はじめに
ハーブの中でも非常に種類の多い「タイム」、その中でも見た目が美しく、香りも特徴的、用途も様々という品種「ゴールデンレモンタイム」を今回ご紹介いたします。
タイムといえば、肉料理や魚料理に限らず色々な料理と相性が良いハーブとして親しまれており、スパイシーで爽やかな香りが特徴ですが、タイム独特の香りが「ちょっと苦手…」という方もいらっしゃるようで、結構好みが分かれるハーブでもあります。
一般的に料理やお茶として親しまれているコモン品種と比べて、ゴールデンレモンタイムは爽やかな柑橘系の香りが強く、万人受けしやすいタイムです。
ご家庭でも鉢植えで簡単に育てられますので、本記事を参考に是非ご家庭でも栽培にチャレンジしてみてください。
ゴールデンレモンタイムってどんな植物?
基本情報
ゴールデンレモンタイム
学名 | Thymus x citrodorus ‘Aureus’ |
別名 | アウレウス・レモンタイム |
原産 | 地中海沿岸地域 |
科名 | シソ科イブキジャコウソウ属 |
分類 | 多年草 |
大きさ | 20〜30cm程度 |
開花時期 | 5〜6月頃 |
耐性 | 耐寒性:あり 耐暑性:あり |
活用法 | ハーブティー、料理、 観賞、グランドカバー etc |
レモンタイムとの違い
「ゴールデンレモンタイム」は、レモンタイムの品種の一つです。
「レモンタイム」自体は、コモンタイムとラージタイム(オレガノタイム)の交配種の総称であり、何か特定の品種の呼称ではありません。
レモンタイムと呼ばれる品種は、他にも「ドーンバレータイム」や「シルバークインタイム」などが挙げられます。
流通するときは「レモンタイム」と呼ばれる場合と、具体的な品種名で呼ばれる場合があります。
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ゴールデンレモンタイムの一番の特徴は、レモンの香りと黄色に縁取られた葉です。
光に照らされると金色のようにも見える斑入りの葉は、ガーデン素材としても非常に優秀で、ボーダーの植栽やグランドカバーとしてもおすすめです。
他のハーブと寄せ植えにすることで色彩のアクセントになり、通常の緑葉よりも明るく華やかな雰囲気を演出してくれます。
大きく生長しても草丈は20〜30cm程度ですので、他の草花の存在を邪魔することなく、寄せ植え素材としても大変重宝します。
活用方法
ゴールデンレモンタイムは、主に下記のような目的に利用することができます。
① ハーブティー
摘み取った茎葉を軽く洗い、そのままティーポットに入れてお湯を注ぎ、5分程度蒸らせば出来上がりです。
レモンの風味があることで、一般的なコモンタイムのお茶よりもまろやかで飲みやすいお茶になります。
もし他のレモン系ハーブも用意できるようでしたら、レモングラスやレモンバーベナと合わせてもしっかりマッチします。
ちなみに筆者は、日々少しずつ収穫して、日常的に飲んでいるほうじ茶にそのまま入れレモンの香りを楽しんでいます♪
最初はあまり香りがしませんが、しばらく浸けておくと徐々にほんのりとしたレモンの香りが漂ってきます。
② 料理
通常のタイムと同じように肉料理や魚料理の臭み消しに使える他、斑入りの珍しい色合いを活かしてメインディッシュの飾り付けやデザートやドリンクのトッピングとして添えるのもおすすめです。
レモンのような風味を活かして手作りドレッシングの具材としても楽しめます。
ゴールデンレモンタイムの他にもデザートやドリンクのトッピングにお勧めのハーブがたくさんあります。よろしければ下記のページも参考になさってください。
③ お風呂
非常に生育旺盛なハーブですので、もし庭や広い土地でたくさん収穫できた場合には、茎ごと刈り取ってハーブバスとして利用できます。
苗を植え付けた最初の年は収穫量が少ないですが、しっかり株を大きくしていけば翌年から収穫量が増えていきます。
レモンのような爽やかな香りの奥にほのかなタイムのスパイシーさもあり、リラックス効果と殺菌効果でストレス発散とリフレッシュしたい時におすすめです。
使い方は下記の通りです。
①収穫 → 茎ごとバサミで刈り取ります。
②束ねる → お好みの量で揃えて輪ゴムで縛ります。
③洗浄 → 土や埃を水で軽く洗い流します。
④浴槽に投入 → お湯を張る前から浴槽に入れておきます。
⑤浴槽にお湯を張って完成です。
・使用する量は、浴槽の大きさや香りの強さに合わせお好みで調節してください。
・葉が茎から取れて浴槽内が散らかってしまう場合がありますので、使用する際は布袋やネットなどに入れて使用しましょう。
④ ポプリ
乾燥させた葉や茎はポプリやサシェとしても利用可能です。乾燥させることで香りが薄れますので、単体で使用するよりは他のドライハーブとブレンドして使用しましょう。
ゴールデンレモンタイムを育ててみよう!
植え付け
生育環境としては、日当たりと風通し、水はけが良い場所を好みます。
他のハーブよりも乾燥気味を好み、高温多湿の状態が続くと部分的に黒ずんでくるので、水のやりすぎにも注意が必要です。
水分過多は根腐れの原因になるので要注意!
一般的なコモンタイムと違い、国内ではほとんど種が流通していないため、苗を購入して育てることになります。
株分けで増やすこともできますので、友人や知人育てている方がいれば、少し分けていただくのも良いでしょう。
苗も一部の園芸店でしか取り扱っていませんので、取り寄せる場合はネット通販を利用してみてください。
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<苗の植え付け>
複数の株を植え付ける場合は、株間は20cm程度の間隔をあけて植え付けます。
鉢で一株だけ育てる場合、6〜7号鉢(直径18〜21cm程度)サイズを用意しておけば安心です。
年々、株が大きくなって鉢が窮屈になってくると根詰まりすることもありますので、様子次第で1〜2年経ったら更に大きな鉢に植え替えるか、または株分けして植え直しましょう。
鉢植えがはじめての方は下記のページも参考になさってください。
土は市販の培養土を使用しても良いですし、ご自身でブレンドするのであれば小〜中粒の赤玉土と腐葉土を半々で配合するのがおすすめです。
日常管理
◆水やり
地植えの場合は、根付いた後の水やりは必要ありません。
鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら鉢底から余分な水が流れ出るくらいしっかりと与えてください。
◆剪定
暑い時期を迎えると株の内部が蒸れてきますので、葉が茂りすぎて窮屈になっている部分があれば剪定して風通しをよくしてあげましょう。
また、生長するに従ってまちまちに伸びた茎(伸び過ぎた茎)を切り戻してあげることで、生長を促進しつつ株姿を整えることができます。
◆肥料
地植えの場合や培養土を使った場合はしばらくは施肥の必要はありません。
鉢植えの場合は生育期(5〜6月頃)に2週間に1度くらいのペースで液体肥料を与えれば生育が衰えません。
肥料の基本については詳しく知りたい方は、下記のページも参考になさってください。
◆病害虫
風通しが悪くなることによりアブラムシやハダニが発生することがあります。
事前の備えとしては、株を適宜剪定してなるべく風通しの良い環境を作ってあげること、葉水をあげて虫がつきにくいようにしてあげることです。
ちなみに筆者はこまめに霧吹きを利用して葉水を与えています。
(ただし、日差しが強く気温も高い日は、株元が蒸れないように朝晩の涼しい時間帯に限定して水を与えます。)
ハーブ栽培における害虫対策について知りたい方は下記のページを参考になさってください。
収穫
茎葉が茂っている間はいつでも収穫できますが、花が咲く前が一番香りが良くなりますので、花芽らしきものを発見したら収穫の合図です。
※花を咲かせてしまうと一気に茎葉が固くなり香りも落ち始めます。花芽は見つけ次第切り取りましょう。
最後に
今回はタイムの中でもレモンの香りと斑入りの葉が特徴の美しい品種「ゴールデンレモンタイム」の活用方法や育て方についてご紹介しました。
タイム類はグランドカバーとしても利用される人気のハーブですが、ゴールデンレモンタイムには「香り」と「色合いの良さ」という素晴らしい特徴がありますので、エントランス(玄関)アプローチの植栽に取り入れるのが一番のおすすめです。
もちろん、鉢植えにして玄関先に置いておくだけでも十分楽しめます!
セージにも斑入りの美しい品種(ゴールデンセージ)がありますので、ご興味ある方は下記のページもあわせてご覧ください。
グランドカバーにおすすめの「クリーピングタイム」について解説した記事もありますので、ご興味ある方はそちらのページも是非ご一読ください。