ハーブの種まき(実践編) まき床の準備から発芽までのプロセスを解説!

はじめに

前回の記事では、はじめてハーブを種から育てるという方のために、準備する道具や種の性質について解説をさせていただきました。

事前に記事をご覧になりたい方は、下記のページをご参照ください。

必要な道具を揃えた方は、ここから実践となります。

野菜もハーブも花も基本的な手法は同じですので、ハーブを育てていない方も初めての種まきの時に応用していただければと思います。


まき床の準備

実際に種まきをする地面(土)のことを「まき床」といいます。

種まきでまず最初に行う作業がまき床の準備です。

育苗箱やセルトレイの場合は、培養土を入れたら軽く左右に揺さ振った後、表面を平らに均します。
(仕切りのないコンテナ式の育苗箱は、板の切れ端や定規などを使えば楽に地面を均すことができます。)

鉢やプランターに直接播く場合、土は目一杯入れずに容量の9分目くらいに留めます。
(土を入れる前に「鉢底石」を入れておくと通気性や排水性が増します。)


土を入れた後は、ハス口をつけたジョウロなどで全体に散水して全体をしっかり湿らせ、しばらく放置します。

底面の穴から余分な水分が出なくなったら種まき準備完了です。



種の播き方

大きく分けて以下の3通りがあります。

・すじまき
・点まき
・ばらまき

育てるハーブによって、移植の作業工程を省いたり、種の性質によって相性の良い播き方がありますので、まずはそれぞれの特徴やメリット・デメリットを把握しておきましょう。


すじまき

土に溝を引いて一列に真っ直ぐ種を播く方法です。「条まき」と呼ぶこともあります。


<手順>
①まき床に定規や板切れの側面などを使って0.5〜1cm程度の深さで溝を作ります。
1cmくらいの間隔で溝の底に種を落としていきます。
③溝を作った時に溢れた土をかぶせ、手で軽くおさえて完了です。

(通常、覆土は種の大きさの2倍〜3倍程度にします。)

◆カモミールやバジルなど、好光性種子(※)の場合は一切覆土をしない、またはごくごく薄く土をかける程度にします。


他の播き方と比べた時のメリットとデメリットは下記の通りです。

メリット

▶︎スピーディーにたくさんの播くことができる。
▶︎一列に並んで発芽する為、間引く時に一目で生育具合を比較できる。
▶︎間引き菜を収穫できる。

デメリット

▶︎芽が生長してきたときに間引く手間がかかる。


点まき

土に穴を開けて種を播く方法です。(複数の株を作る場合は、一定間隔で複数の穴を開けます。)


<手順>
①まき床に割り箸を刺したり、空き瓶の底などを押し付けて、0.5〜1cm程度の深さで穴を掘ります。
②掘った穴の大きに応じて、1粒〜数粒の種を落とします。
③覆土して軽く手でおさえて完了です。
(通常、覆土は種の大きさの2倍〜3倍程度。)

前述の通り、好光性種子の場合は一切覆土をしない、またはごくごく薄く土をかける程度にします。


他の播き方と比べた時のメリットとデメリットは下記の通りです。

メリット

▶︎発芽後の間引きの手間がかからない。
▶︎種の数が少なくて済む。

デメリット

▶︎時間がかかる。
▶︎間引き菜が収穫できない。


ばらまき

土の上で振りかけるようにばらまく方法です。

比較的短期間で生長するルッコラや、土をかける必要のない好光性種子に向いている播き方です。


<手順>
①なるべく種が重ならないように土にばらまきます。
覆土して軽く手でおさえて完了です。
(通常、覆土は種の大きさの2倍〜3倍程度。)

前述の通り、好光性種子の場合は一切覆土をしない、またはごくごく薄く土をかける程度にします。
※ふるいを利用すれば、全体にまんべんなく覆土できるので便利です。


他の播き方と比べた時のメリットとデメリットは下記の通りです。

メリット

▶︎種まきが短時間で終わる。
▶︎ひとつひとつの芽に対する労力が少なくて済む。

デメリット

▶︎播き方にムラが出る。
▶︎間引きの手間がかかる。
▶︎種をたくさん消費する。



発芽までの日常管理

置き場所

種まき後の育苗箱や鉢・プランターは、基本的に日当たりの良い場所(=発芽温度が確保できる場所)に置いて管理します。

多くのハーブは15〜20℃くらいの発芽温度ですが、中にはバジルのように20℃を超えないと芽が出ないものもありますので、播いた種の発芽温度を事前に確認して適切な環境を整えてあげましょう。

※嫌光性種子であっても発芽温度が必要ですので、日陰ではなく日なたで管理します。ただし、光を嫌う性質がありますので湿らせた新聞紙などで覆い遮光しておきしましょう。


水やり

過度乾燥しないよう注意しながら、適宜水やりを行います。

水圧が強いと播いた種が土から浮き出たり、育苗箱から流れ出ることがありますので注意が必要です。

できるだけ水の勢いが少ない方法で(細かい目のハス口付きジョウロ、または霧吹きを利用して)行います。


発芽したら

発芽までの日数は、ハーブの種類や栽培環境によっても異なりますが、早いもので4〜5日遅いもので2〜3週間かかります。

実際に芽が出るまでは心配な気持ちになるかもしれませんが、適切な方法で日常管理を続けていきましょう。

※発芽時期を過ぎても中々芽が出てこない場合は、何かしら問題が発生している可能性があります。下記のページで発芽しない原因について解説していますのであわせてご覧ください。


嫌光性種子の場合、光を嫌う性質は種の状態の時だけですので、発芽後は成長のために光合成をさせてあげなければなりません。

発芽したら遮光のために被せておいた新聞紙はすぐに外しておきましょう。

「すじまき」や「ばらまき」でたくさんの種を播いた場合には、芽が出揃ってから外しても構いませんが、あまり長く被せておくと、先に出た芽に日が当たらず弱ってしまう場合もありますので注意が必要です。


最後に

今回の記事では、種まきの実践編として、まき床を用意するところから発芽までの流れを解説いたしました。

発芽した後の育苗から定植までのプロセスは次の記事で解説しておりますので、下記ページにて続きをご覧ください。


ハーブの栽培が初めてという方は、簡単で手軽に育てられるキッチンハーブから始めるのがおすすめです。

今回の記事を参考に種まきからチャレンジしてみてください。


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