はじめに
皆さんは普段どんなお店で園芸グッズや苗などを購入されているでしょうか?
近隣に行きつけの園芸店やホームセンターがある方は、実際にお店に足を運んで買い物をされるかと思いますが、コロナ禍をきっかけにネット通販を利用して購入する方も一気に増えたようです。
特に、園芸用土のような重い資材は持ち運びが大変で、車のない方にとっては一苦労。
その点、ネット通販は玄関先まで配達してもらえるというメリットがあります。
また、行きつけのお店に欲しい品種の苗がないという場合、全国各地の苗屋さんが出品しているオンラインショップを利用することで、欲しかった草花や珍しい品種の苗を購入することができるのも嬉しいポイントです。
ただし、ちょっと気になるのは「通販の苗がどれだけ信頼できるものか」という点。
そこで今回は、実際にオンラインショップで苗を販売をしていた筆者が、ハーブ苗をネット購入するメリットやデメリット、そしておすすめできるか否かについて解説させていただきます。
これから苗を取り寄せたいと思っている方は、是非本記事を参考にしていただければ幸いです。
苗のネット購入はおすすできるか?
いきなり本題から入らせていただきますと、苗のネット購入はおすすめです。
ネット通販を利用した苗の購入にはいくつかのメリットがありますが、その中でも特に筆者がメリットに感じている2点について解説いたします。
ネット購入のメリット
豊富な選択肢
冒頭でもお伝えした通り、もし皆さんが探しているハーブがちょっとマイナーな品種(もしくは珍しい品種)である場合、一般的な園芸店やホームセンターでは入手しにくい可能性が高いです。
多くのお店では、苗にバジルやタイム、セージなどの名札がついていますが、更に詳しい品種名や選択肢がない場合が殆どです。
例えば、バジルの苗を探している場合、広く親しまれている「スイートバジル」であれば多くのお店で取り扱っています。
しかし「シナモンバジル」や「レモンバジル」「ホーリーバジル」など、少しマイナーな品種になると、購入できる場所がかなり限定されます。
一方、ネット通販であれば、全国各地のハーブ苗専門農家や、マイナーな品種を扱っている業者さんが出品されていますので、欲しい品種を高い確率で見つけることができます。
口コミが参考になる
事前にショッピングサイトの口コミ(レビュー)を確認できるのは、実店舗にはない大きなメリットといえます。
お店で苗を購入するとき、同じお店で買い物をした友人や知人がいない限り、実際のところ質が良かったかどうかを知る機会ってないですよね?
飲食店であればグルメサイトでお店の評価を予め確認することができますが、園芸店にはそれがありません。
比較サイトで値段を比較したり、Google mapの情報でお店自体の評価はある程度確認できますが、純粋に苗の良し悪しについての評価は確認するのが困難です。
しかし、ネット通販の商品レビューを見てみると、その殆どが購入した商品(=苗)に対しての評価です。
店の雰囲気や接客態度といったお店の評価よりも、純粋に「購入した苗自体が良かったかどうか」が重視されて評価につながります。
販売者の立場からすると、評価対象となる苗はできるだけ吟味して選び、可能な限りベストな状態のものを送りたいという心理が働きます。
つまり、店頭でお客様自身が選ぶ苗よりも、プロ目線で「状態の良い苗」「満足いただける苗」が入手できる可能性が高いというメリットがあります。
実際に筆者もネットで苗が購入された時は、かなり吟味して良い状態の苗を送るよう心がけていました。
いくら愛想を振りまいても、遠くのお客様には商品しか届きませんので….。
ネット購入のデメリット
前述のようなメリットがある一方で、次のようなデメリットも存在します。
商品を確認できない
苗の良し悪しが判別できるくらい「目利き力」がある方にとっては、予め実物を確認することができないのは大きなデメリットかもしれません。
葉の色や土の状態を見て、植え付けした後も丈夫に育つかどうかを判別できる方は、実物をみて品定めしたいと同時に、商品が届くまで少し不安に感じるかもしれません。
品定めに絶対の自信がある方は、やはりネット通販よりも実店舗で購入する方が良いかもしれません。
ただし、前項で説明した通り、栽培のプロが良い苗を選んで送ってくれるのであれば、あまり心配する必要はないと思います。(←もちろん販売者さん自体の質にもよります。)
配送によるリスク
一般的な工業製品と違い、植物の輸送には「水切れ」や「車両の揺れによるダメージ」なども考えられます。
梱包の状態によって、特に夏場のように暑い時期は、苗が届くまでに萎れてしまうリスクもあります。
もちろん、お店側は配送にかかる時間や気温なども考慮して苗を梱包していますので、可能性としては低いかですが、届いた段ボールを開けてみて「あれれ…」ということも。
苗物に限ったことではありませんが、ネットで取り寄せるということには、そのようなリスクもあるということを念頭に置いておきましょう。
もし届いた時点で苗に異常がある場合は、販売者に連絡の上、対応方法について相談することをおすすめします。
配送中の不手際やアクシデントで、苗にダメージがある場合は保証される場合もあります。
また、明らかに苗自体に問題がある場合(例えば、届いた時点で既にアブラムシが大量に発生している、または葉色が著しく悪い、など)は商品の質の問題ですので、お店によっては真摯に対応してくれる場合もあります。
良い苗を取り寄せるコツ
ここまでご覧いただいて、実際に取り寄せてみようとお考えの方に、ネット販売で良い苗を取り寄せるためのちょっとしたコツをお教えいたします。
事前の問い合わせ
基本的に苗物というのは「時期的な商品」です。
つまり、時期によって生育具合や状態(葉の茂り具合や草丈)が著しく変化します。
多年草の場合は特に問題ありませんが、一年草の場合は植え付け適期を過ぎて購入すると、状態の悪い苗が届く可能性もゼロではありません。
心配な方は購入前に問い合わせて、購入を検討している苗の状態を聞いてみるのが良いでしょう。
近い販売者がベター
購入する際は、販売しているお店または苗の生産地など、発送地がどこなのかを確認するのも有効です。
苗が梱包され配送業者さんの手に渡ってから皆さんの手元に届くまでは、誰も苗の状態は気にかけてくれません。
従って、水切れや荷崩れのリスクを極力少なくするために、輸送にかかる時間(日数)は少なければ少ないほど良いのです。
発送地(生産地)の住所が皆さんのお住まいに近い場所であればあるほど、元気なうちに苗が届き、元気なうちに植え付けすることができます。
もし、2つのとも同じ苗でどちらを購入するか迷っている場合は、できるだけ近い販売者の苗を購入することをおすすめします。(←配送料も少しは安くなるはずです!)
評価は必ずチェック
先にお伝えしたとおり、ネット通販で良い苗を購入するためには商品レビューが重要なポイントになります。
良質な苗がお客様の手に渡るまでには、生産から日常管理、梱包といったいくつものハードルをクリアする必要があります。
工業製品と異なり、また植物という性質上、お届けするまでの全てのプロセスが重要で、どれかを怠ると良質な苗はお届けできません。
そのため、苗物の商品レビューは、一般的な商品よりも「良質である証明」として信頼に値する評価であると考えます。
ちなみに筆者もネットで苗を取り寄せることがありますが、レビュー数が20〜30件で★の数が平均4つ以上あれば、細かいことは気にせず信頼して購入します。
筆者おすすめの苗屋さん
最後に、高評価の苗をネット販売している筆者イチオシのお店をご紹介します。
これから苗をお取り寄せされる方は、是非参考になさってください。
▶︎楽天人気ランキング常連のハーブ屋さん。初心者から上級者まで幅広い層に支持されるお店。栽培キットなども豊富に取り扱っています。
▶︎宿根草と山野草にも精通している長野県のお店です。苗のネット通販では老舗といっても良いほど長い間全国のファンに愛されています。耐寒性のあるハーブも品揃え豊富です!
▶︎ハーブ苗はもちろん、球根やバラ苗も豊富に取り扱っている大分県のお店です。別府湾に面した広大な敷地にはバラやハーブを観賞できるガーデンもありますので、一度実店舗にも立ち寄ってみてください。
他にも、下記のお店から高評価の苗を取り寄せることができます。
最後に
今回は、多くの方が気になっているトピック「ネットでハーブ苗を取り寄せる」をテーマに、そのメリットとデメリットをお伝えしつつ、筆者の経験を踏まえてアドバイスをさせていただきました。
ネット通販にはネット通販の、そして実店舗には実店舗のメリット・デメリットがありますので、皆さんのライフスタイルや好みに合わせて使い分けていただけたらと思います。
下記は、ホームセンターの苗に関する記事です。日常的に利用されるという方は、こちらの記事もあわせて参考材料にしてください。