意外と難しい!? ドライハーブ作り 天日干しで注意すべきポイントとは

はじめに

皆さんはハーブをたくさん収穫したとき、どのように消費していますか?

収穫したてのハーブは香りが高く、願わくは一年を通して少しずつ収穫しながらお茶や料理に使えたら良いのですが、多くのハーブには「収穫適期」というものがあり、その時期に一気に収穫をしなければなりません。

一度にたくさん収穫できても、一般家庭で消費する量には限度があるため、乾燥加工して保存する必要が出てきます。(一部のハーブは生のまま冷凍保存も可能です。)

筆者が以前勤務していたハーブ専門店では、収穫期にとれた大量のハーブを大型の乾燥庫で乾かしてハーブティーを製造していましたが、一般の家庭ではそのような設備がないため、どうしても天日干しで水分を抜く必要があります。

しかし、実は家庭での乾燥加工は意外と難しく、水分がしっかりと無くなったと思っても、保存している間にカビが発生していたということが多々あるものです。

本記事では、これからハーブを収穫して乾燥保存したいと思っている皆様に向けて、家庭でのドライハーブを作るとき、天日干しにするときに役立つポイントをいくつかご紹介したいと思います。



天日干しはなぜ難しいか

家庭での天日干しが難しいと言われる大きな理由は、日本の高温多湿な気候と密接に関係しています。

皆さんもご存知の通り、日本は湿度が非常に高い国です。

多くのハーブの生まれ故郷であるヨーロッパ(地中海沿岸)と比べると、年間の雨量は約3倍で、しかも気温が上がる春から夏にかけて(特に梅雨の頃)非常に多くなります。

つまり、カビの発生が大敵というわけです。

そんな湿気の多い国で天日干しでハーブの水分を抜くのは実はとても難しいことなのです。



天日干しのコツとポイント

では、できるだけカビの発生リスクを少なくして、家庭でもドライハーブを作るはどうしたら良いのでしょうか?

ここでは、天日干しをする際に留意しておきたいポイント保存のコツをいくつかご紹介したいと思います。


加工する場所

まずは大前提として、ハーブを乾燥させるための大切な”場所選び”です。

「天日干し」という言葉を聞くと、日光に当てて水分を飛ばすようなイメージを持たれる方が多いかと思いますが、実は、燦々と降り注ぐ日光に直接あてて乾かすのはNGなんです。

直射日光に晒すことで一気に茎葉の温度が上がり水分も抜け始めますが、同時にハーブの命である香りも飛んでいくことになります。

更に、強い日射しによって葉焼けを引き起こし、仕上がりの色合いが非常に悪くなるという弊害も引き起こします。

理想的な環境は、風通しの良い日陰です。

陰干しすることによって香りと色合いをなるべく失わずに、乾燥させることができます。


大量に束ねない

茎ごと刈り取って干すようなハーブ(例:ラベンダーやセージなど)は、束ねるときに可能な限り少量ずつまとめましょう。

注)束ね過ぎは必ずカビが生えます。

干すスペースを惜しんで、何本も太く束ねてしまうと、茎と茎の間の水分が抜けにくくなり、目に見えないところで徐々にカビが繁殖する原因となります。

特に茎が太いものほど少量ずつ束ねて乾かすようにしましょう。



乾燥前に水分を拭き取る

ひと手間かかりますが、ハーブを洗って束ねる前に、軽く水分を拭き取っておくのも効果的です。

キッチンペーぺーやタオルなどで、葉や茎の水分をできるだけ吸い取ることで乾燥を早めるとともに色褪せや葉焼けを防止することができます。


ザルやメッシュ地を利用

ハーブの中には、カモミールのように花の部分だけをお茶として利用するものや、月桂樹(ローレル)のように葉だけを摘み取って利用するものもあります。

束ねることができないそれらのハーブは、ザルに平らに敷いて乾燥させます。花と花、葉と葉が重ならないようにおいて乾燥させるのがポイントです。

乾燥させている期間中は、1日に1〜2回程度、天地返しをして満遍なく水分を抜くように心がけます。

通気性の高い「干しカゴ」を使用すれば、天地返しの必要もなく、効果的に乾燥させることができます。


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仕上がりの目安(確認方法)

天気や時期、ハーブの種類によって乾燥工程に要する日数は異なります。

従って、水分がしっかり抜けたかどうかを確認するためには、皆さんの目と手で判断しなければなりません。

家庭での乾燥は限界がありますが、保存に耐えうるだけの水分が抜けているかどうかは、実際に枝を折ってみることで確認することができます。

もし枝がしなる前にポキッと折れた場合は乾燥完了のサインです。
(葉だけを乾燥させたものは、指で挟んでパリッと崩れるかどうかが目安です。)

枝や葉を折り曲げて、少しでもしなっていたらまだ水分が抜けていない証拠ですので、もうしばらく乾燥を続けましょう。

「湿っているような、いないような…」といった感じで、ちょっと判断が難しい場合には、最後の仕上げとして電子レンジで20秒ほど加熱するのも有効です。

(保存する際には、粗熱がしっかりと取れていることを確認しましょう。)


乾燥後の保存方法

乾燥が終わったハーブはプラスチックやガラスの密閉容器、もしくはジップ付きの保存袋に入れ、空気に触れないように配慮し、直射日光と高温多湿を避けて保存しましょう。

もしシリカゲル乾燥剤を用意できるようでしたら、更に長期間安心して保存が効きます。


フードドライヤーの利点

ドライハーブを作りたいけど、乾燥工程が面倒、、もしくは、物理的に天日干しが難しいという方は、家庭用のフードドライヤー食品乾燥機を利用するのも一つの方法です。

フードドライヤーの利点はなんと言っても天日干しのように日数がかからないという点と、日々カビの心配をしなくても良い点です。

また、ハーブだけでなく、オレンジやレモンなどのフルーツも一緒に加工して、フルーツハーブティーのブレンドを楽しむこともできますのでオススメです。

メーカーによりデザインや仕様は異なりますが、相場は大体1〜2万円程度です。

日本の家庭では、年間に何万円もの食品ロスが出ていると言われていますので、ハーブに限らず食品を乾燥保存して有効に活用すれば一年使用するだけで十分元が取れます。

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最後に

今回は、天日干しでドライハーブを作る際に注意しておきたいポイントやコツをご紹介しました。

ラベンダーなどのドライフラワーやポプリを作る際も、今回お伝えした要領で問題ありませんので、是非本記事を参考にチャレンジしてみてください。


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豆知識
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