カレープラントとカレーの木(カレーリーフ)の特徴と違いは一体何?

はじめに

植物の中には名前が似ているもの、見た目が似ているもの、用途が似ているものなど、混同しやすいものがたくさんあります。

あまり馴染みのない植物であれば尚更、名前やイメージなどで混同してしまうことも多々あるかと思います。

本シリーズは、筆者が園芸店に勤務していた頃の体験を基に、実際にお客様が混同してしまった植物を例に挙げ、勘違いしやすいポイントやそれぞれの違いについて説明をさていただく記事となっております。

皆さんが栽培をされる際、もしくは苗木や種を購入する際の一助となれば幸いです。


今回は、「カレープラント」と「カレーの木(カレーリーフ)」についてのご紹介です!

似て非な2つの植物にはどんな類似点があり、どんな違いがあるのか、早速みていきましょう!



類似する点

「カレープラント」と「カレーの木(カレーリーフ)」には下記のような共通点が挙げられます。

▶︎名前に「カレー」という文字が含まれる。
▶︎料理に使うことができる。
▶︎常緑低木である。

両者ともにカレーに使うスパイスをイメージさせるようなネーミングですが、実はこのふたつは全く別の植物なんです。

それでは、ここからはそれぞれの植物の基本情報と特徴を見ながら違いを把握していきたいと思います。



基本情報

カレープラント

学名Helichrysum italicum
別名エバーラスティング etc
原産地中海沿岸(ヨーロッパ南部)
科名キク科ムギワラギク属
分類多年草(常緑低木)
大きさ30〜60cm程度
開花時期7〜9月頃
花色黄色
耐性耐寒性:あり
耐暑性:あり
活用法料理、ドライフラワー、
ポプリ etc

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カレーの木

学名Murraya koenigii
別名オオバゲッツキ、カリパタ etc
原産インド
科名ミカン科ゲッツキ属
分類多年草(常緑低木)
大きさ2〜6m程度
※栽培環境による
開花時期5〜7月頃
花色
耐性耐寒性:なし
耐暑性:あり
活用法主に料理(スパイス)

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異なる点

前項の情報を見ていかがでしょうか? 全く違う植物ということがお分かりいただけたでしょうか?

実際にそれぞれ異なる点を比較すると以下のような違いが見えてきます。


見た目

カレープラントの花
カレーリーフの花

カレープラント」はラベンダーの葉に似た細いシルバーリーフであるに対して、「カレーの木」は緑色の平たい形をしています。

更に「カレープラント」は黄色く小さい花をまばらに咲かせますが、「カレーの木」は白い5弁の花を咲かせます。


原産地

カレープラントは地中海沿岸地域カレーの木はインドが原産です。


科目

カレープラントは、植物の中でも最も多い種類が属しているキク科に分類され、少し大きな括りになりますがステビアやカモミール、エキナセアなどのハーブと親戚のような関係にあります。

一方、カレーの木はミカン科ですので、レモンやユズやサンショウのような植物と親戚関係にあります。



大きさ

どちらも低木ですが、カレープラントのほうが背丈が低くカレーの木は低木ですが環境によっては3メートルを超えて生長する植物です。


開花時期

カレーの木は春から夏にかけ花を咲かせますが、カレーの木はもう少し遅い時期に(夏から初秋にかけて)開花を迎えます。


耐寒性

カレープラントは耐寒性があり、霜の被害に遭わなければ−5℃程度まで耐えることができます。

カレーの木は寒さに弱く、生育温度が最低でも10℃以上は必要になりますので、室内で丁寧に管理しない限り、日本での冬越しは結構厳しいです。


用途

カレーの材料には「カレーリーフ」

皆さんがカレーの材料として使用したいのであれば、それはカレーの木の葉(カレーリーフです。

カレーリーフはドライ加工したものが市販されていますが、生葉のほうが格段に香りが良く、筆者がハーブ苗の専門店に勤めていた頃はカレー屋さんがよく苗を探しにご来店されていました。

それもそのはず、生葉には市販の乾燥スパイスでは出せない香りをもっているからです。



カレープラントはドライにして

カレープラントのほうもカレーの香りがしますが、こちらはピクルスの香り付け、肉料理や魚料理の臭み消しなどに利用されます。

また、花が色褪せしにくいことからドライフラワーやリース作りにも用いられます。



栽培は難しいの?

もし皆さんが庭の植栽として取り入れたいということであればシルバーリーフの美しいカレープラントがおすすめ。

料理に使いたいということであればカレーの木をおすすめします。

ただし、カレーの木(カレーリーフ)は生育温度が高いため、日本の冬越しはなかなか難しいです。

寒くても10℃以上の環境を維持できる場所がないと落葉が始まってしまいますので、秋から春にかけて暖かい室内での管理が可能でしたら栽培も可能です。

一方、カレープラントのほうはー5℃程度まで耐寒性がありますので、寒冷地以外で霜にあたらないように養生すれば戸外でも問題なく栽培できます。



最後に

上記の通り、両者の違いがお分かりいただけたでしょうか?

類似点だけに目を向けるとなんだか同じような植物と混同してしまいそうですが、異なる点にフォーカスすると、カレープラントとカレーの木は全く違う植物だということが理解できますね

これからどちらかのハーブを育て始めるという方は、混同して間違った苗や種を入手しないようにお気をつけください。

とは言え、どちらも個性溢れる素晴らしいハーブですので、是非ご家庭で育てて楽しんでみてください!

カレープラントの種や苗はこちらから カレーの木の苗はこちらから

カレーリーフの育て方については下記のページで詳しく解説しておりますので、ご興味ある方はあわせてご覧ください。


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豆知識
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