はじめに

ルバーブは、独特な酸味と鮮やかな赤い茎で人気のある食材です。ジャムやスイーツに使われることが多く、その健康効果にも注目されています。
しかし、実はルバーブの葉には毒性があることをご存じでしょうか?適切に扱わないと健康を害する可能性があるため、注意が必要です。
本記事では、ルバーブの葉に含まれる毒性、食べてはいけない理由について詳しく解説します。ルバーブを安心して活用したい方は、ぜひ最後までお読みください。

ルバーブとは?

ルバーブは、近年では自然食品店や道の駅でも見かけるようになり、徐々に身近な存在となっています。
豊富な食物繊維に加え、カリウムやビタミン類も多く含まれています。

見た目は、春の山菜「フキ」に似ており、太く長い茎と大きな丸い葉が特徴的です。
ルバーブはタデ科に属する植物で、漢方薬の生薬として知られる「大黄(ダイオウ)」と同じ仲間でもあります。

アメリカでは「パイ・プラント」と呼ばれ、主にパイやタルトの具材として親しまれています。一方、日本では明治初期に野菜として導入されたものの広く普及せず、最近になってジャムとして加工された商品が販売され、再び注目を浴びるようになりました。
<参考商品>
直売所では、農家さんが丹精込めて育てた新鮮なルバーブが販売されることもあります。ただし、食用として利用できるのは茎の部分のみです。葉には毒性があるため、食べることはできませんので注意が必要です。

ルバーブの葉に含まれる毒素について
ルバーブの葉が食用に向かないのは「シュウ酸を多く含む」という理由からです。
「シュウ酸」とは、簡単にいうと人間の体に必要のない「食べ物のアク」の成分だとお考えください。
ルバーブの葉には他の食品と比べ多量のシュウ酸が含まれていますが、下記の食品にも少なからずシュウ酸が含まれています。
・ホウレンソウ
・キャベツ
・ブロッコリー
・レタス
・さつまいも
・なす
・レタス
・オクラ
・お茶類(抹茶、番茶、ほうじ茶など)
・タケノコ
・アーモンド
・フキ
・ワラビ
・ゼンマイ etc
どうでしょうか? それぞれを見ると、実際食べた時に苦味を感じる食品が含まれていませんか?
良い例は「ホウレンソウ」です。

通常、ホウレンソウは食べる前に茹でてアク抜きしますが、もしアクを抜かないと食べた時にえぐ味と苦味を感じさせます。
その正体が「シュウ酸」です。
シュウ酸は水溶性の物質で水に長時間浸したり茹でることで減らすことができます。
しかし、ルバーブの葉には非常に多くのシュウ酸が含まれており、他の野菜と同じようにアク抜きしても十分処理しきれないため食用には向きません。

葉を食べるとどうなる?

葉の部分を食べて大量のシュウ酸を摂取してしまった場合は、下痢や腹痛や嘔吐などの症状が出る恐れがあります。
また、シュウ酸はカルシウムや鉄分の吸収を阻害する性質を持っており、「尿路結石」の原因にもなりますのでルバーブの葉に限らず、できれば日常的に摂取する量には気をつけておきたい成分です。
サントリーウェルネスOnlineにて「尿中シュウ酸濃度を低くする生活習慣」を紹介されていますので、更に詳しく知りたい方はご参照ください。
実は可食部の茎にもシュウ酸は含まれていますが、葉に含まれる量からすると少量です。

茎の部分に関しては生食を避けジャムなどに調理すれば、もちろん食べても全く問題はありませんのでご安心ください。

安全に調理するためのポイント
葉の部分は必ず切り捨てる
ルバーブの葉にはシュウ酸が大量に含まれているため、絶対に食べないようにしましょう。調理する際は、葉の部分を根元から切り捨ててください。
十分に加熱する
シュウ酸は加熱によってある程度分解されます。調理する際は、十分に加熱することでシュウ酸の量を減らすことができます。
水にさらす
カットしたルバーブを水にさらすことで、シュウ酸が溶け出し、摂取量を減らすことができます

最後に
今回は、ルバーブの葉が食用に適さない理由について詳しくご紹介しました。
ルバーブはその鮮やかな赤い茎が印象的なだけでなく、健康に役立つ栄養素を多く含んだ魅力的な植物です。一方で、葉には毒性があるため、安全に取り扱うためには正しい知識が欠かせません。この記事を通じて、ルバーブをより安心して楽しんでいただけるお手伝いができれば幸いです。
また、ルバーブはその美しさと育てやすさから家庭菜園にもぴったりの植物です。もし実際にルバーブを育ててみたいとお考えの方は、下記のページで特徴や具体的な育て方を詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
