はじめに
心を奮い立たせてくれる赤と、心を鎮めてくれる青が混ざった紫色には、私たちの気持ちのバランスを調整してくれる不思議な力があります。
庭の植栽においても、赤や青といった原色の花で埋め尽くされるより、間色の紫や橙色の花が所々に咲いているほうが全体的な調和が取れている印象を与えてくれます。
ラベンダーをはじめとして、ハーブの中にもパープル系の花を咲かせるものがたくさんありますので、本記事でご紹介していきたいと思います。
ガーデンデザインや植栽選びの際に是非参考にしていただければ幸いです。
※品種や生育環境によっては青に近い紫や赤に近い紫なども含まれますので、予めご了承ください。
パープル系の花が咲くハーブ 10選
エキナセア・プルプレア
学名 | Echinacea purpurea |
科名 | キク科(ムラサキバレンギク属) |
分類 | 多年草(宿根草) |
開花時期 | 6〜10月頃 |
草丈 | 50〜120cm程度 |
耐性 | 耐寒性:あり 耐暑性:あり |
活用法 | お茶、切り花 ドライフラワーetc |
根・葉・茎に薬効があるとされ、アメリカ先住民の間でもメディカルハーブとして利用されてきましたが、現在はサプリメントの原料としても使用されています。
エキナセアには10種類ほどの品種があり、メディカルハーブとしてのエキナセアは「プルプレア」「アングスティフォリア」「パリダ」の3種類です。
中でも紫色の花が綺麗なプルプレアは一番スタンダードな品種といえます。
丈夫で育ててやすく、手間もかからないので、ガーデニング初心者にもオススメです。
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エキナセア・プルプレア(パープル)/ハーブの苗 9cmポット
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ラベンダー
学名 | Lavandula |
科名 | シソ科(ラバンデュラ属) |
分類 | 多年草 |
開花時期 | 品種によって異なる |
草丈 | 30〜100cm ※品種によって異なる |
耐性 | 品種によって異なる |
活用法 | ポプリ、ドライフラワー、 精油、入浴剤、 etc |
紫色のハーブといえば、やはりラベンダーを思い浮かべる方が圧倒的に多いかと思います。
ラベンダーには品種毎にイングリッシュ系、フレンチ系、ストエカス系などの「系統」があり、どの系統に属しているかで、その品種の特徴(花の形状や開花時期、大きさ、暑さや寒さの耐性など)がそれぞれ異なります。
皆さんがお住まいの地域の気候に合わせて品種選びをしましょう。
庭の植栽として利用する際は、開花時期の異なる品種(系統)混植すれば、時期をずらしながら長期間様々なラベンダーを楽しむことができます。
ラベンダーの中には珍しい白花品種も存在します。ご興味のある方は下記のページも参考になさってください。
アメジストセージ
学名 | Salvia leucantha |
科名 | シソ科(アキギリ属) |
分類 | 多年草 |
開花時期 | 9〜11月頃 |
草丈 | 60〜150cm程度 |
耐性 | 耐寒性:あり 耐暑性:あり |
活用法 | ポプリ、ドライフラワー etc |
「メキシカンブッシュセージ」や「サルビア・レウカンサ」とも呼ばれます。
秋頃、花穂が長く伸びて紫のビロードのような美しい花を咲かせるのが特徴で、生長すると非常に大株になります。
乾燥しても色が残りやすいため、花はポプリやドライフラワーとして利用することができます。
高さがありますので、お庭に植える際には背景素材として利用するのがおすすめです。
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ラムズイヤー
学名 | Stachys byzantina |
科名 | シソ科(イヌゴマ属) |
分類 | 多年草 |
開花時期 | 5〜8月頃 |
草丈 | 30〜80cm程度 |
耐性 | 耐寒性:あり 耐暑性:あり |
活用法 | ドライフラワー、クラフト etc |
ぬいぐるみのような、または子羊の耳のようなフワフワと柔らかい感触の葉が大きな特徴です。
花はシソ科に多くみられる唇形花で、紫紅色の小さな花を穂状に咲かせます。
白く細かい毛で覆われたシルバーリーフが印象的なだけあって、花の印象自体は少し物足りない感じがしますが、草抑え(グランドカバー)として効果的に利用することができます。
乾燥させると葉の白さが引き立ちますので、ドライフラワーやリース作りにもおすすめです。
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コモンマロウ
学名 | Malva sylvestris |
科名 | アオイ科(ゼニアオイ属) |
分類 | 多年草 |
開花時期 | 5〜9月頃 |
草丈 | 100〜200cm程度 |
耐性 | 耐寒性:あり 耐暑性:あり |
活用法 | お茶、着色料 etc |
古代ギリシャの時代から料理や薬用ハーブとして利用されてきました。
お茶にすると鮮やかな青紫色になり、更にレモン汁など酸性のものを加えることで徐々に薄い赤に変化していく様から「夜明けのハーブティー」とも呼ばれています。
花は初夏から秋口まで楽しむことができ、開花期は毎日のように次々と5弁の花を咲かせます。
エディブルフラワーとしてサラダや料理の飾り付けとしても活用できます。
生育旺盛でこぼれ種でもよく増えますが、植え替えを嫌うため、種まきの段階から栽培場所をしっかりと決めて育てていきましょう。
コモンマロウについて更に詳しく知りたい方は下記のページもご参照ください。
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サフラン
学名 | Crocus sativus |
科名 | アヤメ科(サフラン属) |
分類 | 多年草 |
開花時期 | 10〜11月頃 |
草丈 | 10〜20cm程度 |
耐性 | 耐寒性:あり 耐暑性:あまりない |
活用法 | 料理、染物 etc |
スペイン料理のパエリア、フランス料理のブイヤベースなどでもお馴染みの植物ですが、様々な薬効があるとしてメディカルハーブとしても利用されています。
スパイスの原料は雌しべの部分を利用し、花の部分は利用しませんが、一般的なご家庭ではあまり加工する機会もないかと思いますので、観賞用としてお楽しみください。
草丈が低い植物ですので、ガーデン素材にする際は前景部分、またはボーダーに利用するのがお勧めです。
【イヌサフランには注意!】
同じく”サフラン”と名がつく「イヌサフラン」という有毒植物も存在します。見た目が似ているので、くれぐれも混同しないようにお気をつけください。
有毒植物については下記の記事でも取り上げておりますので、あわせてご覧ください。
アーティチョーク
学名 | Cynara scolymus |
科名 | キク科(チョウセンアザミ属) |
分類 | 多年草 |
開花時期 | 6〜8月頃 ※地域による |
草丈 | 150〜180cm程度 |
耐性 | 耐寒性:あり 耐暑性:あり |
活用法 | 主に料理 |
見慣れない方にとっては「南国の巨大植物」のような印象を与えるアーティチョークは、ヨーロッパで定番ともいえる野菜です。
江戸時代に日本に渡りましたが、当時は観賞用の植物として育ててられていたため、国内では野菜としての認知度は低いまま今日に至ります。
生長すると2メートル近い背丈になり、初夏から夏にかけて茎先にアザミに似た花をつけます。花が咲いた様は紫の打ち上げ花火のようで見応えがあります。
非常に大株になりますので、周囲の空間をあけてガーデンの中央に据えるのに適していますが、特徴的な植物ですので好みに応じて植栽に取り入れましょう。
下記ページに育て方の解説もありますので、栽培にチャレンジしたい方はご参照ください。
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チェストツリー
学名 | Vitex agnus-castus |
科名 | シソ科(ハマゴウ属) |
分類 | 落葉低木 |
開花時期 | 7月〜9月頃 |
草丈 | 2〜3m程度 |
耐性 | 耐寒性:あり 耐暑性:あり |
活用法 | お茶、サプリメント etc (主に果実を使用) |
葉の形状が朝鮮人参の葉に似ていることから「セイヨウニンジンボク」という和名がついた低木です。
また女性ホルモンを整え、更年期障害や生理不順にも作用する働きがあり「女性のハーブ」とも呼ばれます。
臨床データをもとにした女性ホルモンへの作用についてはNational Library of Medicineが掲載している下記リンク(英語版)をご参照ください。
チェストベリーという果実を結び、耐寒性にも耐暑性にも優れますが、寒冷地では結実しにくいです。
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アニスヒソップ
学名 | Agastache foeniculum |
科名 | シソ科(カワミドリ属) |
分類 | 多年草 |
開花時期 | 5〜9月頃 |
草丈 | 60〜80cm程度 |
耐性 | 耐寒性:あり 耐暑性:あり |
活用法 | お茶、料理、ポプリ etc |
ハチがよく蜜を吸いにくる「蜜源植物」としても知られ、縦長に伸びた10センチ程度の花穂に紫色のシソ科特有の小さな唇形花を咲かせるのが特徴です。
一般的には紫色ですが、中には白やピンクの品種もあります。
花や葉は喉に良いとされ薬用として使用される他、ドライフラワーやポプリにしても楽しむことができます。
開花時期が過ぎても花穂が残るため、比較的長く観賞を楽しむことができます。
ヒソップ
学名 | Hyssopus officinalis |
科名 | シソ科(ヤナギハッカ属) |
分類 | 多年草(半常緑低木) |
開花時期 | 6〜8月頃 |
草丈 | 40〜60cm |
耐性 | 耐寒性:あり 耐暑性:あり |
活用法 | お茶、料理、アロマテラピー etc |
「ヒソップ」という名前がついていますが、前述のアニスヒソップとは別属で、別名「ヤナギハッカ」とも呼ばれているハーブです。
ハッカのように清涼感のある香りで、ヨーロッパでは古くから「浄化のハーブ」や「聖なるハーブ」として親しまれてきました。
タイムと同じように肉料理や魚料理の臭み消しに使用したり、ハーブティーとしても楽しむことができます。
シュラブ(低木)ですので、ラベンダーやローズマリーのように手間もかからず、初心者の方でも安心して育てられます。
最後に
今回は、ハーブもお花も大好きという方のために、ガーデン素材としておすすめの「パープル系ハーブ」をご紹介しました。
パープル系といっても赤紫や青紫、中にはピンク色に近い淡い紫など様々なバリエーションがあります。
皆さんのお好みで、もしくはお庭にある他の草花とのバランスを考えて取り入れてみてください。
庭づくりに役立つハーブは他にも色々なものがありますので、ご興味ある方は下記のページもあわせてご覧ください。