ハイビスカスティーの原料「ローゼル」とは?特徴や育て方を徹底解説!

ローゼルとはどんなハーブ?特徴や育て方

はじめに

ハイビスカスティーの原料「ローゼル」

鮮やかな赤いが特徴の「ローゼル」は、ハイビスカスティーの原料として知られています。その情熱的な色合いと独特の酸味を生み出すこのハーブは、美容や健康に役立つだけでなく、花を鑑賞する楽しみも味わえる魅力的なハーブです。

ローゼルには、ビタミンCやクエン酸、リンゴ酸が豊富に含まれており、その果実はお茶やジャム、シロップなど、さまざまな形で私たちの生活に取り入れることができます。

また、古代エジプトでは「不老長寿の象徴」として珍重され、クレオパトラもその魅力に惹かれたと伝えられています。

今回は、このローゼルの特徴や育て方について詳しくご紹介します。家庭でも手軽に育てられるローゼルの魅力を、ぜひ最後までお楽しみください!



ローゼルとはどんな植物?

基本情報

綺麗に咲くローゼルの花

ローゼル

学名Hibiscus sabdariffa
原産アフリカ北西部、熱帯アジア
科名アオイ科(フヨウ属)
分類多年草
(日本では一年草扱い)
大きさ1〜2m
花期9〜11月
耐性耐寒性:なし
耐暑性:あり
活用法ハーブティー、染料 etc

特徴

ローゼルは熱帯地方を原産とする植物で、本来は多年草ですが、寒さが厳しい日本では一年草として扱われることが一般的です。特に沖縄や九州など温暖な地域では多年草として育てられることもあります。

寒さに非常に弱いため、日本の気候では地植えにすると冬を越せず枯れてしまうことが多いのが特徴です。

同じアオイ科の植物であるオクラの花と形がよく似ていることにも気づくかもしれません。品種によっては、ピンク色や淡い黄色の花を咲かせるものもあり、その色合いはとても美しいです。

ローゼルの蕾

ローゼルの花は秋に咲きます。そして、花の付け根にある「総苞片(そうほうへん)」と呼ばれる部分が膨らみ、これを収穫してハイビスカスティーの原料として利用します。


【豆知識】ローゼルを使ったお茶はなぜハイビスカスティーと呼ばれる?

ローゼルを使ったお茶はなぜハイビスカスティーと呼ばれるのか

前項の基本情報をご覧になって、勘の良い方はお気づきかもしれません。ローゼルの学名に注目してみましょう。

『Hibiscus sabdariffa』

そうです!学名にしっかりと「Hibiscus」(ハイビスカス)という文字が含まれていますね!実は、ローゼルの正式な学名は「ハイビスカス・サブダリファ」といいます。

一方で、私たちがよく見る「あのハイビスカスの花ブッソウゲ」の学名は『Hibiscus rosa-sinensis』です。こちらも同じように「Hibiscus」が含まれており、どちらもアオイ科フヨウ属に分類されています。

ブッソウゲ(ハイビスカス)とローゼルの違いは?

アオイ科には複数の属が含まれていますが、フヨウ属(Hibiscus)の植物には、その学名の冒頭に必ず「Hibiscus」が付けられています。つまり、ローゼルもハイビスカスの仲間であるということです。

ここで本題に戻ります。「なぜハイビスカスティーと呼ぶのか?」という疑問への正確な答えはこうです。

『ハイビスカスティーには、一般的に想像される「あのハイビスカスの花」は含まれていません。しかし、同じフヨウ属に属するローゼルが原料として使用されています。』

このように、ローゼルと「あのハイビスカス」は同じ仲間であるため、ハイビスカスティーと呼ぶことは間違いではないのです。



ローゼルの育て方

栽培環境

ローゼルは日当たりと風通しの良い場所を好みます。特に開花期には十分な日光が必要で、日照不足になると花芽がつきにくくなることがあります。また、ローゼルは短日植物であり、日照時間が短くなることで花芽を形成します。そのため、街灯や室内の照明が当たる場所では開花が遅れる可能性があるため、注意が必要です。


土の準備

水はけの良い土壌を好みます。鉢植えの場合、市販の草花用培養土で問題なく育ちます。地植えの場合は、植え付け前に土に腐葉土や堆肥を混ぜ込んでおくと良いでしょう。


筆者おすすめの園芸用土はこちらから

種まきと植え付け

種まきの適期は4月から5月です。発芽適温は20~25℃とやや高めのため、十分に暖かくなってから種をまきます。種まきが遅れると、開花前に寒さで枯れてしまうことがあるため、適期を守ることが重要です。

種をまいた後、土が乾燥しないように管理し、1~2週間で発芽します。本葉が4枚以上になったら、5~6月頃に植え付けを行います。複数の株を植える場合は、株間を60cmほどあけると良いでしょう。


水やり

土の表面が乾いたら、たっぷりと水を与えます。特に夏場は乾燥しやすいため、注意が必要です。冬は休眠期に入るため、水やりの頻度を減らし、乾かし気味に管理します。


肥料

生育期である5月から10月にかけて、緩効性肥料を適量与えます。猛暑が続く時期や冬季は、施肥を控えるようにしましょう。


支柱の設置

ローゼルは草丈が1.5~2mと高くなるため、風などで倒れないよう、支柱を立てて支えると安心です。



収穫

9~10月頃に花が咲き、その後、赤いガクが肥大します。このガクがハイビスカスティーの原料となります。ガクが十分に大きくなったら収穫し、乾燥させて保存します。


冬越し

ローゼルは寒さに弱いため、冬越しが難しい植物です。多年草として育てたい場合は、鉢植えにして寒くなる前に室内に取り込み、乾燥気味に管理します。ただし、日本では一年草として扱われることが多いです。


病害虫対策

アブラムシやハダニが発生することがあります。日頃から株を観察し、早期発見・早期対処を心掛けましょう。

ハーブの病害虫対策については下記の記事を是非参考にして下さい。


以上のポイントを参考に、ローゼルの栽培を楽しんでみてください。適切な管理で、美しい花と美味しいハーブティーを楽しむことができます。



最後に

ローゼルの特徴や育て方についてご理解いただけましたでしょうか?鮮やかな赤い花が庭やベランダを彩るだけでなく、収穫したガクで作る自家製のハイビスカスティーは、格別の味わいと楽しさをもたらしてくれます。

初心者の方でも、日当たりや水やりのポイントを押さえれば、手軽に育てられるのがローゼルの魅力です。育てる喜びとともに、自然の恵みを日々の生活に取り入れる素晴らしさをぜひ体験してください。

この記事を参考に、ローゼルの栽培に挑戦してみてはいかがでしょうか?皆様の植物ライフがより豊かで充実したものとなることを心から願っています!


ハーブの品種ラ行のハーブ
シェアする
スポンサーリンク
スポンサーリンク