はじめに
世界中で愛される「ハリーポッターシリーズ」に登場する“史上最強の杖”、皆さんはその秘密をご存じですか?

この杖が作られているのは、なんと「エルダーフラワー」という特別な木。ヨーロッパでは古くから「厄を寄せ付けない幸運の木」として親しまれ、庭木としても人気の高いエルダーフラワーは、見た目の美しさだけでなく、実用性でも注目を集める万能ハーブです。
今回は、このエルダーフラワーの魅力や特徴、育て方を詳しくご紹介します!
あなたの庭にも魔法のようなひとときを。

エルダーフラワーってどんな植物?
エルダーフラワー(別名:セイヨウニワトコ)は、スイカズラ科に属する低木または高木で、その愛らしい小さな白い花が特徴の植物です。


生長すると高さは3メートル以上に達し、条件が整えば10メートル近くまで大きくなることもあります。原産地はヨーロッパ、北アフリカ、南西アジアとされ、日本では気候の影響でそこまで巨木になることは稀ですが、庭木やハーブとして親しまれています。
エルダーフラワーはその美しい姿だけでなく、歴史や文化、そして実用性からも注目を集める魅力的な植物です。
エルダーフラワー
別名 | セイヨウニワトコ |
原産 | ヨーロッパ、北アフリカ、 南西アジア |
科名 | スイカズラ科(ニワトコ属) |
分類 | 多年草(落葉低木) |
大きさ | 3〜10m |
開花期 | 5〜6月 |
耐性 | 耐寒性:あり 耐暑性:あり |
活用法 | ハーブティー、シロップ、ジャム etc |


日本にも「ニワトコ」の木が自生しています。
同じスイカズラ科のニワトコ属ではありますが、エルダーフラワーとは別のもの(近縁種)として区別されています。

エルダーフラワーの魅力とは?
体にやさしい
エルダーフラワーは、白くて可憐な花を咲かせる美しい見た目に加え、その多彩な使い道からヨーロッパでは「万能の薬箱」として古くから親しまれてきたハーブです。
葉、花、実はハーブティーやアロマ製品などに活用され、日々のリフレッシュやリラックスタイムに役立てられています。ハーブティーは特に、おやすみ前のひとときや気分転換のお供としておすすめです。

単に愛でるだけでなく、嬉しい効能や効果をもたらしてくれるのもエルダーフラワーの大きな魅力の一つです。

花を使ってシロップが作れる

エルダーフラワーはその効能の高さだけでなく、食文化にも深く根付いた植物です。特にヨーロッパ(イギリスでは特に有名)では、花を使ってシロップを作り、体が冷えたときや風邪のときに飲む習慣があります。本場では「初夏の訪れを告げる飲み物」として親しまれ、家庭で手作りすることも一般的です。

日本では、輸入食品店などで「エルダーフラワーコーディアル」や「エルダーシロップ」という名前で販売されています。外国産の商品が主流ですが、価格や品質に幅があるため、いろいろ試して自分に合ったものを見つけるのも楽しみの一つです。
エルダーフラワーのコーディアルは、冷やして飲むのが一般的ですが、冬にはお湯を加えて温かいドリンクにするのもおすすめです。季節を問わず楽しめる一杯は、日々の生活にちょっとした癒やしをもたらしてくれます。
ただし、エルダーフラワーは収穫後の劣化が早く、国産でも流通が難しいため、原料の花を入手するのは容易ではありません。もし自宅で育てることができれば、開花時期に自家製コーディアルを作ることができます。
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実を使ってジャムが作れる
エルダーフラワーには、「エルダーベリー」と呼ばれる黒紫色の果実が実ります。

この果実には、ビタミンCやアントシアニン、フラボノイドといった栄養素が含まれており、古くから健康維持をサポートするハーブとして活用されてきました。
※エルダーベリーの研究や安全性については、「統合医療」情報発信サイトで確認できます。
(「統合医療」情報発信サイトは、厚生労働省「統合医療」に係る情報発信等推進事業に基づき、患者・国民及び医療者が「統合医療」に関する適切な情報を入手するために構築されたHPです。)
イギリスでは、秋になると雑誌などでエルダーベリーを使ったレシピが数多く紹介され、ジャムやソースなどに加工して親しまれています。その味わいは、ブルーベリーに少し似ており、フルーティーでほどよい甘酸っぱさが特徴です。

縁起が良いとされている
エルダーの木は、古くから「魔除けの木」として知られてきました。ヨーロッパの伝承では、エルダーの木が病気や災厄を遠ざけるとされ、その力が人々の信仰を集めてきたのです。
「ハリーポッター」シリーズでも、最強の魔法使いダンブルドアが手にする“史上最強の杖”がエルダーの木で作られていることから、その特別な存在感が描かれています。
昔の人々は、病気を災いの一種として恐れ、エルダーの持つ薬効が病気を追い払うと信じていました。その信仰が発展し、エルダーの木は「悪いものを退け、幸福を呼び込む象徴」として大切にされるようになったと言われています。
現在では、エルダーの木はハーブとして飲食に利用される一方、その縁起の良さから「幸せを呼ぶ庭木」としても人気を集めています。

エルダーフラワーの育て方
エルダーフラワーは、暑さや寒さに強く、生長が早い上に手間もかからないため、庭木として初心者にもおすすめの植物です。ぜひご家庭で育てて、その魅力を実感してみてください。
大きく生長した時に植え替えが必要になりますが、大きめのサイズであれば鉢植えでも育てることができます。
苗の準備

エルダーフラワーの苗は一般的なホームセンターでは取り扱いが少なく、園芸店でも一部のお店でしか手に入りません。そのため、苗を探す際は、ハーブ専門店やネットショップの利用を検討してみてください。
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植え付け
エルダーフラワーは、日当たり、水はけ、風通しの良い場所に植えるのが基本です。
土質をあまり選ばない丈夫な植物ですが、弱アルカリ性の土壌を好むため、苦土石灰を使って土を調整するとより良く育ちます。植え付けの一週間から二週間くらい前に、植え付け場所に苦土石灰を混ぜ込み酸性を中和してあげましょう。
日常管理
◆水やり
地植えの場合、植え付け時にしっかりと水を与えれば、その後の水やりは基本的に不要です。ただし、乾燥が続く場合は弱ることがあるため、日照りが続く時にはたっぷりと水を与えてください。
◆追肥
無理に肥料をあげる必要はありませんが、花が咲き終わった頃(5〜6月頃)、そして実ができた後(9〜10月頃)は土の養分も少なくなりますので、緩効性肥料で少し養分を補ってあげると安心です。
ハーブに与える肥料の基本については下記のページをご参照ください。
◆剪定
エルダーフラワーは落葉樹のため、秋(11~2月)に葉が落ち始めます。この時期に剪定を行いましょう。伸びすぎた枝や込み合った新しい枝を切り落とし、風通しを良くするのがポイントです。

収穫
花も実も活用できるので、開花時期や結実時期に合わせて収穫を行います。
◆花の収穫
5〜6月にハサミを使って花房ごと収穫します。
収穫した生のままコーディアル作りに利用したり、花は乾燥させてお茶にできます。
(実を収穫したい場合は、花房を残したままにしておきましょう。)

◆実の収穫
8〜9月頃(時期は地域によって異なります)、実の色がしっかり濃くなったものから収穫していきます。
注)熟していない生のエルダーベリーには毒性がありますので、収穫時にはお気をつけください。青い果実は収穫せずに成熟するのを待ちましょう。



よくあるトラブルと解決策
エルダーフラワーを育てる際には、いくつかのトラブルが発生することがあります。ここでは、よくある問題とその対処法をご紹介します。
葉が黄色くなる原因と対策
- 水不足や過湿:乾燥しすぎると葉が枯れやすくなり、逆に過湿だと根腐れを起こします。
- 対策:土の表面が乾いたらしっかり水を与え、排水性のよい土壌を使いましょう。
- 栄養不足:特に窒素が不足すると、葉が黄色くなります。
- 対策:春~夏にかけて月に1回程度、有機肥料や緩効性肥料を施しましょう。
普段あまり肥料を使ったことがないという方は、下記のページも参考にして下さい。
- 病害虫の影響:うどんこ病やアブラムシの被害で葉が傷むことがあります。
- 対策:葉の裏をよく観察し、発生した場合は早めに対処(害虫は手で除去、病気には適切な薬剤散布)しましょう。
下記の記事では害虫対策について詳しく解説しています。こちらもあわせてご覧ください。
花が咲かないときのチェックポイント
花がなかなか咲かない場合、以下の点を確認してみましょう。
- 日当たり不足:エルダーフラワーは日当たりのよい場所を好みます。
- 対策:できるだけ日照時間の長い場所に植えるか、鉢植えの場合は移動させる。
- 剪定のタイミングが間違っている:花芽は前年の枝につくため、剪定をしすぎると花が減ります。
- 対策:剪定は冬から早春にかけて軽く行い、前年の枝を残すようにしましょう。
- 樹木が若すぎる:植え付けて間もない若木は、開花までに数年かかることがあります。
- 対策:焦らず成長を待ち、適切な環境を整えましょう。
害虫や病気の対策
エルダーフラワーに発生しやすい害虫・病気として、以下のものが挙げられます。
- アブラムシ:新芽や蕾に群がり、樹液を吸うことで成長を妨げます。
- 対策:見つけ次第、手で取り除くか、牛乳スプレーや木酢液を使って駆除しましょう。
- うどんこ病:葉に白い粉のようなカビが発生し、光合成を妨げます。
- 対策:風通しを良くし、発生初期なら重曹水スプレーを使用。広がる場合は市販の殺菌剤を使用。
- カミキリムシ:幹に穴を開け、内部を食害するため、放置すると枯死の恐れがあります。
- 対策:幹に穴が開いているのを見つけたら、ワイヤーなどを使って幼虫を駆除。薬剤を塗布すると効果的。
化学薬品を使用したくないという方は植物を使って天然の忌避剤を作ることもできますので、一度チャレンジしてみて下さい。
最後に
エルダーフラワーは日本ではまだ認知度が低いですが、その多用途性と育てやすさから、庭木としても非常に魅力的なハーブです。
花は見た目が可愛らしく、実はジャムやシロップに加工できる実用性も兼ね備えており、初心者でも育てやすい植物なので、ぜひ栽培に挑戦してみてください。
ハーブには他にも庭木として重宝するものがたくさんあります。
下記のページでおすすめの品種などを紹介していますので、ご興味ある方はあわせてご一読ください。
