はじめに
セージは、その多彩な種類と用途で知られる魅力的な植物です。料理やお茶に使える「コモンセージ」や、観賞用として人気の「アメジストセージ」など、香りや見た目、用途にそれぞれの個性が光ります。
そんなセージの中でも、鮮やかな葉色とユニークな姿で特に目を引くのが「ペインテッドセージ」。カラフルな葉が庭を華やかに彩り、ひとつ植えるだけで景色を一変させるインパクトがあります。切り花や鉢植えとしても楽しめるため、ガーデニング初心者から上級者まで幅広い層に支持されています。
初めて植物を育てる方でも手軽に挑戦できるのが、このペインテッドセージの魅力。本記事では、その特徴や育て方のポイントをわかりやすく解説します。庭やベランダを彩るお手伝いに、ぜひ参考にしてください!

ペインテッドセージについて
基本情報

ペインテッドセージ
学名 | Salvia viridis |
別名 | サルビア・ホルミナム サルビア・ビリディス |
原産 | 地中海沿岸 |
科名 | シソ科サルビア属 |
分類 | 一年草 |
大きさ | 30〜60cm程度 |
開花時期 | 5〜7月頃 |
耐性 | 耐寒性:あり 耐暑性:なし |
活用法 | 主に観賞用 |
特徴
ペインテッドセージは、学名を「サルビア・ホルミナム」または「サルビア・ビリディス」といい、観賞用として親しまれている一年草です。その最大の特徴は、開花期に見せる鮮やかな苞葉(ほうよう)の色合いです。

苞葉とは、芽や蕾を包むように生えている特殊な葉やその集合体のこと。ペインテッドセージでは、この苞葉が紫、ピンク、白といった美しい色に染まり、花以上に目を引く存在感を放ちます。
苗の段階では緑一色のシンプルな見た目ですが、成長が進むにつれて茎先から徐々に色が変わり、鮮やかなグラデーションを楽しむことができます。
また、苞葉の色合いは陽当たりや環境条件によって微妙に変化するため、育てる場所によって異なる表情を見せるのも魅力のひとつです。

一見すると花のように見える苞葉ですが、実際の花はその内側に小さく咲く控えめな形状です。苞葉の華やかさと花の可憐さの組み合わせが、ペインテッドセージのユニークな美しさを際立たせています。
さらに、ペインテッドセージは背丈が30~60cm程度とコンパクトで扱いやすく、鉢植えから庭植えまで幅広いスタイルで楽しむことができます。そのため、ガーデニング初心者にもおすすめです。
活用方法
葉や花はお茶や料理に使うこともできますが、香りの強さや薬効成分では「コモンセージ」などの他の品種に劣ります。そのため、観賞用として楽しむことが主な使い方です。しかし、その鮮やかな苞葉と独特の存在感は、ガーデニングやフラワーアレンジメントにおいて非常に高い評価を得ています。
ガーデニングでの活用

ペインテッドセージは、他の草花に負けない華やかさを持ち、ガーデンデザインにおいて大活躍します。庭の前景に植えても背景に配置しても馴染みがよく、特に紫やピンクの苞葉が緑の植物や白い花とのコントラストを引き立てます。また、密植するとカラフルなボーダーガーデンを演出でき、花壇全体を明るい雰囲気に仕上げます。
さらに、鉢植えとしても楽しめるため、ベランダや玄関先を彩るアクセントとしてもおすすめです。成長が比較的早いため、種まきから開花までの変化を観察する楽しみも味わえます。
収穫後の楽しみ方
ペインテッドセージは収穫後にもその美しさを楽しむことができます。特に、切り花として花瓶に飾れば、室内のインテリアを華やかに演出します。また、苞葉と花の色合いが長持ちするため、ドライフラワーとして保存するのも人気の方法です。
ドライフラワーにする際は、開花期のピークに近いタイミングで収穫し、風通しの良い場所で逆さ吊りにして乾燥させるのがポイント。これにより、鮮やかな色合いを保ったまま仕上げることができます。作成したドライフラワーは、リースやスワッグにアレンジすれば、一年を通じて楽しむことができます。
他にもドライフラワーにして楽しめるハーブがたくさんありますので、ご興味ある方は下記のページもご覧ください。

ペインテッドセージの育て方
丈夫な性質を持ち、ガーデニング初心者でも手軽に育てられる植物です。基本的な環境と手入れを守れば、美しい苞葉を楽しむことができます。
生育環境
日当たりが良く、水はけと風通しの良い場所を好みます。庭植えでも鉢植えでも育てられますが、過湿を避けるため、排水性の高い土壌を選ぶのがポイントです。
種から育てる手順
種まき時期と発芽温度
・発芽温度は20〜25℃程度。
・春まきは4〜5月頃、秋まきは9〜10月頃です。
(寒冷地は春まき、暖地は秋まきをおすすめします。)
種まきの方法
点播きまたはポット育苗
▶︎ 種を地面に直接播くか、ポットで苗を育ててから植え付けます。
覆土の注意点
▶︎ペインテッドセージの種は「好光性種子(※)」なので、覆土は行わないか、ごく薄く(2〜3mm程度)覆います。
管理方法
▶︎発芽までの間、日当たりの良い場所に置き、乾燥しないように霧吹きで優しく水を与えます。
発芽後の管理
発芽は1〜2週間程度で始まります。発芽率を高めるため、均一に湿度を保つことが重要です。発芽後は、混み合った部分を間引き、元気な苗を育てるスペースを確保します。
※好光性種子について詳しく知りたい方は下記のページも参考になさってください。
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土の準備
土をブレンドする場合
ご自身で用土を作る場合は、小粒の赤玉土7と腐葉土3を半々で配合するのがおすすめです。
この配合は、水はけと保水性のバランスが良く、ペインテッドセージの育成に適しています。さらに、元肥として少量の有機肥料を混ぜると、成長を促進できます。

市販の土を使う場合
市販の元肥入り園芸用土で十分に育てられます。特に初心者には手間が少なくおすすめです。
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植え付け
タイミング
▶︎苗が本葉を数枚つけたら、庭や鉢に植え付けます。植え付け時には根を傷めないよう注意しましょう。
間隔
▶︎庭植えの場合は、苗と苗の間に20〜30cm程度のスペースを空けることで、風通しを確保し病害虫を防ぎます。

日常管理
ペインテッドセージは比較的手間がかからない植物ですが、日常の管理をしっかり行うことで、より元気に育てることができます。
水やり
- 地植えの場合
根付いた後は自然の雨だけで十分に育つため、特別な水やりは基本的に必要ありません。ただし、長期間雨が降らない場合や極端に乾燥した気候では、適度に水を与えると良いでしょう。 - 鉢植えの場合
土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと水を与えます。乾燥しすぎないよう、特に夏場はこまめにチェックしてください。
剪定
一年草のため、基本的に剪定の必要はありません。ただし、枯れた葉や花が目立つ場合には取り除くことで、見た目を美しく保つことができます。
肥料
- 元肥入りの土を使用した場合
元肥が含まれている市販の園芸用土を使用している場合、特に追肥の必要はありません。 - 元肥が含まれていない場合
植え付けから1〜2ヶ月後を目安に、緩効性の化成肥料や液体肥料を与えると、さらに生育が良くなります。
上手く育たない場合は、下記の記事もあわせて参考になさってください。
◆病害虫
気温が上がる頃、アブラムシが発生することがあります。発見した場合には早めに駆除しましょう。
ハーブ栽培における害虫対策について知りたい方は下記のページを参考になさってください。

収穫
色付いた苞葉が美しい間であれば、いつでも収穫が可能です。適切なタイミングで収穫することで、その鮮やかな色合いを十分に楽しむことができます。
- ベストな時期
苞葉が鮮やかに色付き、茎や葉全体が健康的な状態のときが収穫の適期です。この時期に収穫することで、切り花やドライフラワーとして美しく仕上がります。

- 収穫を急ぐべき場合
茎の下部が徐々に茶色く変色し始めると、見栄えが悪くなるだけでなく、植物全体の寿命も短くなる可能性があります。そのため、色付きが最も鮮やかであるうちに収穫するよう心がけましょう。

最後に
今回は、花よりも華やかなカラーリーフが魅力の「ペインテッドセージ」についてご紹介しました。
育てやすく、鮮やかな色合いでお庭や鉢植えを彩ってくれる、とても魅力的なセージです。ガーデニング初心者の方にもぜひ一度挑戦していただきたい植物です。
ペインテッドセージをはじめ、ハーブの中には個性的な葉を持つ種類がたくさんあります。葉の形や色の違いを楽しむのもハーブ栽培の醍醐味のひとつです。
さらに、「葉を楽しめるハーブ」について詳しく知りたい方は、以下の記事もぜひチェックしてみてください。新しいガーデニングアイデアがきっと見つかるはずです!
