を使ったことがないという方は、肥料の基本についてまとめた記事を用意しましたのであわせてご覧ください。
◆病害虫
比較的病害虫には強いですが、アブラムシやハダニがつくことがあり、短期間でも被害が大きくなりますので日々観察して見つけ次第早めに駆除しましょう。
害虫の予防と駆除に関しては下記のページを参考になさってください。
収穫
基本的には茎が15〜20cmくらいになったらいつでも収穫可能です。
柔らかくて食味も良い茎先の若葉を中心に収穫しましょう。
先端の若い部分を中心に収穫していくことで脇芽の生長も促進されますので、特に生育期には積極的に収穫を行い株を大きくしていきます。
たくさん収穫して食べきれないという時は、冷蔵庫や冷凍庫で保存可能です。
冷蔵の場合
▶︎水を入れたコップを用意して、クレソンを縦にして茎の切り口を水にさします。茎葉がなるべく空気に触れないように全体にポリ袋をかぶせて野菜室で保管すると1週間程度は鮮度が保てます。
冷凍の場合
▶︎収穫したクレソンを軽く洗い、ペーパータオルで水分を拭き取ります。使いやすい大きさに切ったらフリーザーバッグに重なりすぎないように詰めて冷凍庫で保存します。1ヶ月程度は保存可能です。
最後に
今回は、栄養価が非常に高く、家庭でも簡単に育てられる「クレソン」についてご紹介しました。
これまで肉料理の付け合わせとして楽しんでいた方も、今回の記事を参考に色々な料理の素材として、家庭で育てながら更にその魅力に触れていただければと思います。
クレソンの他にも、家庭で育てられる様々なキッチンハーブがありますので、栽培にチャレンジしてみたい方は下記の記事も是非参考になさってください。